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2年に一回転校していた筆者が語る転校生になったときのコツ
私って小学校と中学校のときたくさん転校しました。
2年に一回くらいの頻度で、合計5つの小学校と中学校に行きました。しかも転校はいつも夏でしたね。
これが人生に与えた影響はやはり大きかったと大人になった今感じています。
今回は転校が人生に与える影響と、新しい環境に適応するためのコツについてお話しします。
転校によって萎縮して伸びなくなったスキルや親の心構えに関しても書いていきます。それでは始めていきます。
転校生になったときつらく感じるポイント
大きく二つあると思います。
一つ目が
「今まで仲良くしていた友達との関係を一気に喪失する」
ということです。
二つ目が
「新しい環境でどうすればいいのかわからない」
ということです。
一つ目について。
転校しなくて済んだ状態で大人になるとしましょう。
すると「地元の友達」とか「地元の~さん」という知り合いができます。
就職で地元から離れても地元にはそういう知り合いがいて、連絡を取り合うことができる。
小学生はまさにこういう地元の知り合いを作る期間です。
その積み上げかけてきた関係性が一気にリセットされてしまいます。
そのときはやはりつらく、戸惑い、時に怖くもなり、この感情には何らかのサポートが必要です。
二つ目について
大人になったら
「ああ、新しいところでまた人間関係を作るんだな、仕事が終わったら飲み会に誘って相手のことを知ろう」
となります。
どうすれば相手と関係を作れるのか、どの程度までの距離感で付き合えばいいのかということが頭にあるので、どうすればいいのか道筋が見えます。
しかし小学生は相手と関係を作る方法も、相手との距離感という概念も知りません。
これを「まあ、人の中で揉まれれば関係が作れるだろう」と何のサポートもせず親が放り投げてしまうと、子供はどうしていいかわからず新しい環境に恐怖心を抱くことがあります。私はそうでした。
未熟ながらも学校の場でなんとか関係性を作るスキルを身に着けている途中なので、子供は完全に手探りの中にいます。どうすれば転校前の関係性に追いつけるか、その手段を思いつくほど脳が発達していないのです。何らかのサポートが必要です。
悲しみは受け入れる
転校するというのは変えられないので、今まで付き合ってきた人たちとは物理的に疎遠になります。
今までのように遊べないし、知り合いだった大人とも話すことはなくなります。
これは受け入れてもらうしかありません。
たまにメールするとか、オンラインゲームで一緒に遊ぶとかはできるでしょうけど、そのくらいです。
「ごめんね、新しいところで頑張ろう」
こういうメッセージを伝えて新しい環境に立ち向かってもらうのが大切です。
今までの延長で関係性は作れないと知らせる
次は新しい環境に対する戸惑いに対してどうアドバイスするかという話です。
上で述べましたが子供は環境が変わったとき、どうすれば再び他人と関係が作れるのか考えることができません。
私の場合は
「転校前の関係性の続きを作ろうとする」
ように振る舞いました。
これが、人間関係が苦手になるきっかけになってしまいました。
「さあ、僕と仲良くしてよ」
っていう態度を全面に出してしまったんですね。
人間関係は積み上げ型で、一度相手が変わるとまたゼロから関係性を積み上げていかねばなりません。
しかし子供の場合そこが理解できないので、転校先で転校前のなかよし度のまま人間関係を作ろうと考えてしまいます。そういう態度に「ハマる」クラスメイトをガチャで見つけよう、みたいな。
仲の良い今までの友達と同じような関係性をいきなり作ろうと振る舞います。
むしろ今まで積み上げた関係性につぎ込んだ多大な労力をまたゼロから積み上げていくことを避けようとしているようにも考えられます。
すると他のクラスメイトは、新参者の転校生が仲良くもないのに仲良く振る舞ってくださいと要求しているような気分になります。
すると「そんなの無理でしょ」と距離を置かれます。
すると転校生は
「ああ、誰も仲良くしようとしてくれないんだ」
と勘違いして、コミュニケーションが苦手になります。
これを避けるためには
「相手はあなたのこと何も知らないんだよ。また最初から少しずつあなたを知ってもらおう。しばらくは仲良くはなれないの。最初は我慢しよう。」
転校初日か転校が決まって消沈した直後にこうアドバイスすれば違うのではないかと思います。
とりあえず
「なんだかよくわからないけど、最初は無理なんだ」
ということが子供に伝わればいい。まず我慢することを教えます。
子供にとっては仲良しがいない空間で休み時間を過ごすのはつらいでしょう。
みんなグループに分かれているのに自分だけグループに入れない。
仲間外れにされているような時間になります。
でも無理なものは無理なのです。
振り出しに戻って周りを観察して、仲良くできそうな人を見つけて少しずつ付き合ってみるしかありません。
それが学校でできているか、今日はそのために何をしたかというのが親が学校から帰ってきた我が子と話し合う内容です。
転校で萎縮するスキル
何かを表現することが苦手になります。
私の場合は
「絵を描くこと」
でした。
最初の小学校では休み時間に一生懸命好きなキャラクターの絵を描いていました。
すごいねって言われるのが楽しかったんですね。
しかし転校先で全く絵を描かなくなりました。
「周りに下手だね」
って言われたらどうしようと気にしてしまったんですね。
今までは褒められていたけど、ここではどうかわからない。
仲良しなら気軽に見せられるけど、知らない人に見せたら何を言われるかわからない。
だから絵は描かないようにしよう。
こういう相手に見せるようなスキルは萎縮しがちです。
何かを努力することも恥ずかしく感じます。
みんなが仲良くしていた転校前なら
「この人たちなら頑張っているところを見せても嫌な目で見られない」
と安心しているのでみんなの前で鉄棒の練習をしても気になりません。
しかし知らない人の中に入ると
「頑張っている姿を見せたらからかわれるかもしれない」
と構えてしまいます。
だから親としては
「今まで取り組んでいたことをしなくなっていないか」
「しなくなっている原因が人間関係からくる萎縮かどうか」
「見せるのが怖いなら代替手段はないか」
ということを考えたほうがいいでしょう。
代替手段というのは、絵なら家で描くよう促してみるとか、鉄棒なら近くのクラスメイトがいない公園で練習させてみるとかそういうことです。
みんなの前で無理に見せる必要はないと思います。やはり何を言われるかわからないリスキーな行動ですから。
次第に新しいクラスで「安心感」が芽生えてから再開しても遅くはありません。
子供がつらいと言っても怒らない
私の場合は、転校が嫌だと親に言ったら
「じゃあ会社辞めろってことか!」
と逆切れされました。
違うんです。大事なのはそこじゃないんです。
転校に関する新しい環境への戸惑いにどう対応すればいいのかがわからないだけなんです。
新しい環境で手探りは必要でしょう。
子供は関係性を作る方法を知らないんですから。
だから手探りできるよう前提となる「振り出しに戻った」ことを伝える。
いきなり親友はできないという人間関係の積み上げシステムをわかってもらう。
手探りをどう行って、どうすればもっと良くなるのか一緒に考える。
それが大切だと私は思います。
まとめ
今回は転校生になったときの心構えについて書きました。
たいていの転校生は転校がつらいと考えるでしょう。
それでも、そこでの振る舞い方、心の持ちようを知っていれば、立ち向かうことができるのではないでしょうか?
親も勉強させなきゃいけないという気持ちの前に、子供が取り組んでいる「関係性をマイナスからプラスまで持っていく」というビッグプロジェクトをサポートしてあげてください。
学校が嫌な場所とならないよう、我が子が地道に努力する手助けをしてあげてください。
春は転校の季節です。転校の悩みもたくさん生まれる季節です。
この記事がどこかの転校生のお子さんのお役に立てば幸いに存じます。