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私は「私が好き」だと人に言える 〜not謙遜〜


私の好きなところ

私は「私が好き」だと人に言える。それが私の好きなところだ。
だが、幼い頃からそうだったわけではない。
「自慢しぃ」と言われるのが怖くてずっと自分の自慢は控えてきた。
本当は自分のことが大好きで自慢したくて仕方なかったが、必死で抑えてきた。
それでも自分好きは漏れ出てしまう。
漏れ出た部分で嫌われてしまう。そんな事も多かった。
そんな自分が変わるきっかけになったのが統合失調症の発症だった。

統合失調症の発症

私が統合失調症を発症したのは31歳の時だった。
それから精神病院に四回の入退院を繰り返した。
精神疾患に罹ると、「なぜこうなってしまった」と考え込むことが多い。
そして、「自分の心に問題があるからだ」と考え、精神そのものを治そうとする。
その過程の中で私は「私が嫌い」になっていった。
変わるきっかけは四回目の入院、ある女性との出会いだった。

変わるきっかけ

精神病院に入院すると禁止事項が多くとにかく暇になる。
なので、私は適当な人を見つけて喋っていた。
その女性に話しかけたのもただの偶然だった。
女性が入院したのは自殺未遂をしたとのことだった。
時々、話をしたがどうしても暗くなることが多かった。
私はそんな彼女に明るくなって欲しかった。
どうしたらいいかを考え、私はこう切り出した
「自慢話をしませんか?」
そして、私は自慢話を始めた。
部活のこと、勉強のこと、仕事のこと、微に入り細に入り、本当に小さなことから大きなことまで必死に自慢した。
そして女性に問いかけた。
「〇〇さんも自慢話しましょう。」
そうすると女性は少し考えて話し始めた。
「実は私は・・・」
自慢話を始めた彼女の顔はイキイキとしていた。
毎日のように「死にたい」と言っていた女性の顔とは明らかに違っていた。
それからは彼女を病棟で見かけるたびに自慢話をしあった。
私は「自慢話」にこんな効果があるとは思わなかった。

退院後、自助グループにて

私は退院して、自助グループに通うことにした。
自助グループとは、障害を持つもの同士で相談事を話し合ったりするグループのことだ。
そこではある一つのことを決めていた。
「自分を堂々と自慢すること」だ。
自己紹介の場所で自分ははっきりと自分を自慢した。
そして、最後にこう付け加えた。
「皆さんも自慢したいときは私に声をかけてください」
と。

それから私は自助グループでいろんな人の自慢話を聞いてきた。
共通していることは人は自慢話をしている時、目を爛々とさせ、イキイキと話をすることだ。
グループの話では時々、暗い話になることもある。
そんな時、私はブッこむ。
「僕は自分大好きっ子ですけどね」
そういうと、「本当は私も自分が好き」などと返してくれる。
自分が好きなことを隠そうとするから、嫌われるのだ。
堂々と自分が好きだと喋れば人は受け入れてくれる。

最後に

今、世間は変わってきている。
多くの人がどうすれば自分を好きになれるかと考え始めている。
でも、私は思う。
人ってそもそも自分が好きなんだと、
だから人に自分の自慢話をしよう。
人に自慢すれば相手も自慢を返してくれる。
そうして自慢話をしあおう

私は「私が好き」だと人に言える自分が大好きだ。

#私は私のここがすき

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