赤い薔薇を挿す男
今回は、医療関係の仕事をしていた時に登場した個性溢れる上司の話しである。
個性豊かな人物が出てくるので、変な人が苦手な人はみないほうがよいかも…。
その上司はいつも白衣の胸ポケットに造花の赤い薔薇を挿していた。
はじめは、そういう決まりなのかと思っていた。
しかし…薔薇を挿していたのはその上司だけだ。
顔はこの俳優さんに似ていた。
この人の髪をもっとパサパサにした感じが近い。
わたしはこの上司からよく奥さんの話しやら、昔付き合っていた女性の話しを聞かされていた。
まず奥さんなのだが、体重が100キロオーバーらしい。
昔の面影は全くないんだとか。
痩せていた時の写真をみせてもらったことがあるが片桐はいりさん似だ。
あと困るのがベットがすぐに壊れてしまうことみたいだ。
ベッドを毎回買い替えていたらお金がいくらあっても足りないと。
お金がなかった時は仕方なく、バネが飛び出たベッドでバネに当たらないように寝ていたらしい。
案の定、翌朝は足腰が痛くなり仕事に行けなかったこともあったと言っていた。
そんなにベッドってすぐに壊れるものなんだな〜と、わたしは思った。
そしたら100キロ以上の人はみんな、布団じゃないとダメってこと??
あと、昔付き合っていた女性は江角マキコさんに似た美人な女性だったらしい。
けど美人には懲りたんだと。
美人はワガママで疲れるからやめたらしい。
どんなところがワガママだったのか聞いてみた。
上司が言うにはフェラーリでドライブデートした日に、車の中に食べカスやゴミをポイポイと捨てるらしい。
わたしはアタマがはてな?になる。
それはワガママというのだろうか??
単に行儀が悪いだけなのでは…?
注意したら、アゴを蹴り上げられたんだって……。
う〜ん。ヤンキー?ただの暴力やん…。
最後はタバコの火を頭の上で消されるらしく、いつも髪が焦げていたから髪がパサパサ。
髪からはシャンプーの匂いではなく、タンパク質が焦げた臭いを毎日漂わせていたそう。
それに懲りて、美人はやめて普通の女性と結婚したそうなのだが…。(片桐はいりさんも普通にはみえないよね?)
最近不倫をしてしまいそうな自分がいて、怖いと言うのだ。
わたしはどうしてか聞いた。
理由は最近モテ期だかららしい。
薔薇のパワーらしくて、
この前も〇〇ちゃんが僕のことを上目遣いでじ~っと見つめてきたと言う。
絶対自分に気があるんだと…。
わたしはそれはただの勘違いだと思った。
すごい自信があるようだが、上目遣いをされたからと言って好きとは限らない。
だって…〇〇ちゃんは147センチの小柄な女の子だからだ。
当たり前だけど身長差があれば、自然と話すときに上目遣いになるから……。
だけど本人はモテ期がきたと浮かれモードだったので、そのままのほうが幸せかと思い何も言わずに、わたしの心にとどめておくことにしたのだった。
上司の胸に挿してある薔薇がなんとなく輝いて見えたのはわたしだけかな…。