親の介護からの施設選び…奇跡
施設入居者予定日の10日前
父は急変した。
大動脈瘤破裂
私は空港にいた。
わずかな予感が的中した。
出国45分前だった。
急遽フライトをキャンセルし、
病院へと向かった。
家族、親戚にお声がけをしてください。今日かもしれません。明日かもしれません。
そしてあれから5日目を迎える。
父は生きている。
意識もあって、
点滴を抜かないように拘束された腕をどうにか解放出来ないか、
必死で格闘している。
令和男子には引けを取らない長い足を寝ながらにして組んでみたり、
時折足でカーテンの開け閉めを楽しんだり…
この人は死の淵に本当に行ってきたのか?????
あちらは面白くなさそうだったのか?????
彼はどうもこの世が楽しいらしい。
あれから毎晩病院に泊まり込んでいる。
私も大概、この病院生活を楽しんでいる。
職員さんの働く姿が心地よい。
こんな暴れん坊の父をこんなに手厚く関わってくださって、
感謝の気持ちでしかない。
人生はコントロール出来ない。
自分の人生すらも、コントロール不可能だ。
その事に気づいた。
だから、今日なのだ。
今日を生きることが大切なのだ。
明日のことはわからない。
わからなくていいのだ。
わかるはずもないのだ。
今日をこの瞬間を生きる。
それだけでいいのだ。
父は私に今その事を教えてくれている。
それと、
父が父で幸せだという事。
父がいて母がいて、私がいる。
それだけで感謝だった。