ルサンチマン爆発w
20年前の話だが、職人時代に関西のいわゆる
(高級住宅地)である芦屋での仕事が舞い込んだ。
特に良い条件でもないが遊んでいてもしょうがない、何次受けかわからない仕事を損しない額で引き受けた。
その頃から日本の建築業界は下火で名古屋か東京に出稼ぎするのが基本になりつつあり、自治体が公共工事に税金をジャブれなくなっているのを感じていた。
(建築はもうダメかも知れない)と本気で思い、インフラ関係しか残らないのでは?と肌感覚で思えたのだ。
芦屋の某場所の低層マンションの現場についた俺達は聞いたことない様なショボいゼネコンの監督から説明を受けた。
それはこういう事だった。
◯車は子供たちに危ないので現場までは歩いて来い。
◯うるさいから残業はするな。
◯タバコなどをポイ捨てする輩がいるのでヘルメットにデカデカと名前を書け。
ときたもんだ。
説明します。芦屋は小高い丘なので現場までは坂道です。
高価な道具が盗難に会う事もあるので毎朝搬入する為に車は必須です。
大工さんが釘打ちのコンプレッサーパクられるなんてまあ良く聞いた。
サッシ屋だったので監督と相談して幾つかの部屋を施錠出来る状態に持って行くと職長会でヒーローになりましたが現場職人が馬鹿にされている事は最後まで変わりませんでした。
住人達(主に老人)は暇なのか仕事をする俺達を双眼鏡で常に監視しており、帰宅途中に落ちている吸い殻や丘の下にやっとあるコンビニで職人がビールを買った等のクレームはずっとありました。
何処の業者も嫌がるのが良く分かりました。
金を払えば〝神〟なのか?
金があるのは能力があるとは思うがオールオブオッケーではないしその傲慢の免罪符にはならん。
「おうコラ!おんどれ殴るのナンボやねん?」とは言わないが何か大事なモンをこの人たちは失ってる事に気が付かない可哀想な虫と解釈しましたよ。
確かにポイ捨てアカンしガラが悪いのも認めるが、ほんだら自分でマンション建てたらいいやんけ?
皆、生活の為に仕事してるだけ。
次の日から俺のヘルメットの名前を書き換えた。
「プリンセス天功」にw。
多分現場監督も多くのしょうもないクレームに辟易していたのだろう、俺のヘルメットを指差して爆笑した。
「…宜保愛子と迷ったんですがね」とサムアップしておいた。
俺は偉くなった事がないからわからないが、偉い人たちは〝コイツは俺より下だから何しても良い〟とか本当に思っているのだろうか?
自分が〝偉い〟とは誰が何を差して形容するのか全部わかっているのだろうか?
ならこの混沌の世界を導いて欲しい偉い人。
政治家は偉いよな、政治に金がかかるのがおかしいしそのシステムをなくす人はいないし多分本当にしたかった事では無いだろう。
介護に例えると認知症高齢者が度合いによって24時間寝れない労力が必要なのもTVは語らない。
もう日本は変われない。
搾取と中抜きを隠す衝立を壊す議員はいない。
彼等は〝下〟と見た民衆を双眼鏡で覗いているのだ。
結局、仕事を納めた俺は昔の様に怒れない事に気がついた。
だって犯罪者の怒り方やしwでも監督は別に悪くない。
それまで我慢しているがアホにはわからんらしくて元ヤンに逆転勝ちしてる自分に酔うのだろう。
俺はヤンキーではない、ロッカーだ、せめて目を合わせて喋れボケッ!
本当にあった人権無視の現場話でした。