not so easy〜子育て
息子が生まれるまで。
33歳で結婚。幾度かの流産を経験し、不妊治療も行いながら、なかなか授かれなかった。体質改善に漢方を処方してもらったり、ストレスから離れる方法など自分なりに努力を重ねたすえ、何気なく「子供ができるかもしれない。」と無意識のおもいがわいてきた。
3月3日桃の節句。1年前には卵管造営検査を行った日でもあった。よく覚えている。奇しくもその検査日と同じ日に妊娠がわかったのも奇妙なことであった。
結婚からは7年を要した。穏やかな妊娠期を過ぎて、出産後の子育ての方がさらにさらに大変だったことは、世のお母さま方はみな経験済みの事実。
私にとっては、世界がまるで全てひっくり返るかと思えるほどの世界観の変革があった。全てが変わった。
新しい命が生み出されることの奇跡。これを体験できる女性の生み出す力の凄さとは、いわんや世のすべての母親に対して尊敬の念がわいていた。
我が子は、感覚が敏感で私が落ち着く間もなくミルクをせがむ夜泣きから、短い間隔で寝たかと思うとすぐに起きてはまた泣いて〜私自身、おにぎりを結んで口に入れる暇とタイミングさえ見失っていた。そんな子育て期をすぎて、息子は逞しく今はもう中学1年生。少々、学校という箱が苦手で義務教育を十分に受けられていない現況がある。発達障害という単語をよく耳にするが、息子が診断を受けた内容は、医師の説明を聞くと9割ほどは当てはまっていない。
合理的配慮という言葉も小学校の6年間、聞き飽きるほどであったが子供にあった配慮が一体全体どういうものであるべきか、未だ模索の中にいる。そのような保護者が私の周りにも意外といらっしゃる現実。
常識的なことは飛び越えて、息子から発せられるリクエストにはかなり高い確率で応じてきた私たち夫婦。そのお陰か、息子には意欲的な創作意欲と探究心が備わってきている。義父が仏師であるという、モノづくりのDNAが働いていることは言うまでもなく息子は果敢に今を生きてくれている。
”not so easy" よくこの言葉が、私の中で響いている。息子は反抗期にさしかかり、私の言葉が鬱陶しいようである。私は口をつぐみながら、息子の成長を楽しんでいる。
近頃は息子によく似た様子を、さまざまな場面で目にする。
「大丈夫。きっといいところがたくさんあってこれからのびのび育ってくれるよ。」ってエールを送りたくなるこの頃・・・