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まもりたい11-5&6

side:Toshl

予定通りといいますか、約束通りといいますか…
朝からヨシキに引っ張られて、お風呂に入って、上がってきたところです。

珍しく朝の目覚めがいいなって思ってたら、僕を起こしてお風呂行くって…
お風呂に中ではおとなしかったヨシキ。
逆に僕は…寝覚めがあまり良くなかった。
理由は…ヨシキの寝言がずっと聞こえていたから。
英語なんだけど、分かってしまうこともあるから、それを聞いたら気になって寝付けなかった。

乾かした髪の手触りを楽しんでるご様子で、お洗濯物を整理している僕にそばになぜかいる。

「トシ・・今度さぁ〜LAに来てよ。」
あくびしながら、片付けしてたら、ヨシキが大胆なことを平気で言ってきた。
突然また何を言いだすかと思ったら・・・”今からワンコの散歩行こう”みたいにして言うのは辞めてよ。
「衣装合わせするんだって。」
!!
「・・何それ・・・」
「うん・・・よく分かんない。」
分からないのに、良く受けたな・・・
「それって・・仕事なの?」
「まさか・・違うよ。1月に結婚記念日が・・って話で。僕の会社のスタッフ皆が総出で、なんか準備したいんだってさ。それで、その衣装合わせもかねてって・・」
「・・今度っていつよ・・・言ってもそんな時間なくないか?ヨシキが、特に。」
「知らないの。20日に間に合えばいいんじゃないの?」
・・・・でた・・この適当男・・・
「・・・その話・・もしかして、二番目の兄さんにも話した?」
「うん・・聞けばheathの大ファンだっていうからさ。話したよ。ずっと知らなかったんだよね。ボク。」
それは僕も同じです・・・
SNSに形見分けをしてもらった投稿を見た兄が、人が変わった様子で大興奮してきたのがきっかけで話すようになった。
heath・・・別の世界に行っても、僕等をつないでくれてることがすごく嬉しい。
「だからなのね・・・どうしても、和装でっていってくるから。何の話か全く分からなくて、兄さんに聞いたらヨシキに聞きなさいって・・いったい何考えてんの?」
「だからよく知らないけど、LAでなら盛大に何かしても気が引けないだろうっていうんで、スタッフ総出でなんか考えいるんだって。で、その和装でって何?」
「僕も知らないんだって。」
何も知らない二人が話して、出てくるのは、当然首をかしげることくらいの反応。
「わかった・・今から兄に連絡する。」
「今から・・?」
「スケジュールとの折り合い付けることになるかもしれないでしょう?」
お葬式が終わって、和装って・・何の話か全く繋がりがつかめない。
・・・・
「もしもし?」
「兄さん・・?今、い~い?」
「ああ・・どうしたの?」
「ヨシキと話してもわからないから電話した。和装って何?」
「・・・・ウソでしょ・・・」
兄さんの驚き方・・・・まるでヨシキに話していたみたいな感じ・・
なに・・何を忘れてるのあの人・・・
ヨシキを見ると、呑気にワンコのご飯を上げている。
「何が嘘なの?」
「heathの誕生日を結婚記念日にしたんだよね?」
そこまでご存じなのね。
「そうだよ。」
「それで、結婚記念日のお祝いもかねてheathの誕生会するって、聞いたから・・ちょうどいいのかなって・・思ったんだけど、違うの?」
話が、大まかに端折りすぎてるってば・・・分かるものもわからない。
「違うのって何が?」
「俺、ヨシキに呼ばれてるんだけどさ、誕生会に呼ばれてるだけなのか?」
「・・・ちょっと意味が分かんないんだんけど、ヨシキが呼んだんだね?」
「うん・・」
「じゃ、待ってて。」
直接話してもらうしかない。
「よしき?兄さんと話して?」
「?」
首をかしげなら、ヨシキが受け取った。
ヨシキがソファーへ移動。
僕は・・・・あらら・・こんなに零して・・なんでこうなるんだろうね、よっちゃん・・・・
相変わらず零れたものをちゃんと食べてるワンコ二匹。

どうやら込み入った話になったのか、寝室へ移動したヨシキ。
喧嘩になるような相手じゃないから、心配はないんだけど、混み入るような話になる相手でもないって気がする。
良いけど。

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