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砂漠雑感#105 自主防衛能力の剥奪、そして回復へ
伊藤貫先生の名著を読んで、しばし唸る。
アメリカ政府は戦後80年を経ても、日本が自主的な国防脳能力を持つことを阻止している。日本を包囲する一党独裁国家の中国と北朝鮮、またロシアが日本をターゲットとする核ミサイルをいくら配備しても、日本にだけは核保有を許さない。これは1942年に米国政府が決定した政策で、今でも続いている。日本から永遠に自主防衛能力を剥奪し、「同盟」国をアメリカに依存させることによって、その同盟国がアメリカの命令に従わざるを得ない仕組みを維持するという戦略だ。このシステムは、エントラップメント・アライアンスと呼ばれる(罠にはめる同盟関係/国際政治学者グレン・スナイダー)。まさに日本が陥っている問題そのものである。アメリカに保護してもらっていることで、独立主権国として行動するための外交、国防能力を剥奪されているのが実態だ。
日米「同盟」、日米安保体制によって、「保護」されてきた日本は、憲法、歴史解釈、外交、国防、通商政策、金融政策、通貨政策も、大変忸怩たる思いがあるが、全て米国によってコントロールされてきた。戦後80年の保守政権とは、まさにこの戦後体制の保守に過ぎなかった。
石破政権が、本気でこれを打破するために、日米地位協定の改訂を考えているのであれば、評価できる。しかし実態はいかに。まさにチャイナに自ら飲み込まれに行っているようなものではないか。
トランプ革命をしおに、真の主権回復が望まれる。