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スギの伐採見学ツアー

 木が伐り倒される迫力を間近に感じてもらう伐採見学ツアーがこのほど、横瀬町芦ヶ久保のスギの山林で行われました。当日は、木が倒れる仕組みの説明や、実際の伐倒手として私も携わらせてもらいました。

 集まった参加者は、都内からお越しの親子など計10人ほどです。林業従事者がどのような原理で木を伐るか知っている人はそう多くないでしょうし、ましてや小学生がチェンソーと聞いて思い当たるのはせいぜい「チェンソーマン」くらいかもしれません。そこで山へ移動する前、模型を使ったミニ講義を行いました。

受け口を入れた木に反対側から追い口を入れると安全に木が倒れるよの模型
全国林業改良普及協会発行『フォレストワーカー研修テキスト』より

 
 伐採の現場へは里山の緩やかなアップダウンを交えつつ約20分の徒歩移動。スギとヒノキの見分けなど、途中途中、目にする自然の説明を加えていきます。里山歩きはやっぱり気持ちの良いものですよ


 それはそうと以下の写真。頭上に写る木を「キリですよ。若い木だと葉の大きさにぎょっとするし、都会のコンクリの隙間とかにもよく生えていて〜」と話しておきながら後日、この木が「キササゲ」だと発覚したので、この場を借り訂正させていただきます。

意気揚々とデマを流す私

 罪滅ぼしではないですが、ひとつキササゲにまつわるプチ情報です。

材は軽いので下駄や印刷用の版木として使われてきました。中国ではキササゲのことを梓樹(シジュ)といいますが、これが基になり「出版すること」を「上梓する」というようになったとされています。

山科植物資料館より

 考えてみれば、「上梓」のシの字の由来なんて想像もしたことありませんでした。由緒正しき木なんですね。
 現場に到着し準備を整えたらいざ伐り倒し!

ヘルメットや防護ズボンの身支度を整える。チェンソー(左手前、赤色の物体)は意外に重たい
追い口を入れる
切り株になったスギの前で集合写真

 農村公園までの山道を登り、木陰でお昼休みです。暑さが心配でしたが、朝の集合地点、道の駅に比べると上はずいぶん涼しいものでしたね。

もへじの秩父グルメてんこ盛り弁当おいしかったです

 お昼のあとは公園内で、今しがた伐った木の丸太切り体験をしたり皮剥きに夢中になったり。みんなで年輪も数えました。事前に設置しておいたロープのブランコや縄はしご、木登りも盛り上がりました。参加いただいたお子さんたち、協力していただいたみなさん、どうもありがとうございました!森林や野外体験に少しでも関心を持っていただけたなら幸いです。

単純そうで奥が深い丸太切り
チェンソー以前の時代使われていた両挽きノコは圧巻の大きさを誇る
この時期の木は水をたっぷり吸い上げているので樹皮をめくるとしっとり、よく剥けます。大人でも、会議中についボールペンをいじったり資料の隅を折り曲げたりするタイプの人は飽きずにこれ永遠やれます
鎖のブランコにはない爽快さがここにある
ロープワークに詳しくなくても一冊本があると縄はしごがそれなりに作れる
幹に巻き付けたロープを使った木登り

 おしまいに、この日実施した伐倒現場は開けた伐採地ではなく、スギが密生した場所で、作業種的にはいわゆる間伐に当たるものでした。事前に行ったミニ講義では、木が倒れる仕組みの説明に続き、間伐のいろはも話しました。慣れない語りと拙い資料で小学生には分かりづらかったかもしれません。資料の一部をここに貼り付けておこうと思います。

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