私は騙されない
世の中には、人を騙しても全く心が痛まない人もいる。
これだけ恋やお金、健康の欲望に対する詐欺のニュースが溢れている中で
私は絶対に大丈夫だと思っていた。
キムさんとおはようとおやすみまで話したとしても、そのうち
お互い話すことは徐々に少なくなり、自然消滅するだろう。
もし、キムさんから
「家族で病気の人がいるからお金を貸してほしい」(ちょっと古いかな)
「投資に興味はあるか」
そんな言葉が出てきたら、すぐにLINEのやり取りをストップさせようと思っていた。
それなのに、それなのにである。
会ったこともない私を「かわいい」と言ったり
既婚者であることを伝えてたら
「今の夫とは法律的な関係で、私たちは魂で結びあっている」と言われても
その点はあまり私の心には響かなかった。
どう考えても、おかしいでしょう、と。
日本語の「百聞は一見にしかず」という言葉を教えてあげた。
100の会話や情報より、会った印象、直感の方が大切だと説得した。
キムさんは私が48歳で40歳のキムさんより8歳年上を気にして気後れしているといつも勘違いして、
「君の理解は間違っている。もしあなたが本当に人を好きなら顔、年齢、国籍など、どうでもいい条件を気にしますか」
私はいつか現実に会い48歳の私を見て現実を知って、それとなく離れていくと思い、会うまではLINEの中で私に夢中の彼を放置しておくことにした。
そして、話し始めて数日後、キムさんから初めて「仮想通貨」というワードが出てくるのである。
私は今後、この手記で「仮想通貨」に関する彼とのやり取りを1言1句、記します。なぜなら、「お金への魅力」より「彼の考え方」に私は流されたからです。お金への魅力がなかったとは言いませんが、「彼の説得力」を皆さんに読んでいただきたい。多額の現金が使えなくなって、手元から消えても
しばらく何が本当で嘘なのかわからなかった。