騙されていた極真空手の黒帯
昇段審査会
極真空手の昇段審査会と言えば、10人組手が必須でした。一人で10人の上級者を相手に戦わなければなりません。想像以上に厳しい組手です。しかし、当時の城西支部昇段審査会では10人組手は廃止になりました。その理由は、壮年部(35歳以上)の男性道場生が、10人組手の途中で心臓発作を起こし亡くなってしまったということからでした。
それからは10人組手の代わりにより厳しいと思われるような昇段条件が出来てしまいました。
次のようなものです。
①交流試合で準々決勝以上に勝ち上がること。
②ベンチプレスを自分の体重の1.5倍程度、バーベルスクワットで自分の体重の2倍程度は上げること。
③1500メートルを一定の時間内で走り切ること。
④茶帯トレーニングに一定数以上参加すること。
これは城西支部の山田雅稔支部長からの茶帯道場生に対する特別稽古でした。この時には、後に全日本チャンピオンになった田村悦宏選手もいました。
⑤城西支部代田橋道場で事務仕事のお手伝いを数時間以上すること。
以上が昇段審査を受けることの出来る条件でした。
僕は①はクリアしていましたが、なかなか試合に勝つことが出来ない道場生はどんどんやめていきました。他の道場ならば、たとえ試合に出なくとも、道場内で一定の強さを認められれば10人組手の昇段審査を受審出来たようです。
②に関しては、私は当時65キロの軽量級選手でしたがベンチプレスは95キロ、スクワットは180キロ上げていました。
③は、私は長距離走は得意分野だったので黒帯受審者の中では1位でした。
④は、茶帯が50人程も集まり、異様な雰囲気でした。
公園でのダッシュトレーニング、ジャンピングスクワット100回、道場内に戻ってからのガチンコっぽいスパーリングなどし、「虎の穴」的な特訓でした。
⑤は僕の場合、なぜか免除されました。
そして型も10種類以上覚えて昇段審査会に臨み、なんとか合格しました。
次回は「疑惑の黒帯本部登録」についてお話したいと思います。