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【おとなりさんちの話】ここてらす@基山町

佐賀県の中でも、となりの福岡県にほど近いコンパクトな町、基山町。そんなアクセスの良さからだろうか。実は、佐賀県版の住みたい街ランキングでナンバーワンに輝いている。今回はそんな町の1コマをお届けしよう。

町内の小学校・中学校から歩いて10分程度の帰り道にある店舗の一角、「こどもの居場所」とチョークで書かれた看板が目につく。外からは中の様子が見えないので、どうなっているのだろう、と思わず覗きたくなる。そっと中に足を踏み入れてみると、壁一面にユニークな絵が描かれていて、かわいらしい空間だ。ここを子どもの居場所として開いているのが、一昨年に大学を卒業したばかりの入江航さん(以下、入江君)。(こどもたちに「いりえくん」と呼ばれている)

漫画の棚・並べられた机、まるで小さなこども部屋みたいだ。

平日の5時ころ入江君はご飯の用意をしながら、こどもたちの帰りを待っていた。「そろそろ帰ってくると思いますよ」と話をしていた時、「このあと行くね!」と帰り道の女の子が外から顔をのぞかせた。どうやら家に帰ってから来てくれるらしい。以前から来てくれていたこどもたちが、大きくなって今は中学生が多いのだとか。「みんな大きくなってきたから、よく食べるんですよね」まるで、こどもたちの親かのように、なんだか嬉しそうに話す。

ご飯の準備は小学校の献立表を参考に。同じメニューにならないよう工夫しているそう。

そんなふうに笑ってると、続々と小学生や部活終わりの中学生がやってきた。「ただいま!」「おかえり!」元気のよいやりとりに思わずほっこりする。椅子に座り、みんなが机の上にあるノートに何かを書いている様子。よく見ると、日付の下に設定された質問があった。

少し前のGWのころの質問はこんな感じ。みんなの気ままな回答にくすっと笑ってしまう。

それぞれが、自分のやりたいことをゆるりとやっている時間。どこかさわがしいけれど、のんびりしている。宿題をしている人、漫画を読んでいる人、おしゃべりしている人、ゲームをして盛り上がっている人、様々だ。

この日は入江君のお父さんも来ていた。「いや~背が伸びたとね、全然分からんかったわ」と声掛けする。「もう入江パパのせいで、ゲーム負けたわ」と仲良く掛け合う。

きっと、ここではどんな声も出していいと思えるのだろう。「冷たいお茶ある?」「疲れた」「このお菓子食べてもい?」「宿題の範囲なんだったか忘れた。友だちにLINEしてみようっと。」色々な声が聞こえてくる。同じスタッフのあすかさんや、まなさんにも、こどもたちはよくしゃべる。

こどもたちと楽しそうにかかわるスタッフのあすかさん
こどもたちを見守る入江くん

「ご飯できたよ、今日は肉じゃがだよ。野菜に火があまり通ってなくて、固かったらごめんね。」そんなふうにみんなの近くに入っていって声かけすると、こどもたちは集まってきた。

「これで足りるの?」「うん大丈夫、結構お腹いっぱいになるんだよね」
「部活はなにやってるの」「バスケ部!今日もやってから来ました」

なんだか、友だちの家に遊びにきたみたいな懐かしい感じ。みんなの中に入っていって一緒におしゃべりを楽しみたくなるような雰囲気に包まれていた。きっと親も先生も見てなくて、自由にできるスキマみたいな場所なのだろう。

みなさんがこどもたちに伝えたいこと。

「いつ来て、いつ帰っても大丈夫。居場所は人それぞれだから。」

「ここてらす」は「”ここ“を”てらす“」という意味から名付けられたのだそう。ここにくれば、いりえくん、あすかさん、まなさんが待っていて、どんな時でも灯りを照らしてくれる、見ててくれる、そんな場所です。

(左から)あすかさん、入江くん、まなさん

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ここてらす
おとなりさん:入江くん、あすかさん、まなさん
おとなりさんち:三養基郡基山町大字宮浦259−43
週3回(月、水、金)17:00~20:00 無料

Instagramでは写真を、noteでは文字を中心とした読みもので「こどもたちのおとなりさん」を発信していきます。
▶︎アカウントはこちら https://www.instagram.com/kodomo.otonarisan/

こどもをまんなかに、ほっとできる瞬間がそばにある社会を皆んなで緩やかにつくっていきませんか。

編集・書き手・写真 : 草田彩夏(佐賀県こども家庭課 地域おこし協力隊)






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