こどもたちのおとなりさん

佐賀で暮らす、こどもたちにとっての〝おとなりさん“となるような「ひと」や「けしき」をお…

こどもたちのおとなりさん

佐賀で暮らす、こどもたちにとっての〝おとなりさん“となるような「ひと」や「けしき」をお届けするメディア。 こどもをまんなかに、住まう地域の近くに居場所となる人や場所があって、ほっとできる瞬間がそばにある社会をつくっていこう。 【運営:佐賀県こども家庭課(地域おこし協力隊)】

最近の記事

【おとなりさんちの話】あおぞら地域食堂@唐津市

幼いこどものいる家庭にとって、朝の家を出る時間帯と、夕方の仕事が終わって帰宅してからの時間は、まるで戦いに挑むかのようにハードだと聞いたことがある。特に仕事が終わった後を想像すると、既に疲れている状態の体を奮い立たせながら、休む暇なくやらなければならないことを、こなしていっているに違いない。そんな苦労や大変さを知っているから少しでもできることを、と実践をしている「おとなりさん」がいる。 唐津市で鍼灸院を経営している小野さんは、3人のこどもを持つお父さんだ。平日の夜に仕事が終

    • 【おとなりさん便り】こどものためのおとなの授業レポート(第1回こどものリアルとこどもの権利)

      「おとな」が「こども」とのかかわりについて学ぶことができる講座『こどものためのおとなの授業』第1回目を開催しました こどもを育てる、見守る、関わるおとなの皆さんが、こどもとのかかわりについて学ぶことができる講座「こどものためのおとなの授業」。年3回の学びを通じて、こどものために自分ができることを考えていく内容です。 10月6日に実施した第1回は、(一社)さが子どもにやさしいまちづくりセンターの田原泉さん(以下、田原さん)を講師に迎え、「こどものリアルとこどもの権利」をテー

      • 【おとなりさんちの話】ぷくぷくほっぺ@有田町

        こどもたちが安心して過ごせるように、と考える上で、同時にその状態を作っていくには、周りにいる保護者や大人自身が、元気で過ごせるように支えなくてはいけないことに気づくことがある。「こどもまんなか」が守られるように、育てる大人側も大事にされなければならないのだ。 「こどもが元気でいるためには、育てる大人が元気でいないといけないなって思うんです。」と話すのは、約1年前にこども食堂の取り組みをはじめた末次和子さん(以下、末次さん)だ。こどもを育てながら、自身にできることとして取り組

        • 【おとなりさんちの話】放課後cafe popo cafe@伊万里市

          自分が小さい頃、「きんじょの〇〇さん」という存在が地域にいたのではないだろうか。それは、例えば学校の登下校に挨拶をしたり、たわいもない世間話をしたりする、ちょっと知っている人だ。駄菓子屋のような場にいる人は、こどもたちにとって、そんな「きんじょの〇〇さん」を代表する存在だったに違いない。 そんな「きんじょの〇〇さん」になりたかったんです、と話すのは伊万里のまちなかで、放課後にこどもたちを見守ろうと場所を開いている内田さんだ。開き始めたのは、コロナ前の2019年。社会の状況が

        【おとなりさんちの話】あおぞら地域食堂@唐津市

          【おとなりさんちの話】ひまわり会@佐賀市

          どんな場所に住むかと、人と人がどのように交流をするかには関係性があるように思う。個人の住宅はいわゆる「おとなりさん」を意識した近所付き合いがあるものだが、一方で集合住宅は、隣に誰が住んでいるのか知らないことも普通だったりするものだ。昔からその地域に住んでいたというより、様々な場所からそこにやって来たり、出ていったりする人が多いからだろう。団地もその点、同じような特性を持っていると言える。 佐賀市兵庫地区の公営団地。比較的最近、建て替え工事が行われ、団地の中心に誰でも使うこと

          【おとなりさんちの話】ひまわり会@佐賀市

          【おとなりさんちの話】循誘(じゅんゆう)の遊び場ゆうゆう@佐賀市

          佐賀市の循誘(じゅんゆう)地区。昔ながらの街並みが残っている地区であり、周辺には住宅街が広がっている。しかし、こどもの数が多いわけではなく、地域の大人とつながるきっかけは少ない。また、近くに繁華街があることから、そこで働く県外からの転入者や、中には複雑な状況にある家庭もいると聞く。そんな背景もあってだろうか、佐賀市は2017年より3年間「モデル事業」として地域の協力を得ながら居場所づくりの取り組みをスタートしてきた。月に1回、地域の民家(後にお寺となった)をご好意で使わせてい

          【おとなりさんちの話】循誘(じゅんゆう)の遊び場ゆうゆう@佐賀市

          【おとなりさんちの話】子どもの居場所 ここから@小城市

          私たちは困った時に「助けてほしい」と、どれだけ人に言えるだろうか。「こんなことを言ったら迷惑じゃないかな」「誰に相談をしたら良いんだろう」と不安に駆られたり、「どうせ話をしても解決しないだろう」と悲観的な感情になったりすることがあるかもしれない。そんな時に「この人なら話せる」「頼ってもいいんだ」と思える相手がいることは、きっと救われるような気持ちになるだろう。それは、大人もこどもも同じだ。 佐賀県小城市で活動をしている「子どもの居場所ここから」。どこにも頼れなかったり、繋が

          【おとなりさんちの話】子どもの居場所 ここから@小城市

          【おとなりさんちの話】こども食堂えがお@有田町

          有田町の内山(うちやま)地区。商業施設や窯元、作業場が集まっており、国の伝統的建造物の保存地区に選ばれている。 この地区に住むこどもたちについて考えてみると、その数は少なくなっていて、校区の小学校はどの学年もそれぞれが20人に満たない1クラスのみによって構成されているようだ。だから、こどもたちが不自由なく過ごせているかどうか、と感じている大人も少なくないようだ。 今回は、そのような地域で思いを持って「こどもたちのおとなりさん」になろうしている方々を紹介したいと思います。

          【おとなりさんちの話】こども食堂えがお@有田町

          【おとなりさんちの話】きゅうらぎみんなの食堂『彩り(いろどり)』@唐津市

          過疎(かそ)という言葉を聞いたことが1度はあるのではないだろうか。 簡単に言うと、人口減少や高齢化が加速して、地域の資源や活力が著しく減ってしまっているということだ。こういった地域では、相対的にこどもの数も少なく、中々自由に集まったり、のんびりできる場所はない。今回は、そんな佐賀県唐津市の中でも、『過疎』地域となっている厳木(きゅうらぎ)町で「おとなりさん」となっている人を紹介する。 横道 亨(よこみち とおる、以下、横道さん)さんは2019年、出身だった東京から奥さんの

          【おとなりさんちの話】きゅうらぎみんなの食堂『彩り(いろどり)』@唐津市

          【おとなりさんちの話】よりみちステーションぼちぼちや@武雄市

          約1年前、新しく「こども家庭庁」が設置され、同時に「こども基本法」という、こどもの施策を社会全体で進めていくための法律もできた。その背景には「しんどい思いをしている子がいるのではないか」という課題のもと「どの子にも幸せになってほしい」という願いが込められている。 そんな風にして、社会が「こども」へ目を向けている昨今だが、それよりも10年以上も前から、その課題と願いを持って地域のこどもたちを見守り、こどもたちにとっての居場所となろうと、活動を続けている「おとなりさん」がいる。

          【おとなりさんちの話】よりみちステーションぼちぼちや@武雄市

          【おとなりさんちの話】本町食堂@鳥栖市

          佐賀県鳥栖市の本町(ほんまち)という地域。こどもと高齢者の人数がほぼ同じ人数。その住民の層は多様で、核家族はもちろん、単身の高齢者なども少なくないという。近くに商業施設はあるものの、ひと息つけるような公園や、ゆっくり会話をしながら買い物ができるような個人のお店は少ない。「ちょっと、困った」という時に、どこに誰が住んでいるのか分からないことや「今日は誰とも話さなかった」という状況は、どこか不安に感じさせることがあります。 約8年前(2016年)は、まだ「こども食堂」という言葉

          【おとなりさんちの話】本町食堂@鳥栖市

          【おとなりさんちの話】高木瀬子どもの居場所@佐賀市

          「こどもの居場所づくり」という言葉が広がってきていて、多くの大人が「どんな場所がいいだろう?」と試行錯誤している。その度に、とある方が話していた「こどもの世界に大人はお邪魔しているんです」というフレーズが、頭をよぎる。こどもの居場所は、こどもの世界であることを再認識させられるのだ。 さて、今回紹介をする「おとなりさん」もそんな感覚を大事にされていて、こどもたちが自分たちのやりたいことを、制約なくできるように、地域の公民館を居場所として月に1回開いている。 小学校が終わった

          【おとなりさんちの話】高木瀬子どもの居場所@佐賀市

          【おとなりさん便り】こどものためのおとなの授業レポート(地域の居場所での大人の“居方(いかた)”)

          「おとな」が「こども」とのかかわりについて学ぶことができる講座『こどものためのおとなの授業』、第3回目を開催しました 年3回の学びを通じて、こどものために自分ができることを考えていく授業。8月に実施した第1回目、12月に実施した第2回に続き、最終回は、北九州市立大学文学部准教授であり、こどもの居場所「きんしゃいきゃんぱす」の代表である山下智也さん(以下、山下さん)より「地域の居場所での大人の“居方(いかた)”」をテーマに学びました。 第1回目、第2回目の授業についても、是非

          【おとなりさん便り】こどものためのおとなの授業レポート(地域の居場所での大人の“居方(いかた)”)

          【おとなりさんちの話】ひまわり食堂@鹿島市

          学校の授業が終わった後の放課後の時間。その時間は、こどもたちにとって、もしかすると唯一の自由な時間かもしれない。学校であれば大勢の人とと一緒に過ごすために「生徒」としてのルールが必要だろうし、家では家族が近くにいるからこそ、その親のもとで育つ「こども」として過ごしている感覚になると思うからだ。一人の「自分」を解放できる、貴重な時間が放課後だ。 そんな放課後の時間のまっただ中、学校から目と鼻の先くらいの距離にある駅前の広場をこどもの居場所として開いているのが「ひまわり食堂」だ

          【おとなりさんちの話】ひまわり食堂@鹿島市

          【おとなりさんちの話】おてら食堂@神埼市

          普段、街の中で「お寺」は当たり前のように、どの地域にも存在しているのではないか。見たことない、という人は、恐らくほとんどいないだろう。それはそのはずで、日本全国のお寺の数は、なんとコンビニの数よりも多いそうだ。しかし、年始の初詣や、葬儀のタイミング等だけで、日常生活において、行く機会が少なくなっているそうだ。 時代を遡ると、江戸時代なんかには、" 寺子屋" という名で、地域のこどもたちが、いわゆる、「読み書きそろばん」を学んでいた場所だった。そんな寺子屋で勉強を教えるのもま

          【おとなりさんちの話】おてら食堂@神埼市

          【おとなりさんちの話】外あそびの会@みやき町

          「遊ぶ」ということに、どういったことを思い浮かべるでしょうか。私たち大人はきっと、小さい頃から遊びを通して成長をしてきた。では、今のこどもたちは?「遊ぶ」ことには、どのような意味があるのだろう。今回は、こどもたちが遊ぶことをまんなかに置いて活動をしている居場所の話をしたいと思います。 佐賀県のみやき町で月に1回、こどもが外で遊ぶ環境をつくるために場を開いている「おとなりさん」がいる。時間になると、一面が土でできた広場に大人もこどもも集まってきて、キャンプで使うようなコンパク

          【おとなりさんちの話】外あそびの会@みやき町