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【おとなりさんちの話】ふれあいハートこども食堂@佐賀市

ひと昔前の子どもたちは、家に帰ると誰かがいて「今日はこんなことがあったんだよ」と話すことが当たり前だったのかもしれない。しかし共働きする人が増えて、核家族が多くなった今の家族。そんな余白の時間はどれだけあるだろう。顔を見合わせて、ゆっくり親子で話すことが、いつの間にか貴重な時間になってきている気がする。

佐賀市の北川副(きたかわそえ)の公民館では、この日、雨にもかかわらず子どもから高齢の方まで幅広い方が集まってきた。ここでは、月に1回地区のおばあちゃんたちを中心に構成されるボランティア団体が、居場所づくりをしている。このおばあちゃんたちが、なんといってもハツラツとしてげんきがいいのだ。

朝の8時過ぎから集まって準備をいていた
手さばきが並大抵ではなくて、思わず見入ってしまう
毎月メニューは子どもたちが大好きな「カレーライス」と決まっている。「カレールーが安い時に買っておくのよ」と口を揃えて教えてくれた。
「OK!おいしいね!これでいこう!」と味見をしてGoサインを出す。

料理の腕はもちろんのこと、こどもたちや地域を想う気持ちも人一倍あふれている。「あそこの子どもがちょっと心配なんだよね、民生委員*の人に言って声掛けしてもらわんと。」「いつも来ていた90代のおじいちゃん、最近見かけないとよね。少し心配よね。」とみなさんの素敵なおせっかいぶりが垣間見える。
※民生委員…自らも地域住民の一員として、それぞれが担当する区域において、住民の生活上のさまざまな相談に応じ、行政をはじめ適切な支援やサービスへの「つなぎ役」としての役割を果たしています。

11時を過ぎたころ、公民館には続々と地域の人たちが集まってくる。しかし、みなさんは、ただ見守るだけ。「今日もよくきましたね。」「味はどうだった?」「おかわりする?」と何気なくきいてゆく。

「おいしい?良かった!」と声をかけながら、お代わりのご飯をよそうおばあちゃんたち
北川副の地域行事に参加するとスタンプがもらえるカード。ためていこうと、子どもだけでくることもあるようだ。

とても元気でありながら、地域の皆さんの間に入っていくわけではなく、敢えて遠くから見守る皆さん。少し意外な在り方に、どういうわけなのかを聞いてみた。

「そもそも ”ふれあいハート”という名前には、もっと親子や地域の人たちがふれあってほしい、という気持ちがこもっているんですよ。だから、日々忙しくしていても、ここではちゃんと顔を見て話すことができるような場所になればいいなと思っているんです。だから私たちが入りすぎないようにしようとしています。」最高齢で会長の坂田(さかた)さんが教えてくれた。坂田さんは、80代でいながらLINEもFacebookも使いこなす、がばいばあちゃんだ。

坂田さんのあつい想いに、地域で協力をしてくれる声も多いとか。

確かに、この日も子どもたちの”となり”にお父さんやお母さん、友だちがいて一緒に時間を共有している瞬間が印象的だった。月1回かもしれないけれど、されど1回。その時間が暮らしにとって必要不可欠になっているかもしれない。

みなさんは、きっと、こどもたちと親、地域の人たちの間に余白を吹き込む応援隊のような存在なのだと思う。だから、子どもたちに伝えたいこともとってもシンプルだ。

お腹いっぱい食べて、いろいろな話をして。ここでは、楽しい時間を過ごしてほしいな。

「みんな!写真撮影だって!若くきれいに写してね。」と笑い合う皆さん

味方がいると思うだけで強くいられることがある。あなたのそばにも、味方をしてくれる人がちゃんといるはずです。

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ふれあいハートこども食堂
おとなりさん:北川副地区 地域のボランティアのみなさん
おとなりさんち:佐賀市木原3丁目12−8 北川副公民館
毎月1回(第2土曜日)11:00~
幼児無料 小学生100円 中学生以上200円

Instagramでは写真を、noteでは文字を中心とした読みもので「こどもたちのおとなりさん」を発信していきます。
▶︎アカウントはこちら https://www.instagram.com/kodomo.otonarisan/

こどもをまんなかに、ほっとできる瞬間がそばにある社会を皆んなで緩やかにつくっていきませんか。

編集・書き手・写真 : 草田彩夏(佐賀県こども家庭課 地域おこし協力隊)



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