成長のための振り返り
みなさん、毎日、振り返ってますか?
誰でも「アイツ変わらないなぁ・・・」「成長しないなぁ・・・」って言われるのは嫌ですよね。
でも、他の人に対して、「あの人はいつも・・・」と思っているように、ほとんどの人は変われないんですよね。出世街道を突き進んでいた先輩や上司がある時を境に伸び悩んだり出世が止まってしまうのも、「変われない」ことが原因です。それまでは変われたのか、たまたまはまったのか・・・どちらかでしょう。
いい上司がいれば、適時フィードバックをもらって日々細かく方向転換できるのでいいのかもしれませんが、そうでない人は自分で学んで経験を積んで良くなっていかないといけないですよね。
自ら振り返り、自分の力でフィードバックして成長していけるようになれば、どこで何をやってても、何を始めて大体大丈夫な人になります。そうなると、色々なことに挑戦したり、色々な人とコミュニケーションをとったり、いろんな冒険をしたり、人生がどんどん充実していきます。
振り返りの目的は2つあると思っていて、ひとつは「知識定着のためのアウトプット」、もうひとつは「自分がより良くなり続けるためのループを回す行為」の2つです。今回は後者を対象にした振り返りをしていきます。(前者は勉強して経験してブログにアップすればいいだけな気がするので・・・)
「伸び悩んで変われないなぁって周りから思われてしまう人」から「自分の力でモリモリ成長していけるので、どこで何をやってても、何を始めても大体大丈夫な人」になるための振り返りについて知ってもらいたいなって思って記事を書くきます。
いい成長にはいい振り返りが必要で、それにはいい問いが必要って結論です。今回は、1日、1週間、1か月くらいの振り返りを対象として書いていきます。成長成長って言わなくてもいいと思いますが、ちゃんと言葉にして色々と明確にすることで、成長を追い求めなくても自然と仕事ができるようになってきます。
では大きな結論は以上ですが、詳細を話していきたいと思います。
0.振り返りの目的を意識しておく
より良く、生き生きと働いて成果を出すため、仕事(仕事以外もですが)を楽しむために振り返るのです。仕事に限る必要はなく、特に個人事業主さん、起業家さん、経営者さんは仕事だけでなくて全生活に使うとすごく効果的な気がします。サラリーマンさんというか従業員の方々も同じなのですが、仕事とプライベートの両方を同じ場所で振り返りづらい人もいると思うので、まずは仕事からなのかなぁって思います。
とにかく覚えておいてほしいのは、
・自分へのダメ出しではない
・自分への慰めではない。
・自分のやってきたことの正当化ではない
の3つです。
1.まず「どうなりたいか」を知っておく、決めておく
これって結構難しいんです。でも、一回決めましょう。
柱がない家が簡単に倒れちゃうといわれるのと同じように、「どうなりたいか」が定まっていない状態で振り返っても、方向が定まらず、反省してる感じを出して終わってしまいます。私たちがやりたい振り返りは反省する感じや頑張ってる感じを出すことが目的ではなく、
「自分のありたい姿・理想・目標」「会社の方向性、会社・上司の目標」あたりから、自分の目標とか"どうなりたいか"をはっきりさせておきましょう。文章にして明文化しておかないとぼやけてしまいます。
イマイチぴんと来ない場合は「憧れの人・尊敬できる先輩先輩」をイメージして、その人だったらどうするかなーっていう振り返り方でもいいかもしれません。
例えば、私は管理職として毎年4月に年度方針というのをチーム内に出して、10月に残りの半期の年度方針というのを出します。
その私の方針から自分の目標みたいなものを作ってくれる人と、「なんでそうなっちゃうの?」っていう目標を立ててくる人の両方がいます。「あのー…わたくしの話、聞いていらっしゃいました・・・?」と、ついつい尋ねたくなってしまうような(笑)。
他にも部下や後輩にもいますよね、全然目標がない人。
部下:次は違い部署に異動したいっす。
私 :そうなんだ。どこにいきたいの?
部下:特にないっす
私 :何をしたいとかってあるの?
部下:とくにないっす。あ、でも開発やりたいって思ってます
私 :どういう開発やりたいんだろう?何か、自分で勉強してたりする?
部下:いや、特には。でも、ここはもういいかなって思ってます。
みたいな(笑)。こういう人沢山いますよねー。自分の目指す先がない人。この後も掘るために質問するのですが、出てこない。言われたことをやるってことに特化してるんだと思いますが・・・。
人それぞれの人生なんですけど、話してて悲しい。せめて、「今は家族優先で!」って言いきってくれると協力もできるのですが。。。(苦笑)
「自分が何をしたいか」がすぐに言葉にできない人もいると思いますが、自分の目標を決めてから振り返りできると、とってもいいです。
私の会社はシステムを作ってる会社なのですが、私のところに幸か不幸か配属になった新卒社員で2年目の子はこんな感じの子もいます。
部下:今年度の上半期の目標は開発工程を設計から最後までやる経験を積むことです
私 :そっかー。ちょうどいい、今から始まる案件がないんだよなぁ・・・
部下:一番焦ってるのは、そこです。経験を積みたいのに積めなくて焦っています
こういう子は、ちゃんと私が仕事を依頼することができれば、自分で考えて先に進んでいきます。みんながみんなそうならないことは分かっているのですが、こうなれるといいですねー。
2.振り返りとはどういうものかを知ろう
「どんな状況の時に、どんな行動や言動が、どういうことになったので、良かった・悪かった」というのを他人の言葉を借りずに、自分の言葉で振り返ることが振り返りです。
「振り返りは大切だ!」って聞いて、振り返ろうかなーってやってみて、「振り返りやってるんすけどねー、でも・・・」って人はたくさんいます。
短い期間で行う振り返りは特になんですが、「どんな状況の時に、どんな行動や言動が、どういうことになったので、良かった・悪かった」というテンプレートで振り返るのが、経験を積めば積むほど大切になってきます。
「どんな状況の時に」というのは、歴史や今までやってきた背景などを含めた"場面"を切り取って、良かったor悪かったを判断して、次につなげていくのがいいでしょう。
「どんな状況の時」っていう背景があって、自分の取った行動や言動が正しかったのか。どういう結果となったのか。を自分自身の感触と、「他人にどう見えてるか」っていう想像を働かせて、それを言語化します。
その時に、「僕は素人だから」「僕は仕事ができないから」ってならずに、自分をリスペクトしながら、自分に厳しい態度で振り返りましょう。不安は不要で、平常心で淡々とやるのがコツです。
振り返りの内容は、言語化して単語ではなく文章にして、ちゃんと残して、次の振り返りに使います。
私が、9つの問いを整理して使い始めるより前に使っていたフォーマット的なものは以下になります。一般的な振り返りって言ってもいいのかなと思うので、紹介しておきます。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
・〇〇になってしまった。どうすれば○○にならずに済むだろうか
→回答
×やってみよう
×がんばろう
×何とかなるよ
×できない気がするけど、・・・っていう感じかな
〇◇◇までに、▽▽しよう
〇××しよう。最終的な期限が××だから、まずは毎週1回、・・しよう。
→良くない例
締め切りに遅れてしまった。
×次は締め切りに遅れないように頑張る
×締め切りを意識して働く
〇仕事をもらった時に・・・を使ってリマインダーをセットする
〇今使っているToDoリストに進捗状況を入れる欄を設ける
・○○の××な行動が、▽▽の点でよかった
・○○の××な行動が、▽▽の点でよくなかった
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
良くても悪くても、事実を元に、客観的(言い訳を入れず)に具体的に文字に書き起こして認識することが大切です。
何が起こったのか
なぜ起こったのか
なにが良かったのか
何を変えなければいけないのか
これからどうするのか
→というのをはっきりと言葉にして、振り返りながら自分の言葉で次の行動を決めます。決めるのは行動です。
3.振り返りの周期
決めたタイミングで定期的に振り返るのがコツです。本当に成長したかったら、この周期でコツコツ振り返りを行うのがいいかなって思います。個人としてはこれで、あとはチームとして何かイベント的なものが終わるたびに振り返るって感じですかね。
・(振り返るために)絶えず記録
・1日
・1週間
・1か月
・四半期
・半期
・1年
最終系としては、これを目指すといいと思います。厳密に決めすぎてできないと悲しいので、どの周期で振り返りをするか、まず自分で決めましょう。
1週間に1回、必ず振り返るとか。で、決めたらちゃんとやる。決めたらちゃんとやることが、何はともああれすごく大切です。
4.振り返りのポイント
この5年くらい、新入社員や2年目から毎日、日報&3か月ごとの振り返りを受けてフィードバックしているので、色々な情報が溜まっています。
半年や1年レベルでの振り返りは「目標の作成、目標達成」というところで語った方がいいと思うので、ここでは短い期間・・・そうですね1か月くらいまでの振り返りで書いてみます。
"1つだけ"振り返る
色々と仕事が溜まって、「アレもコレも」となってしまうことってあると思います。私もそんなことが多いです。でも、その時に振り返りで「あれは、こうすべきだったから、次はこうしよう」「これは、もっと集中できたな・・・」とかって機関銃のように色々なことに思いを巡らせても、何もいいことが起こりません。1つにフォーカスを当てるからこそ、成果が出るのです。
私自身も意識を絞り切れずに長期間成果が出なかったこともあります。でも、いつでも目の前の1つのことしかできないんですよね、人間って。だから、振り返って良くすることも1つにすることが大切です。
具体的に振り返る。その時の状況と理由が大切
「いつ、どんな状態で、何をした」という事実が大事です。そしてそれをじっと考えて、深堀りしていきます。「〇〇できなかった。次は○○できるよう頑張ります。」とかだと気合というか精神論になってしまいます。「今回は遅刻してしまいました。次は遅刻しないように頑張ります」って言われても、「ああ、がんばってね」とはなるけど、できるかどうかなんて全然わかりませんよね、正直。
背景や原因を可能な限り一生懸命考える
先ほど出したように、遅刻の例で説明してみますが、
・遅刻してしまった
・次は遅刻しないように意識する
では、あんまり次につながった振り返りにはなりません。
何でそうなっちゃったのか?という反省を求めているわけではなく、「どうやったらより良くなるかなー」っていう気持ちで考えます。間違ったら、それはそれで仕方ないです。「どうやったらより良くなっていくかなぁ・・・」っていうのが振り返りになります。
5.成長できる、発展できる問い
どうやったら上手に振り返れるかなーっていうときに、「いい問いに答える」っていうのが楽だと思います。
今、原点を見つけることができなくて探し中なんですが、私が記憶している内容では、ドラッカーは「自分の強みを活かせたことは何か」「反対に自分の弱みが原因で成果を出せなかったことは何か」「それを元に次からどういった行動を取るか」といった振り返りを毎日50年行っていたそうです。世界中の経営者が尊敬する人も毎日振り返って50年間成長し続けたんですね。ほんと、凄いです。
成長できる、発展できる振り返りの9つの問い
ビジネスや事業と一緒で、やはり自分を良く変えるためにはいい問いが必要です。様々な人の日報を読んで、毎日フィードバックしている経験から、成長できる人といつまでも同じ人には振り返りに明らかな違いが割ることが経験として分かってきました。
今回、このnoteを書くにあたり始めて自分の中で情報を集めて整理したものなので改善の余地はあると思いますが、これを使って毎日数人で振り返り、ブラッシュアップしていけたらと思います。
ーーー 個人に関する問い ーーー
1.「最初に何をして、次に何をして、最後に何を」しましたか。結果どうなりましたか。
2.今回、がんばったなーと思うことはありますか。結果はどうでしたか。次はどう取り組みたいですか。
3.貢献できたこと・嬉しかったことは何ですか。その理由は何ですか。次はどう取り組みたいですか。
4.工夫したところは何ですか。その工夫は成功しましたか、失敗しましたか。次はどう取り組みたいですか。
5.失敗したことはありますか。失敗した原因は何だと思いますか。また、次はどう取り組みたいですか。
6.前回やった時と比べて、良くなったことはありますか。良くなった理由は何だと思いますか。次はどう取り組みたいですか。
ーーー チームに目を向けた問い ーーー
7.良かったな、凄かったなと思う人はいますか。なぜ、そう思ったのですか。それを見て、自分はどうしようと思いますか。
8.他の人の発言や行動で、「なるほど」と思ったことはありますか。なぜ、そう思ったのですか。それを受けて今後どうしようと思いますか。
9.仕事の中で「いいな」と思った考え方や発言はありましたか。なぜ、そう思ったのですか。それを受けて今後どうしようと思いますか。
短期の振り返りが大事だと思っているので、全部振り返るのではなく、1つの問いに答えればいいと思います。ちょっと長くなりますが、問いを使った振り返りの事例はこんな感じです。
問い1.「最初に何をして、次に何をして、最後に何を」しましたか。結果どうなりましたか。
これは、自分がやったことを分解して言葉にする訓練です。これを行うことで、自分の中で作業項目と作業の流れ(順序)が明確になります。これができるようになると、マニュアルを正確に作れるようになったり、リーダーになったときにWBS作成などが抵抗なくできるようになります。やることと順番が明確なので、作業を人にお願いするときのコミュニケーションミスも減ります。
事実を抜けもれなく並べていくことが大切で、コンサル業界ではMECEとかって言われている考え方の一つです。感想とか推測とかを途中で入れないのがコツです。超単純に、目玉焼きを焼く作業でやってみます。
〇良い例(作業項目が全部出ていて、作業の流れが書かれている)
卵を冷蔵庫から出す。
フライパンを用意して、油をひく。
卵が少し温まるのを待つ。
フライパンに火をつけ、温まるのを待つ。
卵を割って、フライパンに入れる。
ある程度焼けて来たら、フライパンに少しの水を入れて、蓋をして弱火にして蒸し焼きにする。
黄身が自分の好みになってきたら、蓋を取って、水分を飛ばす。
塩と胡椒を適量入れて(塩は先?)、お皿に盛る
→結果、おいしくできました。
×悪い例(作業項目が洗い出し切れていない)
フライパンに卵を割って、水入れて、黄身がいい感じになったら、取り出します。(慣れてる人はこんなんでいいのですが、あくまでも振り返りなので)
→結局、作業項目が洗い出されてないので、再現性があるかどうか、わからないですよね・・・。
×悪い例(余計な情報が入ってくる)
卵を冷蔵庫から取り出したんですけど、なんか、先輩は早く取り出した方がいいって言っていて、でもどうなんですかねー、わかんないですけど。でも、僕はどっちでもいいと思うんですよねー。あ、ごめんなさい。私の話が分かりにくくて。。で、フライパンを用意して油をしいて・・・(以下、略)
→振り返り文章でここまでひどい人はいないと信じていますが、話してるとこんな人、沢山いますよね・・・。「仕事できないなー」って思われちゃうやつです。
問い2.今回、がんばったなーと思うことはありますか。結果はどうでしたか。次はどう取り組みたいですか。
これは、「がんばったなー」ってことを聞いてますが、これに答えることで、自分の興味関心がわかります。興味ないことはがんばったなーって思わないですからね。そして、その興味関心があることを「次はどうしたい」ということを言語化することで自分の心と頭に意識付けができます。
ある時点で興味関心があることを強化していくと、それが得意なことになり、強みになってきます。興味関心を明確にするためなので、逆の「頑張れなかった」という振り返りは良くないなと思います。
〇良い例(ちゃんと、頑張ったなというのがわかる)
今回、チャーハンを作った。元々、鍋を振るのは得意でなかったが、できるだけご飯をこぼさないように気を付けながらも、中華料理屋さんのように鍋ふりをしてみた。結果としては少しこぼれたけど、フライパンを置きっぱなしで混ぜて作るより楽しかった。今後もチャーハンを中華料理屋さんのように鍋を振って、ご飯をこぼさないように作れるようになりたい。
→興味が「鍋ふり」にあることが明確で、次にどうやりたいかという興味もはっきりしています。
×悪い例(何に興味があるのか、明確になっていない)
今回、チャーハンを作った。頑張って作ったので、おいしくできた。また作ってみようと思う。
→チャーハンづくりに興味があったのかもしれませんが、もうちょっと言語化しないと、結局のところ、自分が何に興味があるのかが見えてこないため、次につながらない。日記ならいいですが。
×悪い例(余計な情報が入って、何を頑張ったのかわからない)
チャーハンを作ったんですが、エビとグリンピースを入れて、炊き立てのご飯を使いました。Aさんがよく頑張ったねと言ってくれて、とっても嬉しかったです。これからも頑張ろうと思います。
→結局、自分の心の中で何を頑張ったのかが明確になっていない。「自分の」というのが大事で、他人が「頑張ったね」と言ってくれたこと自体は嬉しいと思うのですが、次にはつながらないパターンですね。
問い3.貢献できたこと・嬉しかったことは何ですか。その理由は何ですか。次はどう取り組みたいですか。
先ほどの問いに似ていますが、自分の強み・得意なことを明確にして、どうやって何を成し遂げていくか?を明確にしていくものです。ドラッカーなどの一流経営者の振り返りによく出てくる言葉なので、自分自身や業績を伸ばすときに必要な問いなのでしょう。でも、新卒社員で社会人になったばかりの人か、「振り返りってどうやればいいん?」という人には自分が何に貢献できたか・どういった強みがあるのかということが分かってないので難しいかもしれませんね。
自分の得意なことがはっきりしてきたらあえて使うことで、自分の得意なことがより強化され、人からも頼られるようになります。子の振り返りがちゃんとできるのはある意味一流の証なので、ここではよい例だけ。
〇良い例(強みが明確になっていて、どうやってチームや世の中に貢献していくかがわかる)
今回の仕事では今まで手作業で行ってきたことを、誰にでも使えるツールにすることで、作業量を10分の1以下に減らして、ミスもゼロにできたことでチームに貢献できた。プログラミング力があるのはチームで私のみであり、その強みを生かして、人が手作業で行っている項目を自動化し、「楽で正確」な仕事に変えていきたい。
→自分のプログラムを作るスキルを明確にして、どうやってより貢献していくかが言葉になっています。こうなると強いですよね。
問い4.工夫したところは何ですか。その工夫は成功しましたか、失敗しましたか。次はどう取り組みたいですか。
「言われたことをやる」だけでも、仕事って大変ですよね。絶対にそうだと思います。でも、「前回より今回の方が良い仕事をする」「今回より次回の方が良い仕事をする」のが信頼につながります。どう工夫をしたか、創造性のある・価値を創造するような仕事をしているか、という観点での問いです。
この問いにある程度の頻度で答えることで、自分が今までどういった工夫をしてきて、どういった結果になったかが記録に残ります。それだけでも素晴らしいことですが、より創造的な仕事をするように変化していくでしょう。
〇良い例(ちゃんと工夫したことが言語化され、結果が残る。また、次に工夫することが決まる)
先輩から提案の仕事を任されましたが、依頼を受けた時点では何をしたらいいか全くわかりませんでした。2週間の仕事だったので、通常の仕事であれば10日で仕上げてレビューを受けて指摘を修正するのですが、それではレビューでの手戻りが大きくなり、締め切りに間に合わないと思ったので、働き方を変更しました。翌日に先輩から仕事の目的、目指すところ、アウトプットイメージを確認し、3日後に方向性が間違ってないかレビューを設け、そのあとさらに3日後にレビューを設けてもらいました。結果として締め切りより早く仕事が完了しました。早め早めにアウトプットイメージを依頼者に確認する働き方を今後もしていきたい。
→工夫と結果、次からの行動が明確になっています。
問い5.失敗したことはありますか。失敗した原因は何だと思いますか。また、次はどう取り組みたいですか。
失敗したのは別にいいんです。「死ななければ失敗じゃない」って言葉もあるくらいだし、一生懸命やったのに結果が失敗というのは仕方がないです。
そんな何でもかんでも成功すると思ってはいけません。原因の追求方法、その後の手の打ち方というのは色々あると思いますが、ここでは「同じ失敗を繰り返さないこと」が大切だと思いますので、
〇良い例(間違った理由、原因、次からはどうするかが明確になっている)
仕事のイベントに2時間ほど遅刻してしまいました。特に寝るのが遅かったわけでも、お酒を飲んだわけでもないのに遅刻してしまいました。夜の過ごし方に問題があったわけではないので、普段は土日が休みだったため、土曜日のスマホのアラームをつけ忘れてしまったことが原因だと思います。次からは、土曜日出勤が決まりそうか、決まったタイミングで目覚ましのアラームをつけておこうと思います。
→失敗の内容、原因、次に行うことが明確になっています。あとはちゃんと意識して行動できれば、同じ失敗を繰り返す可能性はかなり減りますよね。
×悪い(失敗の原因が明確になっていないため、次に何をしていったらいいか、曖昧)
仕事のイベントに2時間ほど遅刻してしまいました。特に寝るのが遅かったわけでも、お酒を飲んだわけでもありません。イベントに対する意識が低かったと思います。これからはイベントに対する意識を高く持ち、絶対に遅刻しないようにします。
→「イベントに対する意識が低かった」のが原因なんだと思いますが、その原因を次につなげて、次からはそのミスを防止することができません。「気持ち」が対策になるのが一番良くないって思っています。
問い6.前回やった時と比べて、良くなったことはありますか。良くなった理由は何だと思いますか。次はどう取り組みたいですか。
これはKPTと呼ばれている振り返り手法で「Keep」と呼ばれる項目です。良かったことは継続しましょうってことなのですが、これも言語化して意識付けしないといけません。良かった取り組みを続けるのって、結構難しいんです、正直。人間って、楽しようとしちゃうものなんで。この問いに定期的に答え続けることで、良かったこととそのパターンが明確になり、仕事の改善が進みます。
〇良い例(理由と継続して取り組みたいところが明確になっている)
研修の時に講師が「ではここまでで質問ある人いますか」と言った時に、場の雰囲気が一瞬で固まって緊張感が走った。その時に明るい大きな声で空気を変えるような質問ができたのは良かった。前回の研修を受け、普段から考えていることを日報で明確にし、課題感を持てていたのですぐに質問が思い浮かんだ。よって、日報で振り返って言語化する作業をさぼらずにやっていく。また、明るく質問できたのは研修の場の心理的安全性を高めることにつながったと思う。その後は様々な疑問・質問が出て研修が活発化したことからも効果があったと思うので、是非、今後も意識していきたい。
→良くなったこととその理由がちゃんと言語化できてます。そして、自分の行動として何を行っていきたいかが明確になっています。
問い7.良かったな、凄かったなと思う人はいますか。なぜ、そう思ったのですか。それを見て、自分はどうしようと思いますか。
今までと違って、チームに向ける問いとなります。チームの課題に貢献した人、チームを良くした人を明確にし、良かったっ点と自分はどうするかを記入していきます。また、チームとして他の人を良い意味で意識することができるようになります。個人だけでなくチームの振り返りの中でも使ってほしい問いですね。これに関しては、あんまり悪い振り返りはないと思うので、挙げることが大事だと思います。
〇良い例
トレーナーの〇〇さんが、後輩が仕事を理解しているかすごく気にしてくれていました。そして困ってそうだったらいいタイミングで質問して相談に乗ったり、次のフェーズに移るときに説明をして仕事が止まるのを防止したりしていました。新入社員だけではなく、全体でこういったことができるとチームの生産性が飛躍的に向上すると思いました。私も自分の知っている業務を他の人にお願いするときは、ポイントごとに説明をして、不明点を解消するということをマネしたいと思います。
→こうやって人のいいところをどんどんマネしていって、チーム全体が素晴らしくなっていくのって最高ですよね。
問い8.他の人の発言や行動で、「なるほど」と思ったことはありますか。なぜ、そう思ったのですか。それを受けて今後どうしようと思いますか。
問い7は他の人の行動や発言を見て、いいなと思ったのを真似しようという振り返りですが、問い8は気付きを得た時に、それを言語化して、次につなげようという振り返りになります。はっと気づいたことは、放っておくとほぼ100%忘れるので、絶対に記録しておいた方がいいです。この振り返りを行うことで、今まで気づいてなかった視点を記録し、次につなげていくことができます。
〇良い例(気付きを「そう思った理由」とともに記録し、次の行動が明確になっている)
終わらないと想定される作業項目があったので、進捗会議で「リスケ(=再計画)して、1週間締め切りを遅らせました」と報告しました。良くあることでうまく対応していたつもりだったのですが、「それって、ただの締め切り遅れの放置じゃん。全然ダメだよ、まずはどうやって締め切りに間に合わせるかを必死で考えないと。"忙しかったからリスケ"なんて理由にもならないし、次週繁忙じゃないっていう計画にもなってないでしょ」と指摘されました。確かにすぐにスケジュールを調整する癖がついてしまっており、結局、依頼された締め切りを守れないことが続いていたことに気づきました。次からは細かい状況確認を行って、締め切りに間に合わなそうな場合は、「どうやったらできるか」を必死に考える習慣をつけたいと思います。
→気づいたときの心の中の発言も記載されていて、次からどうしようっていうのもちゃんと言語化できています。こうやって学んでいくといつまででも素晴らしいですよね。
問い9.仕事の中で「いいな」と思った考え方や発言はありましたか。なぜ、そう思ったのですか。それを受けて今後どうしようと思いますか。
これは問い9とほぼ同じです。
6.おわりに
長くなっちゃいましたが、細かいことは考えずに、以下の9つの問いを目の前において、振り返りの時に「どうしよっかなー」ってどれかを選んで問いに答えるっていう形で初めてもらって、慣れてきたら自分のやり方っていうのがいいんだろうなって思います。慣れてくると応用編として「計画との差異、その原因、対策」とかって振り返りもできるようになってきます。
ーーー 個人に関する問い ーーー
1.「最初に何をして、次に何をして、最後に何を」しましたか。結果どうなりましたか。
2.今回、がんばったなーと思うことはありますか。結果はどうでしたか。次はどう取り組みたいですか。
3.貢献できたこと・嬉しかったことは何ですか。その理由は何ですか。次はどう取り組みたいですか。
4.工夫したところは何ですか。その工夫は成功しましたか、失敗しましたか。次はどう取り組みたいですか。
5.失敗したことはありますか。失敗した原因は何だと思いますか。また、次はどう取り組みたいですか。
6.前回やった時と比べて、良くなったことはありますか。良くなった理由は何だと思いますか。次はどう取り組みたいですか。
ーーー チームに目を向けた問い ーーー
7.良かったな、凄かったなと思う人はいますか。なぜ、そう思ったのですか。それを見て、自分はどうしようと思いますか。
8.他の人の発言や行動で、「なるほど」と思ったことはありますか。なぜ、そう思ったのですか。それを受けて今後どうしようと思いますか。
9.仕事の中で「いいな」と思った考え方や発言はありましたか。なぜ、そう思ったのですか。それを受けて今後どうしようと思いますか。
毎日、毎週、毎月、苦しくてもめんどくさくてもやり続けて自分の行動と頭の中を言語化していく。すると、自分の興味があること、強みも明確になっていきます。「私は何をやるべきか」というところもバシッと答えられるようになる人が少しでも増えるといいなって思います。
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