記事一覧
1 創刊号に寄せて、思いつくままに 〜戦争の記憶を辿って〜
さて、何か書こうと思っても書くことがない。平凡な人間が平凡な事を書いても二葉亭四迷の様な才能でもない限りサマにならない。まあ特異な体験といえば陳腐だが戦争のこと位になってしまう。その辺から思いついたまま書いてみよう。
其の一、昭和20年5月の或る日の事、既に米軍に追われてマニラから東方の山へ逃げ込んでいたのだが、銃声が近づいて来たので、夕方ほら穴から出て様子をうかがうと米兵がうろうろしている。
さて、何か書こうと思っても書くことがない。平凡な人間が平凡な事を書いても二葉亭四迷の様な才能でもない限りサマにならない。まあ特異な体験といえば陳腐だが戦争のこと位になってしまう。その辺から思いついたまま書いてみよう。
其の一、昭和20年5月の或る日の事、既に米軍に追われてマニラから東方の山へ逃げ込んでいたのだが、銃声が近づいて来たので、夕方ほら穴から出て様子をうかがうと米兵がうろうろしている。