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蒼薔薇(小説)


青いバラの花言葉「夢 かなう」「奇跡」「神の祝福」 青いバラの花言葉は、かつては「不可能」「存在しない」でした。
なぜなら青いバラは自然界に存在せず、交配による品種改良でも実現することがずっと出来なかったからです。

「嗚呼、どこでもいいから受かれよ」
不採用の通知を見て声を荒げた。
片手に持った発泡酒を一気に飲み干した。

リクルートスーツを部屋の隅に放って、シャワーを浴びる。
最近の俺は何が楽しくて、こんなことをしてるうのだろう。
毎日思ってもないことを、笑顔を作って、俺は何になりたいのだろう。

しかし、幼い頃に思い描いた小説家の夢は忘れてはいなかった。
今の自分が幼い自分を裏切っているようで、後ろめたさが少なからずあった。

アルコールが回り、眠くなった時に一冊のノートが目に止まった。
昔描いていた小説ノートだ、シラフなら絶対に読みたくないが、みょうに気になってしまい手に取ってみた。
エピローグだけが白紙のままだった。

話は青い薔薇を持った少女のミステリーサスペンス小説だ。
青い薔薇の花言葉は「不可能」「存在しないもの」
彼女は幻で存在しない妖精のような存在である設定だ。

エピローグはアルコールのせいでほとんど覚えていないが、その夜にしっかり書いていたらしい。

朝起きて午前中暇だったのと、自分の小説家になる夢を断ち切るために出版社に送った。
自分でも軽い気持ちでしたことだ。
これで採用されなければ自分には才能がない、小説家になることは不可能だって思えるはずだと思ってポストに投函した。

そこから数週間何も変わらない日々を過ごした。
就活が忙しく、小説のことも完全に忘れていた。

俺は今日も就活に行く。

消し忘れたテレビから
「サントリーが青い薔薇の実現に成功した。花言葉は夢叶う」


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