5高校生活


短大に行くためには推薦制で受験したかったのでコネが欲しくて受験シーズンだけの3ヶ月、バス、電車、自転車で3時間かかる通信高校に通った。普通に授業もあったので数学、国語、英語を受けていた。通信制は年上の人、留年してる人が多い。音楽室で課題をしていた時、おばぁさんが生徒でいた。

おばぁさんは高校に行きたくても金銭面の都合で当時高校に進学するのが難しかったらしい。今は自分の時間ができたので毎日勉強してる、私ね、大学にも通いたいんだ。とコッソリ耳打ちされた。私はおばぁちゃんと友達になり、毎日のレポートの話しを音楽室で喋っていた。

推薦枠をもらえるには、先生と仲良くしないとと思い、苦手だった数学を教えてもらい、小論文を書くために国語の先生に頼み込んで練習をさせて頂いた。国語の先生は、「鈴奈さん、新聞を読みなさい。先生と毎朝新聞の話をして、文章を書く練習をしよう」と言われ、毎日新聞の時事ネタの文章を読み、職員室に通った。

秋になったころ、担任の先生から評論会に出ないかと言われた。

今まで生きてきた人生を文章に書いて、学校で生徒の前で読むと言うことだ。

私は推薦枠が欲しくて書いた。将来の夢は歯科衛生士になることだ、今は夢としか言えないが目標だ、なってやるそのために生きていると読んだ。

短大に進学するには県外に進学して一人暮らしの生活になる。とても楽しみだった。

高校にはグランドピアノがあった。休み時間になるとフラッと音楽室に行ってピアノを王道のクラシックからJAZZと何曲か弾く。隣の職員室で先生が、鈴さんのショーが始まる、鈴さんはピアノを弾いている時は顔が涼やかでストレスのない解放感のあるピアノを弾くと言われた。

弾きながら今年は発表会は何を弾こうか、今まで色んなお稽古を習ってきたけれども、19歳まで続いたのはピアノだけだったな、ピアノの先生とくだらないおしゃべりを数分して、練習曲を弾く、教わる、また弾くの繰り返しだが4歳から今まで辞めたいとは一度も言わなかった。ピアノが私の精神安定剤だった。

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