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「理学書」の選書をしました

作家になってからたまに選書のお仕事をやらせていただくんですけれど、これが結構面白くて。よくご依頼いただくのは書店さんです。「おすすめの本をノンジャンルで教えてください」というケースが多いですが、特定のテーマに沿った選書の依頼もあります。これまでに、水嶋書房さんや未来屋書店 さん、有隣堂さんなどでやらせていただきました。

先月から、新たに選書させていただいたフェアが始まりました。お店は有隣堂戸塚モディ店さんです。今回の選書はこれまでとは少し趣きが違って、対象が「理学書」なんですね。ただ専門書はほとんどなくて、ものすごくざっくりした言い方をすれば「理系の本」という感じです。

今までの選書でも「理学書」に限定されたケースは一度もなくて、すごく新鮮でした。しかも30冊くらい選んで欲しいということで、自分の読書遍歴をいろいろ振り返りながら「あれもあったな、これもあったな」と思い出しつつ選ぶ作業が結構楽しかったですね。

今回は理学書に限定したので、いつもの選書とは顔ぶれが全然違っています。とはいえ上述したように専門書ではなく、ポピュラーサイエンスに含まれるような本もかなり多くて、例えばブルーバックスだとか、写真がメインになった本なんかもあります。そういう、広い意味で「理系の本」を色々と選ばせていただきました。売り場の様子はこちらの投稿の通りです。

僕もこっそり売り場を拝見したんですけれど、かなり大きいスペースを使って展開してくださっています。是非、足を運べる方は訪問していただけると嬉しいです。

このお仕事で、「選書には可能性があるな」ということも感じました。もちろん、ノンジャンルで自由に選ぶのもいいんですけれど、「理系の本を作家が選ぶ」企画ってあんまりなかったと思うんです。もしかしたらこの企画を機に、文芸の方面から理学書に興味を持ってくれる読者が生まれるかもしれないですよね。他にも例えば、俳優・声優の方が選ぶ「音読したい本」とか、アーティスト・デザイナーの方が「装幀で選んだ本」とか、パターンは無数に考えつきます(すでにやられているかもしれませんが)。選書という営みが、今後も書店店頭の盛り上がりに寄与するといいなと、勝手ながら思っています。

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