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ありがとう、水嶋書房くずは駅店

一昨日7月31日に、大阪府枚方市にある水嶋書房くずは駅店さんが閉店されました。こちらのお店、文芸の業界ではかなり有名だったと思います。というのも、積極的にサイン本を仕入れていただいたり、独自のポップを展開されていたりと、とても目立つ売り場づくりをされていたんですね。アクセスも非常に良くて、京阪電車樟葉駅の改札を出てすぐのところにあります。

僕自身、こちらのお店にはずっとお世話になりっぱなしで。デビューして間もない頃にゲラの感想をいただいたのがきっかけだったと思うんですが、枚方出身というご縁もあって、強力に売り場で推していただきました。ポップもたくさん飾っていただいてましたし、岩井圭也コーナーが通年で常設されていました。作家としてはものすごく心強かったです。新刊が出るたびに毎回感想もくださいましたし、先日直木賞の候補になった時も、ものすごく喜んでくださいました。

そのお店が閉店すると聞いた時は、すごくショックでした。本当は僕も閉店までに一度ご挨拶に伺いたかったんですけれど、家庭のことなどもあって難しく、実現できなかったのは申し訳ないと思っています。

くずは駅店さんには何度か訪問させていただいたんですけれど、昨年12月には幻冬舎plusでやっている「あなたの書店で1万円使わせてください」という企画でも取材をさせていただきました。今日の投稿では、取材の時に撮った写真をいくつかご紹介したいなと思います。今はもうこの売り場がないんだと思うとすごく切ないんですけれど、たくさんの方に覚えておいていただきたいので、ご紹介します。

まずは出入口です。出入口は2つあるんですけれど、改札を抜けてすぐのところを写しています。

店内では「作家が選んだ推し本」というコーナーを展開されていて、今村翔吾さん、寺地はるなさんらが参加されていました(僕も参加させていただきました)。手作りのしおりも挟まれていて、一つ一つの本に対する愛を感じました。

手書きポップは文芸だけではなくて、コミックスのコーナーでも展開されていました。

文庫の棚は所狭しと面陳されていて、棚の上まで本が並んでいるのがすごく 見応えがありました。

こちらが岩井圭也コーナーですね。最初にこのコーナーの写真を送ってもらった時は本当に嬉しくて、こういう書店さんがあるという事実に、すごく勇気づけられました。

こちらは寺地はるなさんのコーナーですね。オリジナルの拡材はどれもすごく手間がかかっていて、来るたびにマジマジと見てしまいました。

文庫棚の前で

この日、実は最初は体調があまり良くなかったんですが、お店のスタッフの皆さんと話しながら本を買ってると、それだけですごく元気をもらった気がしました。やっぱり、書店には人を元気にする力があると思うし、そのパワーを体現しているお店だと思います。

水嶋書房くずは駅店は閉店してしまいましたが、お店がそこにあったという事実は今後も変わらないわけで、そこで過ごした時間や思い出は決して消えません。僕はこれからも、その記憶を大切にしながら過ごしていきたいと思っています。

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