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思春期に出会った、建築と一人旅。Part.1

私が建築と出会ったのは小学校6年生の時。

愛媛では有名な自然素材×伝統工法にこだわる設計事務所の方が母の知り合いにいた。
その方が設計されたお家の完成見学会に連れていってもらった。

その頃は細部までは理解していなかったが、その空間の美しさに何かを感じていた。
今なら言語化できる。手刻みで丁寧に大工さんに組まれた木造の表し軸組、竹小舞が、時間をかけて熟成された土を纏った土壁、寝転がるとふわっといい匂いが香る畳、木の味わいのある造作家具に、雰囲気が暖まる照明。自然と寄り添う暮らしの中に緻密にデザインされた、設計士さんの美学があった。

空間の美学

ずっと何か惹かれるものがあって、
高校の進路決断の時に再び降りてきた。
自分の手を動かすのが好きだったし、
自然の中の古民家で育ちながら養ってきた、
ものづくりがしたい!という思いを軸に、工業高校に進んだ。

島から毎日15分ほどフェリーに乗り、
港から9kmほど自転車を漕いで通学していた。
私は陸上部に入りたかったのだが、女子が全校生徒の約1/4しかいない工業高校では、マネージャーとしてしか取ってもらえないと知り、泣く泣く諦めた。

代わりに、建築デザイン部という"生産部"に入部する。
ここではCADを使って設計をメインでするCAD班と、手を動かして技能士の資格などを目指す木工班に分かれるのだが、私はコンペに挑戦してみたかったためCAD班を選んだ。
これがかなり追い込まれるのだが案外楽しく、設計漬けの3年間を送る。 

そんな中で母の知り合いの木工屋さんに、
軸組模型を作って欲しいと依頼される。
見様見真似で図面から読み取り、幅600mm×400mmほど、高さ300mmほどの大きな模型を3セットほど作った。
木造住宅の仕組みを知る良い機会になった

この模型、台湾行ったらしい

その頃は、自分の設計に取り込むために住宅から公共施設まで、ネットや「新建築」「住宅建築」などの雑誌から色々なアイディアを漁っていた。
いわゆる"建築家"の作品と共にそれぞれの設計趣旨も取り込み、言葉と言葉から繋ぎ合わせて考える私独自の設計方法を編み出していた。

高校3年になってコンペやコンクールなどで小さな賞を取り始める。
就活で病んで担任に泣きついたタイミングで、建設業について書いた作文が全国1位を取ったと報告され、泣き損ねる。( ;  ; )

作文の中身を考察すると、今とはまた違った視点で建築を見ているから面白い。
この世界に足を踏み入れるきっかけとなった
自然素材の家のようなものと、
建築家が設計するような建築、
この2つの根本的な違いを理解しておらず、
建築というジャンルの上でひとつづきのものだと思っていた。

ある気づきから、私にとって建築と自然との関わり方は大きなテーマになっていく。
(後々詳しく書いていく。)

また、卒業設計に全てをぶつけ愛媛で1番をとった。あの頃の自分の集中力は半端でなく、
体力的にも精神的にも懇詰めていた。
しかし、あの時間のように今思い出してもキラキラ光っているものはなかなかない。

これはいつも、自分自身を更新していかないともったいないなと、思わせてくれる作品たち。自分の育った島を舞台に、"よく生きる"ことを建築に落とし込もうと奮闘した。
この時、考えに考えて生まれた思考たちはいつも私の軸にある。

1、設計主旨
2、敷地図  等高図から山の断面を描いた
3、 「船越展望台」
4、集合住宅「晴舞台」
5、 図書館「こもれび」
6、 温泉施設 「空海」

設計主旨や想いが文章で書ききれないので、殴り書きしたプレゼンのカンペを貼り付けておきます。読みたいと思ってくださる根気のある方がもしいらっしゃれば、、。
(プレゼンの初めに流した力作の動画はインスタのリールに上げておきます!)

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もうひとつ高校時代に、
自分の中でかけがえのないものができた。
それが建築と同じくらい、いやもしかするとそれ以上に熱くなってしまう "一人旅"だ。

これまでの人生でいちばん記憶に残っている旅。収まりきらなかったので、次編に記していく。

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