怖さも楽しさも。タイで見つけたひとり旅の法則🇹🇭 Day.2
バンコクで朝を迎えた。
眠れなかったので、5:30くらいに起き上がって準備していると、個室のシャワールームとトイレに繋がる脱衣室に、バスタオル1枚巻いたおばさんがドミトリーの部屋から無言で入ってきた。
いや、真ん中仕切りがあるとはいえ、ここまでの動線は男女兼用なんですけど!!何事!と思いながらも、タイ人?の緩さにニヤニヤが止まらない。
いいなあ、日本じゃ考えられないなあと思いながら7:00にはホステルを出た。
朝のバンコクの川沿いを歩く。
朝日が柔らかく差してきて、街全体が甘やかな白さに包まれている。
川沿いには、何年前からその風景に溶け込んでいるか分からない出店がズラっと並んで、店先にはずっとそうしてきたんだろうなというタイの人たちがフルーツや野菜を並べて、座っている。そう、売っているのか、ただ座っているのかあまり分からない。
ビビりな私には話しかける勇気がなかったけど、慣れてくるとこちらからウインクでもできちゃうような関係になれるよとSNS上で教えてもらった。現地の人とのそういうやりとりに、ものすごく憧れる。
朝から活気のある音楽を流してトゥクトゥクが走っている。
カラフルな街並みの路地を除けば、奥まで出店がズラっと並んでいる。
濁った川沿いにはたくさんの花が咲いていて、街並みには緑が溶け込んでいる。
変な鳴き声の鳥が、自分はここだと言うように鳴いている。
1人として急いでいる人がいないタイの当たり前に、心が緩んだ。
こんな毎日が、世界にはあるんだ。
私が無心で先のことを考え続けながら焦って働く12時間の流れ。
ここでの12時間の流れ。
時間は、平等に与えられているはずなのに。
朝の僧侶たちの托鉢をやってみたかったのだけど、やり方が分からず、見つけたけれど遠巻きに眺めていた。清掃員の女性が手を停め、僧侶が持つ鉢の中にお金を入れて手を合わせる。
タイは仏教が主流で、輪廻転生の思考が当たり前らしい。だから毎日こうして少しずつ徳を積むと来世に繋がると信じられている。
あぁ、私最近いいことしたかなあとひっそり思う。
そんなこんなでまたバスを捕まえ、オートコー市場という大きなファーマーズマーケットに向かう。
タイで寂しくなったら、バスに乗ればほぼ確実に気のいい乗務員さんと会話できると学んだ。
市場は広くて、野菜から魚介からフルーツ、食べ物の屋台まで幅広い品揃えがあった。
野菜が大好きでタイの野菜事情に興味津々な料理家(?)の母にインスタライブをしたいという無茶ぶりを申し込まれていたので、ありったけの勇気を振り絞って仕方なく付き合う。
でも、それのお陰で自分では絶対にチャレンジしないであろう、野菜の量り売りを体験できた。
意外と見覚えのある品種が多かった。ミニトマトやマイクロきゅうりや芽キャベツを、ほんの少しずつカゴにとって、測りに乗せてもらう。4品種くらい手のひら1杯分ほど買って約80円だった!
タイの野菜は、味はほぼ日本の野菜と同じで、少しほっとした。
虫がいたり、腐りかけていて怪しそうなものもあったけど、ええい試しだ!で食べたら案外大丈夫だった。
衛生面の不安という壁がまたひとつ打ち破られた笑
その後マンゴーと甘く炊いたお米にココナッツミルクをかけて食べるものを買って食べた。初めての食べ合わせだったけど、意外といけた!
マンゴーも鮮度良く、甘く、1口目はすごく美味しかった!ただ、食べ進めると胸焼けしてきてしまった。
食べてる途中に、タイのおばちゃんが私の机に買い物袋をどかっと置いて待っていた。
私が食べ終わって席を譲るとニコッと微笑んでくれた。
厚かましいのか、親切なのか、距離が近いのか、緩いのか分かんないけど、こういう雰囲気はすごく好きだと思いながら次の目的地へ。
少し離れたところにある国鉄の駅に向かってテクテク歩いていた。
国道?のような広い道沿いであまり人がおらず、街の雰囲気あまり良くないなあと思っていたら、急にオレンジのベストを着たバイタクの運転手が隣に止まって話しかけてきた。
Where are you going?
駅の地図を指さすと、のれ!のれ!というふうに言われて、いや近いしいいかなあと思ってNo,Thank youと断る。
そうすると、Free!無料だから!と言い出してなかなか折れてくれない。
なんじゃあ?いいって言ってるじゃん、
NoNo!
それでもずっとしつこく着いてくる。
これは親切なのか?それともぼったくりか、はたまた女ひとりで歩いてるからか?と急に怖くなってくる。
仕舞いには I love walking!!
歩くの大好きだから!!!とまで言って無視して歩き続けた。およそ5分くらいの戦いに粘り勝ち、なんとか去ってくれた。
うわ、完全に油断してた。
いくら日本にいるみんなと電話が繋がると言ったって、もしあの状況で何かあったら、自分の身は本当に自分で守るしかないんだ。
その意識が甘かったことを実感して、半泣きになりながら歩く。
彼氏に電話をかけ、今あったことを話しながら、国鉄の駅の傍の広い芝生の平和な草刈りの様子をベンチに腰かけて眺めていた。
怖かったあ、もう次の目的地行くの諦めて、市内に戻ってホステルに篭ろうかなあ、、
そう言いながらも
電話越しの彼氏の笑い声を聞くとだんだんいつものペースに戻っていく。
ここで、市内に戻るか
次の目的地に行くか
2択と時間が迫ってくる。
あぁ、でもそうだ。私の憧れの人がこう言ってた。
"世界は、自分たちが怖いと思えば、本当に怖い場所へと変わっていく。
でも、逆に自分が見たい世界を信じ続けて、常に自分がその最初の変化であれば、世界はそうなっていくんじゃないかな"
よし、行こう、行ける気がしてきた。
せっかくここまで来たんだし、このまま旅を妥協して終わらしたくない。
その気持ちでやっと、国鉄のアユタヤ行きのチケットを買った。
これが、2つ目の分岐点。
電車に乗り込んだけど、皆座らない。
なんでだ?と思って自分のチケットをよく見てみると、standになっていて、立ち乗り用だった。
立ったまま待っていると人がどんどん乗ってくる。
異国の地で、ローカルな人たちとギュウギュウな距離感でトコトコ高架の上を走る電車に乗っていると、あぁ、タイにいるんだなと思いながらも不思議と安心してきた。
私はまだ、全て捨てて旅に出れるほど突き抜けられてはいないし、自分の中の色んなものを守りたい気持ちがある
日本に大切な人たちもたくさんいる
あぁ、寂しいなあ
でも日本の有り難すぎる当たり前を実感したくて、寂しくなりたくてここまで来たんだよなあ、それなら叶ったかもしれない
と、しみじみ噛み締める。
隣にすごく綺麗な大学生くらいのタイの女の子が立っていた。誰かが通ろうとする度に、サッと体を寄せて道を空けて、隣の人にも促す。座り席の人が大きな荷物を抱えてきたら、荷物をあげるのを手伝う。
すごい、めちゃくちゃ徳を積んでる!それが当たり前なのかな?と思いながら尊敬の眼差しで見ていたら、
1人のおじいちゃんがやってきた。
不思議と、話しかけやすいオーラを出しているからなのか、その女の子にチケットを見せて何かを訴えている。
推測するに、自分は座り席をとったのに、誰かがそこに座っている、という状況らしかった。
女の子がその席の人に話しかけ、チケットを見せてもらうと、その人もその席の番号で間違いないようだ。
詳しい理由は分からなかったけど、女の子がおじいちゃんに向かって、丁寧に説明する。
周りの人たちも、その一部始終を見守っていて、時折何か口を挟んでいる。
おじいちゃんは結局座ることを諦めることになったらしいけど、タイの人たちの結束力や、困っている人が居たらすぐ助けるところ、何よりその女の子の、堂々とした振る舞いのカッコ良さに私は感動していた。
ふと周りを見渡すと、至る所でタイの人たちは微笑みあっている。
そうか、これがこの国の人たちの国民性なのかと理解した。
そんなこんなでアユタヤに到着した。
道ではなく線路の上を直に渡ってホームに入ると、ローカルな感じの可愛い駅で、もうそれだけで来たかいがあったなあと感じることができた。
アユタヤは、バンコクから2時間半ほど北に行くとある。タイに古くから残る遺跡が有名な場所だ。写真を見る限り異国感満載な雰囲気で、自然を感じられそうだったので選んだ。
駅横のカフェでひと休憩してから、
トゥクトゥクをチャーターする。
受付で、どこの遺跡に行きたいかと、何時間にするかを決める。
今回は2時間で、ゾウ乗り体験と、3つの遺跡を回ることにした。
最初からいきなりゾウ乗り体験ができる場所に連れていってくれた。トゥクトゥクのおじちゃんは、止めた場所で待っていてくれる。
よく分からないけど1500バーツでひとおり体験できるコースにした。
今思うと日本円は約4倍なのでめちゃ高い。
やる気のなさそうな飼育員さんと一緒に虎に餌をあげて、写真を撮ってもらう。
虎可愛かったけど秒で終わった〜と思っていたら、ゾウに乗れる高台に連れていってくれた。
象の背中を踏んで、椅子の上に座る。
前には象使いの人が直接象の首のところに座っている。
おっしゃ、出発!と思った瞬間、私によくあることなのだが鼻血が出てきてしまった。
おおお、垂れる垂れると思いながら、こっちこっち〜と記念撮影用のカメラを向けているお姉さんに向けて、
片手で血だらけの鼻を押えながらピースすると、やっと気づいてくれたようで、象使いの人に止めて!止めて!と合図して高台に引き戻される。
はは、どんな状況だ
と内心笑いながらお姉さん2人に止血をしてもらう。めちゃくちゃ心配そうに大量のティッシュと、紙に包まれた氷を渡してくれて、上を向きなと言ってくれる。トゥクトゥクのおじちゃんを始め、周りにどんどん人が集まってきて、ものすごく恥ずかしかった。
日本語の分かるおばさんがやってきて、1回休もうということになった。暑いからね〜と言われて気づく。たしかにめちゃくちゃ暑い。
私がえんえん泣くボディランゲージをして見せたら、お姉さんたちが笑ってくれて、なんかこっちも一層この状況が面白くなってきて、お互い笑いあった。
あぁ、こういう瞬間やなあ、
こういうのがめちゃくちゃいいなあ
しみじみとそう感じた
鼻血が止まったので、タオルとウェットティッシュと新しい氷を渡されて、
優しさ溢れる2人に見送られながら、
やっと象との旅へ
象乗りの人は、結構日本語が分かってるらしく、テンション高めで面白かった
私がマイペンライ、マイペンライ〜と言うと
ダイジョブダイジョブ〜と返してくれる
鼻血を出したことに気を使ってくれたのか、何故か皆とは違うコースを闊歩しながら、
象さんの背中で旅を楽しむ
田舎道の道路の向こうから車がやって来る
みんな象を見ると止まる
象遣いの人が、上手くすれ違わせる
すごいなあ、道路の法律はむちゃくちゃでも、象さんは優先するんや、さすがタイ、、
爽やかな風で揺れる緑の大草原の中に、
ポツポツと残る風情ある苔むした遺跡。
人が建てた建築が、自然の中で朽ちかけている。そうして、きっといつか土に還っていく。それはとても、自然なことのような気がした。
ぽわーんと音がしそうな夢のような風景と、象の歩くリズムで揺れる座席の上で、
目の高さにある木々の葉っぱを掴もうとしながら進む私。
この眺めを、ずっと忘れたくないと
心の内側に刻んだ。
しばらく進むと、他の象さんたちと合流した。日本から来られた上品なおば様おじ様が、優雅に散歩してらっしゃる。
コニチワ〜オーチャン(象さん)オーチャン
と象使いの人が言いながら近づいていく。
遺跡との記念写真が撮れるスポットにやってきた。すると象使いが象から降りて、
ココオイデ!とさっきまで自分が座っていたところを指さす。
えぇ!?そこ良いんですか!?
象使い資格いらんかったっけ!?
オーチャン暴れだしたら山岡ひとたまりもなく一撃で終わるんですけど!?
と思いながらも、興味が勝って乗ってみる。
象さんの頭は、1本1本が固い黒い髪の毛がチラホラ生えていて、肌はゴワゴワしていた。
写真を撮っているとおば様方に
アラ〜、そこに座ったの!象使いみたいね!
と声を掛けられたので、調子に乗って手を振り返しておく。
写真撮影が終わって、登ってくるかと思いきや、象使いはそのまま歩き出してしまう。
あれ、またおかしな状況やないかい
と思いながら、オーチャンの意思に反することは即ち命に関わるので、大人しく乗っておく。オーチャンの歩くテンポが、そのまま私に伝わってくる。時折うっとおしそうに動かす耳が足に触れる。
ありがとねぇ、と言いながら頭を撫でさせてもらった。
水溜まりの前で、ようやく満足してくれたのか象使いの人が登ってきた。
不安定な象の背中の上で座席に乗り移るのは、なかなか至難の業だったけど、やり遂げた。
ゾーウサンゾーウサン オーハナガナガイノネ
と歌いながら水溜まりにのしのし入っていく。思ったより深くてスリリングだったし、たまにオーチャンが鼻で水しぶきをあげるから、ミストのようで涼むことができた。
最後に500バーツ、チップをくれと象使いの人に言われて、買えるお金無くなるから、これだけでいい?と言いながら、300バーツ渡す。=1200円。
まぁ、存分に楽しませてもらったから良いかと思いながら、渡しておく。
象の小屋に戻ってくると、色んな人がOK?と顔を見ながらサインをしてくる、大丈夫だよ!と伝えたくて私も大きくグッド👍を返す。こっちだよ〜と先程のお姉さんがカメラを持って構えている。このタイ旅いちばんの笑顔で手を振る。
もう1人のお姉さんが乗り場の高台で迎えてくれたので、グータッチをして喜びを伝える( ᵔᵔ )
もう少し休んでいきな〜とお水をくれて、飲んでいると撮り直した記念写真を渡してくれた。象使いとオーチャンがあまりにもタイすぎて、私だけ浮いているようで、同じ画角に入っていることが面白くてしょうがなかった。
謎の2人目の象使いが餌あげれるよ!と行ってくるけど、近くに居た人が、休んでるんだから!と諭す。
だいたい何を言っているか分かるようになってきた。
少し経って落ち着いたので、トゥクトゥクのおじちゃんが待つ場所へ。さっきは心配そうな顔をしていたので、グーサインをして見せると、ニコッと人柄が滲み出てる笑顔で笑ってくれた。
もうこの1連の鼻血事件で、タイの人たちの優しさに触れられてだいぶ満足したけど、
レッツゴーと言って、やっと本格的な遺跡巡りが始まる。
去り際先程の餌やりを勧めてきた方の象使いが、近くをバイクで爆走しながら、
カワイイネー!と叫んできた。
いや、お前誰やねん
と思いつつ、動き出したトゥクトゥクの荷台で風に吹かれる。
アユタヤ遺跡を3つ回った。
ただ、正直名前が覚えられなくて、どこを回ったのかあまりよく分かっていない。
敷地に入った瞬間、フワッと通り抜ける風が心地よくて、大きく息を吸い込んでみる。まるで昔から時間が止まってしまっているような気がして不思議だった。
さわさわ揺れる木々と、赤茶色の朽ちたレンガの遺跡が、なんとも言えない空間を生み出している。本当に傾いているものもあって、それが私の目にはとても儚く写った。
変わらないものなんてない。
最近読んだ本で響いた言葉。
人は死ぬし、建築はすたれる。
自然だって何度も生まれ変わり再生していく。
家族や友達、大切な人たちとの関係は
永遠なものなんてない。
自分自身だって、一分一秒変わり続けている。
それを含む全てのものが、命だと思った。
遺跡巡りを終え、バンコク行きの国鉄に向かう。駅まで送ってくれたトゥクトゥクのおじちゃんと、写真を撮った。本当にありがとう。
国鉄から、さ迷いながら謎のコインを手に入れてレッドラインに乗り換え、最後はバスに乗り換えた。
ところが、このバス全然来ない。タイでは結構時間通り来ない。
次の目的地を考えていた私は、日が暮れちゃうじゃーんと思いながら、バス停にぽつんと座って待つ。
すると1台のバイタクがバス停の横に停めた。あの事件がトラウマになりつつある私は相手にバレないように身構えたが、若い運ちゃんはそのままベンチの端に座って携帯をいじり出した。多分漫画を読んでいて、無駄に気を張ってしまっていたため、えらい拍子抜けした。
夕陽を眺めているとバスが来た。
あれ、来る前相当不安だったのに、
普通に交通手段使えてる、成長成長!
と思いながら乗り込んで、乗務員さんに行先の地図を見せる。
どうやら文字が小さすぎて読めないようで、隣にいた乗客の人に、読んでと私の携帯を回し出す。
私もどの硬貨を使っていいか分からず、その人にお金を見せて支払いまでしてもらった笑
目の前にいた乗客のお姉さんと目が合って微笑む。
あぁ、いいなあ、非常にタイだ。
ポツポツと人が降りていき、乗務員さんが飽きたのか運転手さんと話し出す。
その声が大きいので、何を喋っているか気になって、翻訳機のマイク機能で拾ってみようとした。
結果上手くいかず、勝手に想像して楽しむ。こんな喧嘩腰のテンションで今日の夜ご飯とか話してるわけないよなあ、私のこと話してるのかなあ、とかとか。
でもひとつ分かった。
私がエアコンが寒くてくしゃみをしていたら、おばさんが、気温あげて!あげて!
と運転手さんに言ったような気がした。
すると、しばらくして表示されている車内の温度が19°から20°になっていた。
おばちゃんありがと。
目的地に着いたら、着いたよ!みたいな満面の笑みで送り出してくれる。多分間違って伝わってて、本当はもう一駅乗りたかったけどお金お支払いしていたので、満面の笑みで降りる。
充電がなくて、ホステルまで持つかなあと不安になりながらてこてこ歩いていると、川沿いが激しくイルミネーションで飾られていた。どうやらお祭りをしているみたいだ。
しかも、舞台やらなんやら用意されていて、客席側でインタビューされているおばちゃんが、ライブカメラで川の反対側の大きなスクリーンに映し出されている。
家族連れが多く、出店なんかもあって、みんなワイワイご飯を食べている。
行こうと思っていた目的地は、時間が遅くなってしまっていたので諦めて、一度ホステルに帰り、川沿いに繰り出す。昨日は本当に怖かった夜のバンコク、もうあまり怖くなかった。
これも、ひと駅前でたまたま降りたからだなあ、やっぱり旅は、想いもよらないことが、でも初めから準備されていたようなことが、たくさん起きるなとしみじみ思う。
川沿いに着くとタイの人たちや観光客の人たちが、川に花飾りのような灯篭を流している。
後に調べてみると、ロイクラトンいうものらしい。タイ語で灯籠(クラトン)を川に流す(ロイ)の意味で、タイの人々にとって古くから続く風習で、川へ感謝の気持ちを捧げる祭りだったらしい。
朗らかに流れる音楽と光の中で、タイの人たちに囲まれながら屋台で買ったパッタイを食べた。
世界って、家や日本から自分で飛び出して見に行かないと、自分の想像の中だけでイメージして終わってしまう。怖いで足を止めてしまったら、そこで終わりで。
でも、本当に飛び出して自分の目でそれを確かめに来た人のことは優しく迎えてくれるんだなと思った。
2回の分岐点を乗り越えて、私は歩み続けることができた。
3日目と、この旅のまとめへ続きます!