「休職」について
「休職」とは?
「休職」とは、雇用されたまま長期間の労働義務が免除される制度です。
公務員の場合、病気休暇90日間に加え、休職期間は最大3年間取得できます。
これほど長期間に渡り労働から解放されると聞くと、次のように考える方がいらっしゃるかもしれません。
現実に、病気休暇を利用し40日間も旅行に出かけていた公務員がいるようです。
休職者の本音
実際にうつ病で休職している人間として、本音を申し上げます。休職中に旅行や趣味などに明け暮れるという夢は、あくまで健常者の発想です。
今、休職しようか迷っていて、前述のような妄想を本気で抱いているのであれば・・・。それはまだ健全な状態であり、休職すべきではないと考えます。
療養しなければならない状況におかれている
休職が必要な人は健康状態が悪く、強制的に労働環境から距離を置き療養しなければならない状況におかれています。
そのような人が、世界旅行に行けるわけがありません。また、今まで好きだった趣味に対しても、全く興味が湧かなくなってしまいます。
前述の堺市職員の例は、休職(病気休暇)制度を悪用した典型であり、同情の余地はありません。
休職中のある1週間
ここで、うつ病で休職した筆者のある1週間の生活について振り返ってみます。
起床は14~15時
猛烈な倦怠感で、朝起きたくても起きられません。
寝坊を繰り返していると、自己嫌悪感が日々募っていきます。
外出は1度だけ
かろうじて動く元気がある時、1度だけ近所のスーパーへ買い物に出かけました。
それ以外は自宅で引きこもっています。
食事は1日1食取れればマシ
動けないので空腹感がなく、食欲が湧きません。体重は4キロ減りました。
テレビを観れない
テレビの音すら煩わしく感じます。日々の生活に娯楽要素はありません。
ほぼ寝たきり状態
うつによる無気力状態で、体を起こしていることすら苦痛に感じます。
必然と、布団で横になって過ごす時間が長くなります。
昼夜逆転
昼間寝ているので、夜寝付きが悪くなります。
こうして睡眠リズムが崩れ、起床時間が遅くなってしまいます。
以上のように、ほとんど入院患者のような生活を送っています。
朝起床できない、食事を取れないことは、人間としての基本的な行動の欠如であり、かなりショックを受けました。
休職に対する背徳感
以上のように、休職中は人間らしい生活を送ることができません。
依然として「夕方まで寝られて良いじゃないか」という声が聞こえてきそうですが、それが心地よいのはせいぜい1,2日だと思います。これを何日も繰り返していると、死にたくなります。
また、筆者は突然抱えている仕事を放り出して休みに入りました。私の仕事は、きっと周りの人々が嫌々ながらもやってくれているのでしょう。
病気とはいえ、私が自分の仕事を放棄したことは確かで、私のせいで職場の人達に多大な迷惑をかけているのも事実です。
「もっと頑張れなかったのか」
「なぜ簡単に諦めてしまったのか」
と、自分を責める日々が続きます。
再休職にまつわる恐ろしいデータ
復職した労働者が5年以内に再休職に至る比率は、なんと約半数に及ぶそうです。
かくいう私も、一度目の休職→復職から2.5年で再休職してしまいました。
このように、一度休職してしまうと、復職できても安定した勤務を続けていくことが難しいことがわかります。
まとめ
以上より、私は「休職はなるべくしない方がいい」と考えます。安易な発想で休職に踏み切るのは止めましょう。
しかし、過重労働や精神的負担で明らかに体調がおかしい場合、無理して仕事を続けていると状態が悪化する可能性があります。その際は、思い切って一定期間休職した方が良い可能性があります。
医師・産業医等と相談の上、検討してみてください。