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声。

病室から母が
電話をかけてくる。
ウトウトしていた父が
私からのラインの音に
目を醒ましたらしい。

父の声は乾き、不明瞭になった
お互いに特別に話すことが
あるわけではないけれど
お父さん、と呼びかけると、
変わりないか、と微かに
聴き取れる

猫が鳴いたので
愛が鳴いてるねん、と伝える
お父さん、って言うてるわ、
お父さん、って、
なぁ、愛ちゃん

猫はゴロリとお腹をみせて
私を笑わせる

わずか数分の電話
父の耳に私のあかるい笑い声が
どうか、残りますようにと

祈る





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