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かお。
電話の向こうの父の
発語は、もう、わからないが
変わりはないか、
大丈夫か、
それから私の名前を呼んで
お前も気をつけてな、
きっとそれだろうと推測しながら
こっちは変わりないよ、
大丈夫やで、
お父さんも風邪ひかんようにね、
そして、うんうん、と
相槌を打つ。
猫たちと一緒に
待っとぅから、と
お父さん、待っとぅからね、と
言いたかったことばを
やっと、言えた
電話の向こうの父の
かおが見えたような気がした
またね、お父さん
ほな、またね、と
ありったけの気持ちをこめて
いつもどおりに、
父と、話した。