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広島お好み焼き屋【皐月】の看板娘のリムは実は竜の姫巫女様でした! 第8話 宅配へとレッツ! ゴォー! (1)

#創作大賞2023
#お仕事小説部門

「じゃ、いってくるね。パパ~」

「ああ、リム。気を付けていけよ。無理をするな。家が解らなかったら。お客様の住所をスマートフォンのナビゲーションを使用して探索をするか。直ぐに俺のところに電話かメールを打てよ。直ぐに俺がリムの許へと行くから。絶対に無理はするな。分かったなぁ、リム?」と。

 もう、家のパパは本当に大袈裟……。

 と、言うか?

 過保護過ぎと言うかね?

 自分の方がリムよりも年下の癖にさ。

 リムが宅配用のクーラーボックスへと、お客さまからの注文の商品である。

 広島お好み焼きのシングルとダブルが一枚、一枚と。

 紅蓮の竜姫さまであらせられるライザ伯母上の超レアーと言うか?

 祝福、ゲン担ぎも込めた大変に縁起の良い。

 そう、今年一年は、その家、お客さまの家に不幸が絶対に訪れない。

 まあ、良いことばかりが起きる祝福の赤いキラキラ光る粉までがセットとして付属している。

 広島お好み焼きを入れ終わるまで。

 家のパパはリムへと何度も口煩く。

 そう、お年寄りみたいに過保護過ぎるぐらいリムへと告げてくるから。

 リムはパパへと。

「はい、はい」と気だるげ、不愛想に、悪態をつき返事を返した。

 でも、家のパパはリムのことが大変に可愛く、愛してくれているから。

「リム、俺が何度も言うけれど。もしも道先が解らなくなったら。俺にスマートフォンから直ぐに電話をしろ。分ったなぁ?」と。

 また同じ台詞を……じゃないか?

 今の今リムが説明をした通りで口煩い。

 真っ赤な顔で、ガミガミ親父化しているパパだから。

「はぁ、あんたぁ~。リムに対して、ちょっと大袈裟過ぎないかい? リムもいつまでも子供じゃないんだ……。それにここは、うちらの住んで居る桃源郷じゃなくて。大変に治安の良い日本だからリム一人でも大丈夫……。大丈夫だよなぁ、リム?」と。

 ライザ伯母上も、パパのリムへの過保護ぶりに対して流石に。

『はぁ~』と大きな嘆息を漏らしつつ、呆れ声ね、諫めるように告げるから。

 リムもライザ伯母上に続くようにパパへと苦笑いを浮かべながら。

「うん、ライザ伯母上の言う通りで。リムは本当に大丈夫だから」と告げ。

「それにパパ? リムは桃源郷の町の夜を一人で歩いていても大丈夫、平気なのに。この世界、日本でならばリムは尚更大丈夫だから。パパ、自身の顔色が変わるほど心配しないでよ。おねがいだから」と。

 リムは再度パパへと大丈夫だと告げた。

 それも、ライザ伯母上につられるようにリムもパパへと。

 苦笑いを浮かべ、呆れ声音でね。

(もう、パパは本当に大袈裟なんだから。こんな治安のよい日本の、まだ陽も高い。お昼の時間にリムが、変な事件に巻き込まれることなんてないから。パパは~)と。

 リムは脳裏で呟きつつ、パパへと説明……。

 でもね、家のパパはリムとライザ伯母上の二人が呆れ返ろうが。

 一度言い出したが聴かない。

 聞く耳を持とうとしない。

 頑固一徹だからね。

「リム。お前が、そんなに安易に考え、大丈夫だと思っているから。俺は心配で仕方がないのだろう」と。

 パパはリムへと告げれば。

「はぁ~」と大きな嘆息を漏らし。

 今度は自身の両手を肩の位置まで上げ──。

 自身の首を振りつつジェスチャー。

『お前達二人は、本当に何もわかっていないのだな』とでも言いたい顔をすればね。

「リム、もしもK国からの核弾頭が。お前へと飛んできたらどうするのだ?」と。

 家のパパは自分の思い通りにならないからと。

 今度はリムにこんな訳のわからない言葉をね。

『えっへん!』と。

 自身の胸を張りつつ、子供みたいに。

 空威張りをしながら告げてくるから。

 リムも「あっ、はははっ」と乾いた笑いを浮かべつつ。

「リムが叩き落として、投げ返すから大丈夫だよ。パパ」と言葉を返せば。

「……ん? そんな事って可能なのか?」

 パパは、最初は、一瞬黙り込み、沈黙……。

 でも直ぐに声を出し、リムへと。

 そんなことは可能なのか? と訊ねてきた。

 だからリムは、パパからライザ伯母上の方へと視線を変え。

「ライザ伯母上、可能だよね?」と訊ねると。

「ん? まあ、いけるかな」と。

 ライザ伯母上が、にへらと笑いつつ、パパへと告げると。

「はぁ、嘘だろう?」

 パパが驚愕しながら訊ねれば。

「うちなら、核弾頭を上空へと軌道を変え、ブレスを口から吐いて。そのまま破壊かな?」と。

 ライザ伯母上が苦笑いを浮かべつつ、パパへと説明した。

 だからリムも、ライザ伯母上には負けたくないから。

「それぐらいのことならば、リムだってできるもの」と。

 リムはパパへとツンデレモードで、ツンツンと言葉を漏らせば。

「えぇえええっ! リムやライザ! お前達二人は、ゴ〇ラやガ〇ラみたいなことができるのか?」

(ここまで)

 家のパパが更にリムとライザ伯母上へと驚愕──。

 そう、パパ自身の顎が外れるのではないか? と。

 傍からリムが見ても思うぐらい、大きな口を開け──驚くから。

「あんたも、できるからやってみな。わりと簡単だから」と。

 ライザ伯母上が自身の腕を組み、ケラケラ笑いながらパパへと告げると。

「今度警報が流れるか? ツ〇ッターで回っていたら試してみるよ」と。

 パパは相変わらず驚愕した様子ではあるのだが。

 ライザ伯母上の話しを聞き、頷き。

 今度自分で試してみるよと言葉を返してきたから。

「うん」とリムは、ニコリと女神の微笑みを浮かべつつ。

 パパへと頷いてあげ。

 再度リムは、自身の口を開け。

「じゃ、パパがそこまでリムのことが心配ならば、リムの脳内へとリンクしてきて。お客さまの屋敷へと道案内……。ナビゲーションをしてよ。お願いだから」と告げると。

「……あっ!」と。

 パパは驚嘆を漏らして。

〈ポン!〉だよ。

 自身の手を叩き。

「リム、その手があったな。俺自身もすっかり忘れていた。と、言うか? 今俺の過去、前世の記憶を手繰り寄せて思い出したよ。御免。御免」と。

 パパがケラケラ笑いながらリムへと告げ、謝罪をすれば。

「……ん? あんた。今まで忘れていたのかい?」

 ライザ伯母上は呆れ顔、声音でパパへと訊ねると。

「うん、ライザ。俺すっかり忘れていたよ。と、言うか? 俺自身も未だ。全部が全部過去……。俺の前世の記憶を思い出している訳じゃないから。自分自身の能力を全部掌握している訳じゃないんだよな」と。

 パパはにへらと笑いつつ、ライザ伯母上へと説明をする。

「へぇ~。そうだったのかい。あんた。うちは知らなかったよ。悪かったね。あんた~。ほら、おいでぇ、あんた~。うちが慰めてやるから。早くおいでよ。あんた~」と。

 まあ、こんな感じです。

 リムの伯母上さま達はね。

 病魔に侵され他界をしたリムの父上さまの転生者であるパパに対して本当に甘い。

 まあ、甘々なのですよ。

 本当に若いパパに対してね、甘々の甘ちょんなのですよ。

 だから事ある毎に伯母上達はパパのことをハグ、抱擁し、可愛がろうとするのだが。

 パパ自身は本物のツンデレヒーローさま。

 竜神さまだから。

「ライザ、今は良いって。陽も高いし。店内には未だお客様達がいるから。閉店後で良いよ。その時にお願い」と。

 伯母上の超がつくほどの子供扱いに対して、パパは取り敢えずは業務時間内だから断る。

「そうか、そりゃ、残念……」と。

 今度はデレ度の酷いパパのお妃さまの一人ライザ伯母上が。

『残念』、『無念』と言った顔で落ち込み。

 いつもの元気な気丈ぶりを見せなくなるから。

(あらあら、困ったなぁ)と。

 リムは思いつつ、少し思案……。

 そして(閃いた!)と、リムは思うと。

「パパ~、ライザ伯母上も、パパのためにと業務が終わっても。自身の身体を休め、くつろぐこともしないで。皐月の手伝いをしにきてくれているのだから。少しは羽目を外して甘えてあげたらいいじゃない。そうすれば伯母上のお仕事の疲れがとれ。伯母上の気持ちもリフレッシュするのだから」と。

 リムはパパに微笑みながら、もっと自身のお妃さま達へと気を配らないとダメだと告げ、諫めると。

「あっ!」とパパは驚嘆を漏らしつつ。

 何かを思い出し、悟った顔を始めだすのだ。

 そう、最初にリムがパパへと語ったこと……。

 前世のパパが、この人間界で言う流行り病、インフルエンザに侵され、早く他界をしたがために。

 パパのお妃さま達がみな悲しみに耽って毎日夜な夜な涙を流し、枕を濡らしているのだと。

 だからリム達竜の姫巫女の許へと帰ってきてと。

 そうすれば、我が一族の女達は、また以前のような振る舞い。

 他の男神達が羨望の眼差しでパパのことを見るような、満身の笑みを……。

 竜姫の微笑みを常にしては。

 広島お好み焼き屋【皐月】の周辺一帯へと。

 大変に縁起のよい祝福の粒子をまき散らすことが可能になるのだからと。

 リムが告げた事をパパは思い出してくれたみたいだから。

「御免よ。ライザ。俺素直になれなくて」と。

 家のパパ、竜神さまが、少し反省をした顔をしながらライザ伯母上へと謝罪……。

「うぅん、別にいいよ。気にしないで」と。

 ライザ伯母上はパパへと、気にしないでくれと言葉を返す。

 でも、やはりいつもの気丈な様子を見せる。

 如何にも将軍さまといった感じ、様子のライザ伯母上ではなく。

 弱々しい感じのライザ伯母上だから。

 リムは、(ライザ伯母上、全然大丈夫じゃない、じゃん。これだと不味い、じゃん。明日からのライザ伯母上の業務に支障がでる、じゃん。じゃん、じゃん)と、思っていると。

「ライザ~、抱っこ~」と。

 家のパパが急に幼児言葉を使用しながら。

 ライザ伯母上の傲慢、大きい過ぎるオ〇パイの谷間にダイビング!

 自身の顔を埋め、頬ずりしながら甘え始める。

 だからライザ伯母上の口から。

「ひゃん!」と可愛い声が漏れる。

(カクヨム)
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