広島お好み焼き屋【皐月】の看板娘のリムは実は竜の姫巫女様でした! 第10話 初めてのドラゴンでの宅配! (2)
第10話 初めてのドラゴンでの宅配! (2)
リムの容姿を見て確認したお客様がね。
リムの容姿がね、日本人の容姿ではなく、海外の人。
異国情緒溢れる容姿。
金髪碧眼の容姿だから少々驚いちゃったみたい。
どころ、ではないみたいだね?
お客さまの様子をリムが目も前で見て確認をしても。
だからリムは、(さてさて、どうしようか?)と思うと。
先ずは、「あっ、はははっ」と、お客さまに笑って誤魔化してみる。
でっ、その後はね?
「あの、お客さま。私はハーフなんですよ」と。
リムはお客さまに説明をする。
「えっ! ああ、だからお嬢さんは流暢な日本語を話すことができるのね」
「はい、そうなのですよ。だから私は日本語は普通に話しができますが。英語の方は、学校の授業過程で習っている程度しか話すことができないのですよ。お客さま……」
「へぇ、そうなのね。可愛いお嬢さん」
「はい、そうなのです」と。
リムは『へぇ~、なるほど』、『フムフム』と感心した顔をしているお客さまへと。
リム自身は英語が苦手なのですと。
まあ、こう言っていれば大抵の日本人の人達は、なるほど思ってくれる。
ラブコメアニメや漫画、ライトノベルのテンプレ通りに説明をした。
だからお客様はリムの話しを聞き。
「そうか、そうか。そうなのね」
と、完全に納得をしてくれたようだから。
「お客さまの御注文は、お好み焼きの肉玉そばダブルと肉玉そばシングルの計二枚でよろしいのですよね?」と。
リムはお客さまに、営業スマイル──。
と、言うよりも?
リムも竜神さま、竜の姫巫女、女神さまになるのだから。
女神の微笑みを投げかけながら。
リムは客さまへと、【皐月】へと頂いた注文の品な商品は、二点で間違えないですか? と訊ねてみる。
「ええ、間違えないはお嬢さん。本当に御苦労さま」と。
お客さまはリムの問いかけに対して、優しく微笑みを浮かべ、間違えないと告げてくれた。
だからリムはホッ! として胸をなでおろすの。
だってお客さからの注文、受注をノートパソコンの画面から見て確認したのはリムだからね。
もしも受注ミスでもあれば本当に大変だから。
お客さまから商品確認を頂くまでは。
リム自身もドキドキ、ハラハラしている。
でも、リムの目の前に立つお客さまが。
リムがデリバリーで持ってきた商品で間違えないと言葉を返してくれたから。
リムは(本当によかった。よかったよ。これでリムのお仕事も終わったよ)と思っていると。
「まあ、それにしてもお嬢さんは本当に、お人形さんみたいに可愛いわね……と、言うよりも? アニメや漫画に出演しているヒロイン達のように可愛いわね。本当にお嬢さんは……」と。
仕事を終え、一件落着……。
「ふぅ」と安堵感に慕っている。
佇んでいるリムにたいしてお客さまは。
リムの容姿が素晴らしいと褒め称えてくれた。
だからリムは「えっ!」と驚嘆を漏らすのだが。
やはりリムも女の子だから、自身の容姿を他人褒め称えてもらえると。
やっぱり嬉しい。
でもリムは、嬉しい反面、少しばかり照れ臭い気持ちもあるから。
「そ、そうですか。お客さま……。本当にありがとうございます」
リムはお客さまに対してお礼を告げつつ。
自身の両手、掌に付属している指先を使用しながらね。
モジモジと照れくさそうに動かしつつ。
リムは自身の頬を薄い桜色に染めながら照れ恥ずかしそうに俯けば。
「ふっ、ふふふっ」と。
お客さまの微笑む声が、リムの声へと聞こえると。
「可愛い宅配の娘さん、お好み焼き二枚の御料金はいくらになりますか?」
自身の顔を桜色に染めつつ、照れ恥ずかしそうに俯くリムへと。
お客さまがお好み焼き二枚の料金はいくらですか? と。
リムに問いかけてきた。
だからリムはお客さまの問いかけを聞き。
「あっ!」と声を漏らしてしまう。
(ここまで)
だってリムは、お客さまとの会話。
和気藹々とした雰囲気の中で、商品の代金を頂くことをすっかりと忘れて会話を弾ませていた。
だからリムは思わず。
お客さまの目の前で驚嘆を漏らしてしまう失態を犯してしまったから。
自身の顔をポッ! と赤面させ俯き。
リムは照れ恥ずかしそうに。
「申し訳ございませ。千八百五十円になります」と小声で。
お客さまへと告げる。
「はい。二千円」
そして「ふっ、ふふふっ」と。
お客さまはリムへと微笑むと。
「アニメのヒロインのように美しいお嬢さん。お家のお手伝い頑張ってね。私応援するから。ファイト!」
お客さまから、商品代を頂くことをすっかり忘れ、落ち込み。
自身の肩を落とすリムに対してお客さまはね、叱咤激励──!
ファイト! と言ってくれたの。
だからリムは落胆し、下を向く。
自身の顔を慌てて上げ──。
「は、はい。がんばります! ありがとうございました」と。
リムはお客さまに告げながらお釣りを手渡した。
それもリムは、お客さまに対して満身の笑み……。
女神の微笑みを浮かべると。
リムは慌てて、お客さまの屋敷の玄関先を後にするの。
それもちゃんとお客さまへと。
「さようなら~。ありがとうございました~」と。
リムは手を振り、別れを告げる。
そしてお客さまの屋敷の門を出れば。
リムはまた魔法で透明化──。
その後は金色のドラゴンへとリムは変化すると。
上空へと急上昇──。
リムはパパが待っている我が家……。
広島お好み焼き屋【皐月】へと向け──。
優雅に、可憐に。
大空を舞いながら。
(パパ、待っていてね)と、自身の脳裏で思いつつ。
リムは帰宅の途についたのだった
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(カクヨム)
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