11月25日
朝晩しっかりと冷え込むようになってきた。
お気に入りの黒いニットカーディガンに袖を通し、スニーカーに足をつっこむ。
ゴミ出し担当は彼なのだが、今日は仕事が忙しいらしい。あまりに余裕がなさそうなので、帰りの時間をきちんと連絡することを条件に、代わりを請け合ってあげた。
ゴミの曜日は未だに覚えられない。スマートフォンで撮影した収集所の画像を見て、ゴミをまとめている。
ただ、町の空気には慣れてきた。
年寄りと子供が多く、そこそこ活気のある町。大通りから少し離れているおかげで、かなり静かだ。私はこの町をなかなか気に入っている。
枕元に置いてきたスマートフォンが気にかかる。
昨夜びっくりして消してしまったメッセージ。
懐かしい、でももう見ることはないと思っていた名前。
なんでこのタイミングで。
心の中で舌打ちをする。
どういうつもりだろう。半年以上音信不通にしておいて、今さら。
もう終わったことなの。
言い聞かせて、空を仰ぐ。
よく晴れた日だ。雲が薄い。また冬が来る。
彼と過ごした、冬。
あれからもう、1年が経とうとしている。
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