ポルトガル ユーロカップ 2004 決勝戦の夜
現在ドイツで開催中のユーロカップ 2024の話題に接すると、20年前に行われたポルトガル対ギリシャの決勝戦の夜が浮かんでくる。
当時、C. ロナウドは若手有望選手の一人として出場、レジェンドのMFルイス フィーゴがポルトガル チームを牽引。特に団結力が素晴らしく、並み居る強豪のスペインやイングランドを打ち負かしてあれよあれよという間に決勝戦にコマを進めた。
ポルトガルの人たちは、予選リーグや決勝トーナメントを問わず、勝利のたびに車を繰り出しクラクションや花火を打ち鳴らしながら町中を走り回る。その光景と騒音はすさまじいものだった。正直言って、早く大会が終わることを願っていた。
当日は自宅から100km以上離れた勤務地で定時まで仕事。片付けもそこそこにカンパニーカーでリスボンへ向かう。いつもの曲がりくねった田舎道を経て高速道路へ上がり自宅を目指す。
スピードメーターの針は常にほぼ3時の方向、追越し車線をひたすら走り続ける。ここで、ヨーロッパでの高速道路のマナーを一つ。
車との生活に子供の頃から慣れ親しんでいる彼らは、後ろから早い車に煽られることを極端に嫌う。それを恥とでも思っているかのように常にバックミラーを確認、後方から近づいて来る車を察知すると瞬時に走行車線へ。
その様子がとてもスマート。遅い車が追越し車線を譲らず、渋滞ができる状況に一度も遭遇したことが無い。はっきり言って日本の、特に高速道路上のマナーは世界でも最低レベル(あくまでも個人の感想です!)だと思う。
また、早い車も闇雲にパッシングライトを点滅させて前方の車を蹴散らすような下品なことはまずはやらない。速度差がかなり大きいのであっという間に近づくのだが、絶妙なタイミングで前方が開けて追い越して行く。
その夜は決勝戦があるという事で現地の人々の帰宅も早いのであろう。高速道路上はかなりすいていた。前方の車を順調に追い抜きながら…勿論、下品な煽りなど一切して…いない、いない。ふと気付くと、後ろからするすると近づいて来る車の気配が…
”えっ? このスピードで走っているのに?!” その近付いて来る速さが尋常ではない。慌てて、でも慎重に走行車線へ入ると、何事も無かったようにスムースに追い抜いて行く。その速度差は50km/H以上は有りそう。
やれやれと追越し車線へ戻り、暫く行くとまたもや背後に何やら気配があり、これまた相当な速度差で追い越されることに…
結局、この夜は3台の猛者に追い抜かれることに。1台のPorscheと2台のAudi。特にヨーロッパではAudiドライバーの過激さをよく目にした記憶がある。
自宅に到着した時、出発する際にセットした自作CD…録音時間1時間15分くらい…が、未だ終了していなかった。これは帰宅所要時間の新記録となり、その後も破られることはなかった。
さてさて、平均時速及びトップスピードはどれ位なものだったのか。すでに時効だろうが、それは秘密!
肝心の決勝戦は、残念ながらギリシャに1対0で惜敗。でも手に汗握る緊迫した試合で、ビールも美味くどんどん進んで記憶に残る夜になりました。