江戸に遅れを取っているゾ、令和!

光希重名士の姓名判断的ココロ(23)

本日(8/8)付けの読売新聞朝刊の1面左下のコラム、「編集手帳」で知った新たな真実!…私にとってのですが、ちょっと衝撃でしたね。

江戸幕府の8代将軍・徳川吉宗が始めた目安箱はかなり注目を集めたようで、江戸だけでなく京都や大坂にも置かれたそうです。月に3回、誰でも意見を投書することができ、将軍に直言できた、と。政治に役立つ提案を募るだけでなく、役人の不正や怠慢を民衆に直訴させ、不満のはけ口としようとしたとの意見もあるらしい。いずれにせよ、連続時代劇ドラマ「暴れん坊将軍」のモデルらしく、自由闊達にご政道を執り行った吉宗らしい政策です。月に3回、という頻度も良い感じです。冷静になる時間も得られますから。

この「目安箱」、現在のSNSと共通する部分も多分にあると思えますが、決定的に違うところがありました。恥ずかしながら私は知らなかったのですが何と《投書主は自分の名前を書かねばならない》というルールがあったとのことです。「編集手帳」の執筆者は〈意見を言うなら正々堂々と、ということらしい〉とコラムを締めくくっていますが、SNSも同じでしょうねぇ~。実名が基本のフェイスブックはともかく、旧ツイッター(現在の「X」)が匿名のシステムで始めてしまったが故に、誹謗中傷の嵐を呼んでいます。今行われているパリ五輪でも、選手やら審判やら五輪委員会やらへ嵐止まず。

更にツイッター社を買収したイーロン・マスクがクリック数に応じた広告料の支払いを始めてしまい、とにかく関心を集めることで利益を得られる【アテンション・エコノミー】を引き起こしてしまいました。その結果問題広告や偽広告、有名人を語った詐欺などが大手を振って世界中を闊歩、それらを垂れ流している輩が、犠牲者から大金をせしめている状況になっています。

以前からSNSに関して、とにかく「匿名」というシステムがダメと私は言っています。人に向かって何かを言う場合、人は責任を負わねばなりません。匿名を止めれば、現在起きている殆どの問題が回避できるでしょう。罰せられる人も当初は大勢出るかも知れませんが、じきに沈静化するでしょう。自分の不平不満を匿名を隠れ蓑にして他人にぶつけてはいけない。それを聞いた人がどう感じるのか想像もせずに、言いたい放題を言ってはいけない。著名人であろうと一般人であろうと、自分の言説には責任を持たねばならない。こんな当然の事を私たちは令和の現在できていません。徳川吉宗と当時の江戸庶民は行えていたのに! あれから300年以上も経ちます。何をやっているんでしょうか、私たちは。進歩どころか間違いなく退歩しているとしか思えません。嗚呼情けなや、現代人!

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