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【FF14】純粋なネガ
タイトルの通り純粋なネガです。
黄金の実装以降、グラアプデや外部ツールなど色々な問題に言及されているFF14ですが、不満点は多々あれど自分は許容することができました。
グラアプデであまり被害を受けず、バトルコンテンツも極までしか行かない自分だからこそという部分もあるとは思いますが……。
フレンドと過去のコンテンツに行く分には楽しいゲームですしね。
そんな自分でもこの点だけは許せない問題が1つあります。
それはシナリオにおいて、虐殺と児童虐待をあまりにも雑に扱っていることです。
以下で説明していきます。
まずは虐殺から、
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リビングメモリーにおいてシャットダウンを実行し永久人たちを亡き者にしたあの場面。
あれは虐殺に他ならないでしょう。
自分たちの価値観では生きている人に該当しない者たちを、本人たちは意思を持って暮らしているにも関わらず、争いに勝利するために皆殺しにする。
これは紛れもない虐殺です。
しかも自分の身内であるカフキワやクルルの両親には別れの挨拶をして涙を流しているのに、他の住民には何も知らせず問答無用で消滅させる。
自分たちのエゴだけはしっかり通す。
自分の身内と他の住民への扱いが違いすぎる。
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これから消滅させる人間に手を振られて笑顔で振り返すグラハティア。明らかに正気ではない。
このシナリオを作っていておかしいと思わなかったのでしょうか?
プレイヤーの分身である光の戦士もこの虐殺に加担しています。
そして、ここでの行為は作中で言及されることなくシナリオは続いていく。
こちらに対して臨戦態勢をとっていたスフェーンを殺めたことについてはウクラマトをはじめとする登場人物は気に病んでいる様子でしたが、
何も抵抗をしていない人々を消滅させたことは気にもしていません。
自キャラのことを大嫌いになるシナリオでした。
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次に児童虐待です。
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これは察している方も多いと思いますがグルージャのことですね。
ネグレクトを受けていたグルージャに対して、かつて両親が暮らしていた地に残されていた音声データを検閲することなく聞かせる。
その結果、自分が捨てられたときの音声を聞いてしまった。
これは紛れもない児童虐待でしょう。
そして主人公もこの場に同席しています。
止めるタイミングはありましたが静観していますした。
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このシーン、
グルージャは王様なんだからこれくらい受け止められるようにならないとダメだよ。
みたいな気持ちで作ったのでしょうか?
100歩譲ってウクラマトたちが、グルージャの成長を見守る立場になるのは許しましょう。
しかし意図して困難を課す立場になるのはワケが違います。
児童虐待の加害者になったとしてもグルージャに経験を積ませてたいという思想に共感できるプレイヤーは居るのでしょうか?
虐殺と児童虐待。
これらの問題を創作物に取り入れることに対して文句はありません。
ただセンシティブな問題であるため、それ相応の覚悟を持つ必要があると思います。
意思を持った永久人たちの命を問答無用で奪い去った事実。
これは彼らが生き続けるために他の世界の生命エネルギーを必要としていたことがあったとしても揺らがないことです。
正当な理由があるから主人公達は気に病むことはない。だから虐殺をした国にも入り浸れる。
とても問題に向き合う覚悟があって描かれたシナリオとは思えません。
児童虐待についても同様です。
避けることができる困難にグルージャが直面させられる必要はあるのでしょうか?
意図せずにグルージャが両親に捨てられた時の音声データを聞いてしまった。
このシナリオならまだ理解できます。
しかし、あの場面には止めることができる人物がたくさんいました。
民を導く王なのだから、子どもであったとしても苦しい経験をする必要がある。
あの場にいるキャラクター全員がこういった思想を持っていると考えると吐き気がします。
子どもではあるが、本人が見ようとしているのだから止めない。
この考えを持っていいのは、その後何が起きても責任をとれる人だけです。
あの場では音声データの中身を誰も知らないため、母親に酷い暴力を受け、ゴミ溜めに捨てられる音声が残っている可能性もあったわけです。
結果、グルージャは立ち直れず塞ぎ込んでしまうことも十分考えられます。
そういう事が起きたときに冒険や研究を中断してグルージャのケアをする覚悟があの場にあるキャラクターにはあったのでしょうか?
絶対にないでしょう。
そもそも人間を化物に変えていたあの実験施設を一緒に探索するのもかなり違和感があります。
くどくどと文句を言ってきましたが、これらの問題で何が一番つらいかというと
自キャラのことを愛せなくなるんですよ。
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こんな可愛らしい顔をしてますが、虐殺をしています。
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こんなに可愛いけど児童虐待に抵抗がありません。
リムサの街中ですれ違う人の大半も同様です。
みんな虐殺してるし児童虐待を肯定しています。
こんなキャラクターを愛せますか?
黄金のシナリオはウクラマト関係の話や序盤の試練ばかり批判されていますが、個人的には倫理観の欠片もない、後半のシナリオの方がよっぽど批判されるべきだと思います。
ファンタジー世界の物語だとしてもプレイしているのは現実世界の人間ですから
世界中で保障されている人権を蔑ろにするようなシナリオをすんなり受け入れることは難しいです。
しっかりとした監修の上でこのシナリオが実装されているのであれば、制作チーム全体で人権についての研修を受ける必要があるのでは?とさえ思ってしまいます。
というネタ要素がないシンプルなネガでした。