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新興国・途上国を研究対象とする日本国内の学会情報

わたくしきむしは、新興国・途上国を研究対象とする社会科学系の研究所で働いています。今後の情報収集のために、自分のメモ用として国内の関連学会を整理します。あくまでも、自分の興味関心に沿ったリストですので、すべてを網羅しているわけではありません。

地域系学会

アジア政経学会(JAAS)
東南アジア学会(JSSEAS)
日本南アジア学会(JASAS)
日本ラテンアメリカ学会(AJEL)
ラテン・アメリカ政経学会(JSLA)
日本中東学会(JAMES)
日本ナイル・エチオピア学(JANES)
日本アフリカ学会(JAAS)
日本中央アジア学会(JACAS)
地域研究コンソーシアム(JCAS)
地域研究学会連絡協議会(JCASA)

ちらほら対面での学会が開催され始めている今。いくつかの年次大会の情報を確認したところ、アジア政経学会2023年春季大会に面白そうなセッションがありました。参加登録は学会会員のみのようですが…。

共通論題日本のアジア研究の遺産と展望」
2023年6月11日(日)13:00~16:00 @東京大学駒場キャンパス

司会:丸川 知雄(東京大学)、園田 茂人(東京大学)
発表者1:髙橋 伸夫(慶應義塾大学)「中国の国家-社会関係における『あいまいな領域』:その歴史的回顧と現代的射程」 
発表者2:川上 桃子(ジェトロ・アジア経済研究所)「『産業』を研究する:日本のアジア経済研究の遺産と課題」 
発表者3:後藤 健太(関西大学)「グローバリゼーション下における戦後アジアの経済発展と日本の東南アジア経済研究」 
発表者4:絵所 秀紀(法政大学)「戦後の現代インド経済研究の歴史を振り返って」 
討論者:武藤 秀太郎(新潟大学)、丸川 知雄(東京大学)、園田 茂人(東京大学)

政治系学会

日本政治学会(JPSA)
日本比較政治学会(JACP)
日本国際政治学会(JAIR)

そういえば、大学院時代に政治研究の先輩から「比較政治学会にはゆるふわ系の研究者が多いけど、国際政治学会はみんなかっちりスーツで来る」と聞いたことがあります。いまもそうでしょうか。なんだかこわいです(スーツ恐怖症←)。

さて、比較政治学会2023年度大会にも面白そうなセッションがありましたのでメモしておきます。開催校が山梨大学なので参加できるかはわかりませんが…。

分科会E|「比較地域研究(Comparative Area Studies)の手法と実践」
2023年6月18日(日)14:00~16:00 @山梨大学

地域研究には、学際的な観点から国外情勢を深く理解するために、特定地域への高い専門性が求められてきた。しかし近年の地域研究においては、地域/分野で獲得する固有の知と研究者の専門への特化が進む中で、それぞれの地域/分野では、固有の分野への埋没化・タコつぼ化などが発生している。さらに社会科学の分野では定性分析と定量分析の間の建設的な対話(二つの文化の物語「A Tale of Two Cultures」)により、実証性を高めた優れた方法論が数多く蓄積されてきたが、そうした潮流に比べると地域研究は方法論の体系化が行われずに「流行遅れ」の学問とも見なされがちであった。

こうした現状を考えてみると、より広い地域間の文脈・空間を分析の射程にいれて、各種条件の複雑さを考察する比較地域研究(Comparative Area Study)の方法論に光が当てられている。比較地域研究とはいわば社会科学と地域研究の方法論争の先にある、地域研究を再評価する試みでもある。本企画では、地域研究と比較政治との接点や課題を提起する。さらに報告者が実践する研究課題も紹介しながら、従来の「地域研究」の問題点をいかに乗り越えられるのか。比較地域研究の手法と実践の可能性を検討する。

司会
舛方 周一郎(東京外国語大学)

報告
松尾 昌樹(宇都宮大学)「地域の固有性はどこにあるのか―石油の呪い、あるいはレンティア国家論と中東地域研究」

佐藤 章(アジア経済研究所)「地域研究の複数性と汎用性」

宮地 隆廣(東京大学)「ポリティカル・サイエンスと人類学のはざまで―比較地域研究によるラテンアメリカの分析に関する批判的考察」

討論
仙石 学(北海道大学)
粕谷 祐子(慶應義塾大学)

開発・経済系学会

すみません…、弱いです。
国際開発学会(JASID)
開発経済学会(JADE)
経済地理学会(JAEG)


以上、いかがでしたか?分野にもよりますが、日本の学術研究もどんどん英語での成果発表が重視されているものの、国内学会でも成果発表、研究交流が盛んにおこなわれている印象です。研究所のミドル・バッグオフィスで働いているものとしては、しっかり動向をチェックしていきたいと思う次第です。