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毎日苦労するのあたしなんだから

最近、「Vamo.(バーモ)」というガスコンロを買った。

なぜといえば家で使っていたコンロの片方がイカれて、一つの火で料理をしていたからなのだけど、どうせ買うならと世のクッキングパパよろしく、プロ仕様、つまり業務用なんかも検討したのだが、部品だとかなんとかめんどくさそうなので、家庭用で一番業務用に近いとかいう、まるでメーカーの思うがまんまの策略に乗ってしまったというわけで。まあとにかく掃除がしやすそうで、今のところ気に入っている。

値段もまぁまぁで、僕がこれがいい、と言ったら、奥さんは最初は渋った。そのことを奥さんが知り合いの女性に話したらば「いやいや、そおりゃあ、しんくんが気に入ったモノを買ってあげるべきよ。・・・だってさ、キッチンに立つのは彼でしょう?」というまったく至極当然の嬉しい援護射撃があったのだが、なんだかそれを聞いて僕は如何せん専業主婦の気持ちが分かったというか、「パパ、これ買ってよ、だって毎日苦労するのあたしなんだから」的な気持ちが十分に理解できた。それでいいのだと想う。


最近、無尽の雨に任せて映画ばかりをストリーミングで視ていた。多くの被害にはやるせないし、僕だって近しい人が被害にあってさらにやるせないのだけど、そもそもがコロナもあって、もともと厳しい消費がさらに見通しが立たなくなるようで。そのことを考えると止めどもなく暗くなってしまって、総倒れするイメージが迫って来て、さらに立ち上がれなくなってしまう。こういう時に現在のSNS文化というのは本当にきつい。そこにはそこを支配する空気感というものがある。でもそうは言っても生活は生活で回さなくては止まってしまう。本当に難しい。


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A24の隠れ名作と言われる『スロウ・ウエスト』。確かにこれは良かった。今更あんまり惹きがいいとは思えない西部劇を逆手にとって、現代風の用心棒的ロードムービーに仕上げた作品で、まるでリチャード・アシュクロフトみたいな青年も可愛くて良かったし、用心棒のマイケル・ファスベンダーはそりゃこれを観れば誰だって好きになるはずだ。音楽がいちいちなんか気になるからサントラもレコードで頼んでしまったくらいなのだけど、驚くべきことに監督はなんとあの元ベータ・バンドのメンバーなのだとか。なるほど。

それにしても最近の映画というかドラマというかは以前より断然にも増してそこに流れる音楽が重要視される気がしていて、いやそこが実は全てなような気もしていて、惹かれる作品はこれ全て音楽がいちいち細部にまで気が利いている。


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例えばこれもこないだAmazonプライムで視た『ヴァスト・オブ・ナイト』はなんと自主制作からAmazonが権利を買い取ったらしい凄まじい今っぽいSF作品で不思議で最高だったけど、これもオープニングからしてよく訳のわからない、でもセンスとスパイスのきいたインドっぽい音楽で、SFとインド音楽の取り合わせがまるで斜め上から攻めて来た。こういうのが本当のセンスというものなんだろうなぁと惚れ惚れしたのだけど。

惚れ惚れしたといえば、ここ最近ずっと聴いていたのがストロークスの新しいアルバムで。

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これもう、ジャケからバスキアとかかましてて、ちょっと成金っぽいというか、本来の彼らのハイ・スクール坊っちゃん感がありありというか、でも不思議と聴き飽きないというか。永遠にあの1stと比べられるのがバンドの宿命なのだろうけど、でも40代には40代のロックでポップなレコードがあるというか。コロナ真っ只中にこの「At The Door」のPVを観て一人泣いていたのはずっと秘密にしておきたい。




そんな感じでまた今週末から新しい展示会が始まります。


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