職人さんに会いに~京七宝:wayuplus+~
wayuplus+さんにご紹介頂き、 京都伝統産業ミュージアムで行われた京七宝協同組合展にお邪魔しました。
多種多様な七宝焼きを一度に見ることが出来る素敵なイベントでした。シンプルなもの、色鮮やかなもの装飾の細やかなものなど、同じ七宝焼きとは思えない多様さに驚かされました。
実演のブースもあり、作家さんから直接お話を聞くことも出来ました。
皆さん七宝焼きに触れる人を増やしたい気持ちを強く持たれていて、自分の描くイメージに合わせて変化する七宝焼きの柔軟さを熱心に教えて頂きました。
この記事を読んだ皆様も、七宝焼き作りにもぜひ挑戦してみて頂けると嬉しいです。
wayuplus+について
wayuplus+さんは師匠である岡田和幽氏の意を継いで伊佐さんが立ち上げられたブランドです。岡田和幽氏は尾張七宝を学ばれた方で、wayuplus+の「wayu」は岡田和幽氏から来ているんですね。
作品は色鮮やかで幾何学的な模様や抽象的な模様が描かれている物も多く、昔ながらの柄でありながらモダンな印象も受ける素敵な作品を数多く製作されています。
伊佐さんのお母様も七宝焼きで作家活動をされているそうで、兵庫で教室をされています。wayuplus+のルーツは京都だけではなく愛知や兵庫等様々な要素が合わさって出来ているのですね。
伊佐さんは作家活動の傍ら歴史を紐解く作業もされています。
京七宝は室町時代から続く歴史ある工芸品ですが、注目され始めたのは明治時代からです。すっぽりと抜け落ちてしまった明治以前の歴史も、今のうちに繋いでおかなければ紐解くことも出来なくなる日も来るかもしれません。
七宝焼きと京七宝
七宝の起源は古代エジプトにあると言われ、シルクロードを渡って日本に伝えられました。
日本最初の七宝は飛鳥~奈良時代に作られた物が古墳から発見されていますが、
世界的に注目され始めたのは明治からです。
愛知の尾張七宝、京都の京七宝、東京の東京七宝に主に分類され、中でも京七宝は室町時代から江戸時代にかけて一世を風靡したと言われています。金工や京焼きとお互いの技術を取り入れ発展した事が特徴で、工芸が盛んであった京都ならではだと言えるでしょう。
京七宝において並河靖之という方の存在は欠かせません。並河靖之は東京の濤川惣助と共に明治の二大七宝家といわれ技術の向上に努めました。こうした努力により、当時京都には多くの職人を抱えた七宝の工場が何軒もあり、輸出に盛況をきわめていたと言われています。
京都には並河靖之七宝記念館もあり、並河靖之の自宅兼工房であったお屋敷を記念館として解放しています。
130点余収蔵されているという作品の美しさは勿論ですが、町屋であるお屋敷もとても風情があり観光の際に訪れてみるのも良いかもしれません。
七宝焼きの作り方
七宝焼きは金属の土台に釉薬を焼き付けたもので、金属線を使って模様の輪郭を形作ります。
ハンドメイドで注目されているレジンと外見は似ていますが、レジンが1、2年で変色してしまう 一方七宝焼きは変わらない美しさで残り続けます。
安土桃山時代に多く生産された納戸の七宝焼き等が、今でも色鮮やかに残されているのはその為ですね。
プレゼントや記念品等用途によって使い分けてみるのも良いかもしれません。
<製作工程>
1.金属で土台を作る
2.土台に下地を焼き付ける
3.下地の上に紐状の金属で模様を作る
4.模様に合わせて釉薬を盛る
5.焼き上げる
6.磨く
7.完成
まとめ
七宝焼きは自分の好きな柄を自在に作る事が出来る、自由度が高い工芸品だということを知ることが出来ました。
だからこそ自分のイメージをなんとか七宝焼きに落とし込もうと皆さん試行錯誤されているのかもしれません。
京七宝協同組合展では、各工房が浮世絵を七宝焼きで表現する展示もありました。
大きさから用途まで様々で、同じテーマでも工房により全く違う物のように感じられました。
このように様々な七宝焼きがあるのも、日々産み出される技が受け継がれ、磨かれている証です。
その技がこれからも途絶えず美しく残っていって欲しいと思います。
自分の絵をオリジナルの七宝焼きに、なんてことも気軽に出来るようになると良いですね。
企業情報
ブログ:
https://wayuplus.hateblo.jp/entry/2020/04/05/はじめまして
Instagram :
https://instagram.com/wayuplus_cloisonne?igshid=btrf4hqn9uvk
【参考】
http://www.kougei-kyoto.jp/kougei/shippou.html
www.wargo.jp/column/shippou/#:~:text=七宝とは、金属の,金属工芸の総称です。&text=中でも京七宝は、室町,に続く伝統工芸です。
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