【詩】 H A J I M A R I
始まりは、5月の朝、都市のビルに切り取られた青空にも無限があることを思った。
誰しもの中に尊い命の脈動が存在することへの親しみと敬意が溢れた。
ほんの数分の中に、世界を揺るがす己が響き、新しい夢がこの地球に降り注ぐ。
祈りのひととき。
歌は、幸運の透明な羽として、ゆらゆらと空気中を舞った。
詩人であり、音楽家である青年がそこに座っていた。
彼の心の響きが、一瞬、その羽を見えるものとした。
彼はすかさずその陰影を、言葉に写し取った。
始まりは5月の朝。
都市のビルの狭間に浮かんだひとときの永遠。
Poetry by Shinta SAKAMOTO
2024/11/6