広告クリエイターの素 前編
「ビレバンに売ってるものは、なんでもオシャレだ」
と思っていた、青森から出てきたばかり、19歳の僕。
部屋にあったらカッコ良さそう、と手に取ったこの本。ついこないだまで忘れていたけれど、これが広告業界に興味をもったきっかけなのかもしれない。懐かしくて、中古で(数十円で)買ってみた。
初版2002年。20年近く前に書かれたこの本。
久しぶりに開いてみると(当時は全く知らない人たちだったのだけれど)、名コピーライターの20年前の写真や言葉が並んでいた。
心に残った言葉を、読書メモとして、ここに書こうと思う。
麻生哲朗さん「面白いことが全て」
「環境は勝ち取るものです。面白くないものに対して、仕事の発注などありえませんから、仕事の環境をよくしたいと願うのなら、面白いコンテを出し続けることでしょう」
商品が抱えていること、自分が感じている世の中に対する気分がカチっとハマる瞬間に、パズルの答えが見つかる。「だから、全員が幸せになるパズルがあるはずです。プランナーはそれを考えるのが仕事だと思います」
(メモ:若かりし麻生さんも今と変わらずカッコいい)
小西利行さん「面白い視点を発見すること」
「自分でも面白いと思って、そうしたら周囲も面白いと言ってくれて、キャンペーンも盛り上がった。目から鱗だった」
「面白いことを考えることは、面白く見せることじゃない。面白い視点を発見することなんです」
理屈で考えて積み上げることより、自分の内部からこれは面白い、と思った瞬間に新しい視点ができあがったのだ。(中略)自分が面白いと思ったことを、表現すればいい。(中略)そこからは人が変わったようにポジティブに仕事に臨んだ。
安定志向ではいけない。「ルールの前に面白いことがあるからです。(中略)やはり面白いことありきで、安定志向ではそれを押し通せないということですね」
「物事を大きく考え、ダイナミズムで提案する」
(メモ:胸が痛い)
中村禎さん「想像力があるかどうかが分かれ道」
「あらゆる手段で手がかりを探しています。(中略)人を観察しながら、このコピーはいけるかどうか、自分なりにチェックしますよ」
「コピーをみた人がどんな気持ちになるかを考えるのが、想像力です。(中略)つまり気づくことです。」
「人間として当たり前のことをするのって、一番難しいですから。そういう意味でも、気がつくかでしょうね」
(メモ:迫力と人間性を言葉からも感じます)
神谷幸之助さん「走る続けないとチャンスはこない」
「(中略)会社員としてのコピーライターの寿命は短い」発注する側よりも年齢の高いコピーライターには発注されなくなるときがやってくるということ。
「コピーだけではなく、面白いアイデアを考える(中略)。ただしコピーライターは言葉の専門家。そのことをまず大事にすることです」
「名刺の肩書きにコピーライターとすれば、すぐなれる。(中略)大事なことは、どのレベルのコピーライターになりたいのかだと思う」
「10本打って、3割が当たればいい。3割の達成感を作るためにも走り続けないと、チャンスはやってこない」
(メモ:何を目指すのか、そこに努力は足りているのか)
手島裕司さん「自分のコピーには、自分で責任を」
「コピーは上司のチェックがあるのが当たり前だと思っていた僕に『(中略)キミが良ければ、それでいいよ』と突き放してくれました。(中略)自分のコピーには、自分で責任を持たなければいけないことを知りました」
(メモ:一言ですけど、ずっしりきます。責任と見る目を)
森田奈津美さん「嘘をつかないこと」
「おもしろいと思っていないのに、おもしろいと思っているフリをすると失敗する。あとで後悔する。イイと思うことを書こう…」
「楽しくないと、その気持ちはコピーに表れる。(中略)だからコピーを書くときに心がけているのは、嘘をつかないことです」
「自分んがちゃんとおもしろいと思ったことを発信すること。確信がなくても、なんかひっかかる、と思ったことがあればそれを形にするように努力する」
(メモ:いいと思っていないこと、仕事以外ではあるなぁ)
東秀紀さん「新しい表現、へ がんばること」
「『トーン&マナー』という言葉があります。これは僕なりの解釈では、その商品をどういう性格にするか、ということだと思うのですが」
「『その商品をそういう性格できたのか』と驚きをもたらすことです。一言で言えば、新しい切り口で描いた性格ですね」
「偉そうな立場や環境があっても、つまらないものを作ってしまうと、仕事がこなくなる。(中略)地道だけど『考えること』」
(メモ:当たるかはわからないけどつまらないものはつくらない)
今日はここまで。
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