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業務改善の取り組み最初の1時間

業務改善を行うとき、最初に取り組むべきは担当者へのインタビューです。長すぎても短すぎてもダメなので時間は1時間と決めています。短すぎたらダメな理由は想像ができると思いますが、長すぎてダメな理由をいくつか説明します。

一つめの理由は担当者の日常業務に過度な負担をかけるからです。特に信頼関係が築けていない状態での過度な負担は、ネガティブな印象を与え、関係構築の妨げになります。また、インタビューが長引くと、担当者の大切にしていることや切実に悩んでいることにフォーカスする機会を失い、支援する側が「味方である」ことを伝えるチャンスを逃してしまいます。この最初の1時間で担当者との信頼関係を築くことは、業務改善を進める上で、不可欠となります。

もう一つの理由は、この最初の1時間でクリアになった課題を持ち帰ってもらうためです。1時間では解決策までは話し合いません。担当者に持ち帰ってもらい、改めて冷静になって考えてもらう時間を作ります。次回のミーティングでは、課題の解像度が変わっているはずです。時には、別の課題がより重要であると気づくこともあります。

では初回ヒアリングの具体的なステップとその内容をご紹介します。

  1. 表層的な課題の特定
    最初の数分間で、担当者が最も課題意識を持っている問題を聞きます。この段階ではその問題について現状を話してもらいます。

  2. 課題の原因の探求
    次に、その問題がなぜ発生しているのかヒアリングします。担当者の視点から問題の発生している原因を聞くことで、問題の周辺にある副次的な課題やサービスもしくは組織構造の課題が見えてくることもあります。

  3. 原因の背景理解
    このステップでは、原因の深掘りをします。その原因がどのような状況や条件下で発生し得るのかを理解します。これにより、問題をより広い文脈で捉え、効果的な改善策を考えるための基盤を築きます。

  4. 理想状態の描写
    担当者に問題がなくなった理想の状態を想像してもらいます。これにより、目指すべき方向性を明確にします。

  5. 理想状態の検証
    最後に、提案された理想状態が実際に担当者のニーズに合致しているかを確認します。この理想状態が、担当者にとって心地のよい状態なのかを確認することで、次のステップである改善方法の検討に進んで良いかを判断します。本当の理想状態でない場合は、課題の原因や、背景の中に本当の課題が潜んでいることが考えられます。時間の許す限り課題を掘り下げていきます。

業務改善に取り組むときの最初の1時間は、担当者との信頼関係を築くとともに、担当者が業務改善に取り組むにあたって、気持ちを整理してもらうための時間としても、重要な時間となります。

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