B2Bマーケティングの予算と目標値の相関関係と、そこから計画立案の因果関係をまとめてみた。
皆さんご無沙汰しております。
マーケティングオートメーションとノーコードでお馴染み「サスケ」のインターパーク高井です。
まずは、皆さん早めにサスケシリーズのご契約をよろしくお願いします。
では、本題に入っていきますね。
祝日で少し時間ができたので、久々にnoteで外部向けマーケティングtipsをアップしていきたいと思います。
最近の私はというと、上記の「サスケ」シリーズの事業開発をしながら、マーケティング顧問みたいな形で、外部の会社さん数社にもコンサルティングのお仕事で関わらせて頂いてます。
私のリソースや、ご予算の関係でお引き受けできるもの、できないものあるのですが、マーケティングや営業、事業開発まわりのご相談もたくさん頂いております。
という状況でして、
その中で多い課題がタイトルの「マーケ予算と目標値の設定方法」に関してなんですよね。
具体の施策はなんとなくイメージはついているんだけれども、これからマーケティングをはじめるにあたって、目標数値の置き方と予算をいくらつけていいのかわからない。適正数値がわからないというお悩みですね。
実は、前も似たような内容で書いた事あるのですが、今回は7000文字オーバーでそこそこ本気で書いてしまいました。ご興味あればぜひ一読ください。
マーケティングの予算配分と目標数値の設定方法
大きく分けて2つのケースがあって、
こんな感じで、どこから紐解いていったらいいかわからないという課題ですね。
プロダクトの強みと自社の勝ちパターンを把握
速攻で話はそれるんですが、その前にやらなきゃいけない作業が2つあって、1つ目はいわゆる4P/3C/SWOT分析と言われるような競合との「差分」や、市場の中での「強み/弱み」といったプロダクトの立ち位置の把握ですね。
図解するとこんな感じで、この「黄色部分」の勝ちパターンをコンテンツに落とし込んでいくことがマーケティングの目的になりますね。
2つ目は、自分たちの得意なビジネスパターンを把握していく必要があります。
B2Bマーケティングの場合って、ブランディングから受注までのプロセスは、こんな感じです。この大分類の中で自社がどこが得意かという話ですね。
その把握をした上で、「自社が得意な部分の近しいところからマーケティングを強化していく」というのがオススメです。
例えば、営業が得意な会社であれば、そこに近しいプロセスの部分から、まず強化していく。
すなわち、自社の得意分野の強化先が、マーケティング施策になり、広告予算の投下先になっていきます。
また得意な分野の補助として、新しい手法を開拓したい。そんなマーケティング活用であれば、外部プロのリソースが活用できるアウトソースがオススメです。
ただ出口からうまくいくか?ここをシュミレーションできるかを考えて、自社と外部プロの思考力を合算させることが大切だと思います。
ゴリゴリの営業が得意な会社が、ブランディングに取り組もうといっても、そういったマインドが社風として根付いていないのでうまくいきづらいですし、営業を一切やったことがない会社がインサイドセールス強化といっても、リードがとれてもその後の商談でつまる。
なので、自社の得意分野の近しいところからまずは攻略していって、結果を出しながら、段階を踏みながらマーケティングエリアを拡大していくのがベターで、出口戦略としてアウトソースも考え方として有効だと思います。
という前提を共有しつつ、ここから広告予算と目標の話に戻っていきます。
目標数値から「15%」を目安に広告予算を設置
話が戻ってきました。
広告予算と目標の相関関係をつくるときに、まずやることは、最初は柱となる数値を仮設置してしまうということですね。私の場合、広告予算を目標数値15%でまず仮置きして計画立案をはじめていきます。
1億目標であれば、1500万の広告予算という設定になりますね。
これなら、目標数値が決まっていてもいなくても、同時にまず入口と出口の数値を設定できますので、まずは話を次の展開に進められます。
全体像としてはこんな感じで計画をつくりたいんですが、
まずとっかかりとして、上図のつながりがつくれます。
予算を投下するマーケティングチャネルの選定
次は各施策の選定ですね。ケースとして多いのが、
元々営業が強い。これからマーケティングに取り組んでいきたいというパターンですね。かつ私の場合、IT製品のマーケティング支援のご相談と実施が圧倒的に多いので、その場合を例にチャネル選定を考えていきたいと思います。
営業が強いということは、フィジカルの接触に強いということなので、
この場合の着目点は「人」なんですね。よって自社の勝ちパターンは「対面の人的リソース」なので、まずはそこを軸に考えたほうが良いんですよね。
マーケティングって人が動かず、コンテンツとシナリオで展開する空中戦みたいなイメージありますけど、「人」が動いて展開するマーケティングの手法もたくさんあります。
というか「人」が直でコンタクトできるマーケティングは最上級にリッチな手法。成功確率も高いので人的リソースがある会社は、まず「人」ベースのマーケティングを考えていくと良いと思っています。
今回はインサイドセールスと展示会出展で考えてみます。
メインは、勝ちパターン「人」に近いマーケ施策を選択
なのでこの例でいくとメイン路線は、
インサイドセールスの強化または分業化、展示会出展がベターですね。
広告予算的には、
ちなみに下図うちの展示会出展の費用対効果の例ですが、5000%以上の費用対効果が出ています。
展示会って、インサイドセールスとマーケティングオートメーションをうまく活用してフォローを徹底すれば、負けづらいですし、手法もオーソドックスで型化しやすい取り組みやすいマーケ施策です。
まずマーケティングをはじめてみたいという企業さんには、展示会+インサイドセールスの組み合わせから入ってみることをオススメしています。
詳細興味あれば下記の記事もどうぞ!
続けます。
サブ戦略は、アウトソースで陣形優位の「商談セット」を出口に設計
今回の例でのサブ路線を考えると、
広告展開と、そのコンテンツとなるクリエイティブ制作費用ですね。
クリエイティブ制作費用、リスティング広告や、SNS広告、オフライン広告などの広告費用及び、アウトソース費用が該当するのかなと思います。
これは、安易にWeb上でのキャンペーン展開というよりは、製品やサービスの購入者=ペルソナが、どういった層かによって、リーチできる広告出稿先を検討する必要があります。
オンラインであれば、リスティング広告やFacebook広告。Web上からリーチできないような層であれば、雑誌の業界専門誌や、郵送DM、FAXなんかを使うことが多いですね。
B2Bマーケティングの場合って、オンラインでリーチできないことが、かなり多いので、オフライン施策の場合は、顧客が普段どういうもので情報収集しているのかという創造性を働かせた発想が必要になってきます。
今回は仮に、オンライン上でリーチできる前提で考えてみますね。
例えば、メインとサブで広告費用と振り分けて考えると
ボトムアップだと「合計:2300万/年間」程度の費用が必要だと見積もることができました。
トップダウンとボトムアップで広告予算の振り分けが完了
先程、トップダウンで目標数値が1億円に対して15%で広告予算を振り分ける話をしたと思うのですが、突き合わせをすると
状況としてはこんな感じで、全体予算から15%でトップダウンで引いた数字と、得意分野からボトムアップで引いた数字が出た格好です。
まずはここまで出来上がりました。
まずこの2点の数値と、差分800万は一旦これで仮置きしておきます。
次はマーケチャネルからのCV率(リード獲得率)、案件化率、受注率をドリルダウンでみていきながら、広告費用が目標値につながるかを見ていきます。
平均単価やLTVを算出する
次にマーケチャネルごとの、CV率(リード獲得単価)、案件化率、受注率を見ていきます。
必要な受注件数を算出したいのですが、そのために必要なのは商材の平均単価になります。
ちなみに単純な平均単価もいいのですが、サブスクリプション型であればサービスの平均利用期間、フック商材であればクロスセルやアップセルも含めて、
1受注によって顧客から得られるLTV(ライフタイムバリュー=顧客生涯価値)を目安値としてもっておくと色んなところで活用できるので、これを機に定義してみるといいと思います。
単月の売上軸だけで見ると、単価は安くても、実はその後に高単価な製品が売れているなど、単純に一時で得られる売上以上の価値が、「1受注」に含まれているケースはとても多いものです。
少し話がそれました。戻ります。
「目標金額÷受注金額=必要な受注件数」を算出する
例えば、目標が売上1億円だったとして、商材がLTV250万のSaas製品だったと仮定すると、単純化でマーケティング経由で「1億÷250万=40件」の受注が必要になります。
さらに「40件÷12ヶ月=3.4件」で月に3-4件の受注が必要になってきます。
先程の広告予算で、月に3-4件の受注をつくれるかどうかという論点になりますね。
マーケチャネルごとの打率の目安をつくる
上記のLTV250万のSaas製品であれば、各マーケチャネルのCV率、案件化率、受注率は下記の図くらいかなと思ってます。
3-4件の受注をつくるにはリスティング広告であれば30-80件のリード、展示会であれば300-800件のリードが必要になります。
1件の受注をつくるには、リスティング広告であれば10-20件のリード、展示会であれば100-200件のリードが必要になります。
さらに、下記は一般的な広告からのCV(リード獲得)目安です。
で、実はこの数値は上記で設定した「2つ目の得意分野から引いた広告予算(2つ目の数値2300万)」内で考えています。
なので、目標1億=40件の受注数に対して、2300万の広告予算で18-37件の受注=4500万-9200万の受注見込みが算出できますという論法が成立しますね。
目標と予算とマーケ施策の内容で数値の整合性を整える
ここまでで出揃った数値は
です。
あとはこの数値をどう解釈するかですね。
このマーケティング計画だと、そもそも目標数値1億に届いてないよね。
がまずあって、
目標数値から15%という参考値から考えると広告費用は多いよね。とか、4500-9200ってかなり結果の想定に開きあるよね。とか、展示会頑張って400枚じゃなくて600枚の名刺交換したらいいんじゃない。などなど
会社やプロダクトのフェーズ、可能性、状況の定性面を議論しつつ、数値を調整していきます。
さらに、ここまで立てた大まかな計画を振り返ると、
こんな感じですが、計画で目標数値に届いていないといっても、
例えば、メイン路線のインサイドセールス単体でのパフォーマンスは計算されてませんし、Web製品ページのリニューアル後の自然流入の効果も計算されていません。
1億に足りない800万から5500万の残不足数字分を、メイン路線のインサイドセールスで補填したり、現在は計算に入っていない自然検索からのCVも計算してもいいですし、展示会の名刺交換枚数の目標数値を上げてもいい。各施策のKPIをいじってもいい。
ここで最初の得意分野の話につながるのですが、得意分野に近ければ近いほど、改善のアイデアが出やすいんですし、建設的な議論に発展しやすいんですよね。
なので、やはり最初は自社の得意に近いマーケティング施策に力を入れていくべきなんですよね。と思ってます。
あんなこんなで、目標を下げるのか、広告予算を下げるのか上げるのか。施策のKPI数値を上げる下げるのか。といった数値調整をかけていけば計画は完成に近づいていきます。
自分で書いていてアレですが、このケースだと調整余地がたくさんあるので、広告予算を下げても成立しそうですし、広告予算はこのままで、逆に全体の目標値を上げていくこともできそうな気がします。
マーケティングに関しては下記記事で百科事典的にまとめておりますので、こちらもぜひご参照ください!
数値調整の過程で施策の考え方も明確になっていく
結局、こういった定性面と定量面の数値調整や言語化をおこなっていくと、
みたいな事を改めて振り返ることができるんですよね。
こういう事をビジネスチーム全体で共有できることが、マーケティング計画をつくる一番の意味だと思っています。
やりがちでオススメしない計画立案の考え方
CV率やCV獲得単価は、細かい属性で見れば見るほど精度があがります。
例えば同じ商材でも、ターゲットの業種によって、CV率やCV獲得単価も変わりますし、色んな軸で属性を分けて考えておく癖をつけて数値を分析していくと、マーケティング精度がどんどん上がっていきます。
逆に、マーケチャネルをまるっと1つにまとめて考えてしまう。複数の商材をまるっと1つにまとめて考えてしまう。みたいな単純化はやめたほうがいいと思います。
あとはリスティング広告には検索数に限りがあったり、展示会なら出展できる数に限りがあったりするので、効果が出るチャネルを見つけたとしてもそこからとれるCVには限界があるというところも頭に入れておくといいと思います。
そんな私もかなり単純化して書いてきましたが、考え方としてはこんな感じですね。
実際に計画を立てると、全部の状況が異なるので、通常は過去の営業実績や、マーケティング実績、競合他社の一般例なんかの情報を鑑みながら、案件ごとに目安をはじいていきます。
あくまで考え方として参考にして頂ければ幸いです!
最後に再掲
もしいい記事だなあって思ってくれたら拡散よろしくお願いします!
皆さん下記を一早く契約してください(しつこい)
まずはお問い合わせお待ちしております(しつこい)
特にステルスしないステマ。
すなわち、もはやマーケティングにて終わらせていただきます!
ご静聴ありがとうございました!