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この2つの言葉の違いは要するに、「文化」と「風土」の違いです。

企業文化と企業風土、地域文化と地域風土というようなイメージでしょうか?

となると、

まずは「文化」ってなんだ?

ってことだと思います。


文化とは

文化とは・・・。
Wikipediaによれば、「人間が社会の構成員として獲得する多数の振る舞いの全体のこと、社会組織(年齢別グループ、地域社会、血縁組織などを含む)ごとにある」とありますね。

コトバンクによれば、「ある社会の成員が共有している行動様式や物質的側面を含めた生活様式のこと、人間の知的洗練や精神的進歩とその成果,特に芸術や文学の産物のこと」とあります。

要するに、文化とはある集団に共通する行動パターンやルール、その根底にある価値観ということです。


組織文化とは

したがって、組織文化とは、組織内に共通する行動パターンやルール、その根底にある価値観ということです。
違う言い方をするならば、組織文化とは組織のメンバーが共通的に保有している価値観です。

よく、企業や組織において、ミッション・ビジョン・バリュー(価値観)というものが必要だとされています。
価値観は言語化されているのが普通ですが、価値観は感覚でもあるので必ずしも言語化されていない場合があります。

結局のところ、メンバーの価値観がルールを特定したり行動パターンを作り出しています。

では、「風土」とはなんでしょう?


風土とは

風土とは・・・。
Wikipediaによれば、「主にある土地の気候・気象・地形・地質・景色(景観)などの総称、単なる自然現象の他に人間存在や歴史的・文化的な背景も考慮しなければならない事も多い」とあります。

コトバンクによれば、「その土地の気候・地味・地勢などのありさま、人間の文化の形成などに影響を及ぼす精神的な環境」とあります。

要するに、風土とは、その名の通り、そこにある環境です。
概念的には、そこにある空気、風、雰囲気、景観、人間生活があるので、それらを含めて風土なわけです。


組織風土とは

したがって、組織風土とは、組織が存在している環境であり、その環境は、組織構造・制度・人間関係・組織理念・雰囲気などです。縦割り組織・仲良し組織・年功序列・助け合うというのは組織風土と言えます。

組織文化はメンバーの行動パターンや根底にある価値観なので、メンバーに変更があると文化は変わる可能性があります。
中途採用者が増えたり、平成生まれの新入社員が過半数を超えたりすると文化は変わってしまいます。

組織風土は、環境なのでメンバーが変わるぐらいではなかなか変わらないのものです。


組織文化と組織風土の関係

どちらがどちらに影響を与えるのかと言えば、両方あるのだと思います。

組織文化が変わることで、組織の構造や制度や理念が変わることがあると思います。
しかし、組織の構造や制度や理念が変えることで組織文化が変わることもあると思います。

風土が文化を含んでいますので、結局はどちらも相互に影響を与えていることになるのだと思います。

では、順序としてはどちらが良いのでしょうか?

組織の文化を変えて、組織風土を変える!
組織の風土を変えて、組織文化を変える!


(1)組織の文化を変えて、組織風土を変える!

まずは、メンバーの行動を変えることから手がけ、メンバー自身によって、組織の理念や制度や構造を変えるという手法があると思います。

このアプローチは、ボトムアップでホールシステムアプローチなので、多様化した社会、複雑で予測困難な社会においては最適なアプローチなのではないかと思います。この手法は、とても時間がかかるアプローチですが、一旦根づけば持続性があり、誰かの意図に左右されない強固な組織を作れる可能性があります。


(2)組織の風土を変えて、組織文化を変える!

組織風土は、理念から始まり、制度や構造なので、このような仕組みや装置を変えることで、その装置の中にいるメンバーは価値観を変えて、行動パターンやルールを変えるという手法があると思います。

どちらが良いとか悪いとか適しているとか適していないというのは、その組織の歴史や背景やビジネスモデルや取引先や顧客や市場によって異なると思います。

このアプローチは、トップダウンでプロジェクトアプローチなので、単純な社会、予測しやすい社会においては最適なアプローチなのではないかと思います。この手法は早く結果を出せるかもしれませんが、根付かない可能性や、制度や構造という風土を変える人の意図が色濃く出る可能性があります。


また、企業のシチュエーションにも依存すると思います。

・強力なリーダーが存在するスタートアップでスピードが重要な状況
・成熟した大企業で合議と合意が重要な状況
・主体的なメンバーが少ない状況、あるいは多い状況

自分の会社や組織やチームが上記のどの状況であるかを良く検討して、ボトムアップでホールシステムアプローチが良いのかトップダウンでプロジェクトアプローチが良いのかを検討してみてはどうかと思います。

ホールシステムアプローチについては、以下の動画でも解説しています。



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