可愛い懺悔 2
剛輔に最初に逢ったのは
私が金曜日だけアルバイトしてたスナックさ。
ママは私以上に綺麗くて、輝くような超美人。
だから酒癖悪い客に
しつこく絡まれることもよくあった。
そんとき、私が言ったんだ。
おっちゃん。いい加減にせんね。
ママが困っとると分からんとね。
そしたらその客が
うるさい。
黙れ。ブス!
乙女に向かって何言うか。
私は頭にきてしまい
こげん美人に向かって
ブスってなんば言うとか。
金払わんでよかけん。
さっさと帰れ!
客が帰った後、ママが心配そうな顔をしてた。
仕返しに来ないかしら。
私、言ってたあげた。
大丈夫よ。
スナックで絡む男って、
チンコも気も小さいけん。
ママは笑ってた。
客に支払いさせずに帰したから
その日はバイト代、貰わないつもりだったけど
ママはいつものように、バイト代だしてくれた。
それをどこで聞いたか、剛輔が
朋美。惚れ直したぜ!
お前が私に惚れたなんていうの、
初めてじゃないか。
言葉の使い方も知らんのか。お前は。
馬鹿たれ!
私の誕生日に鉢植えの菫を買ってきたんだけど。
水のやり方も知らないって言う。
そんなの買う前から、調べとけよ。
馬鹿たれ!
菫は今、私が水をあげてるけど。
馬鹿たれ!
こんなんじゃ、プレゼントなんか、ならんとよ。
馬鹿たれ!
馬鹿たれ!
あら祐ちゃん。
お腹が空いたんだね。
夕飯の支度、直ぐするからね。
祐ちゃんが大好きなパパも、
もうすぐ、帰ってくるからね。
ママもパパが大好きだよ。
祐ちゃんが笑ってる。
剛輔、寄り道しないで早く帰ってくるんだよ。
愛してるんだから。剛輔!
分かってるのか。お前は。
馬鹿たれ!
馬鹿たれ!
馬鹿ったれ!
《了》
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