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膝蓋腱炎と2022年

大学時代から故障のデパートと言われ、幾度となく故障を繰り返してきたが、2022年はこれまでで最も故障に苦しんだ1年となった。
自分がこの一年を通じてどのような取り組みをしてきたか、そして同じように膝蓋腱炎(いわゆるオスグット)に悩む人の一助となればと思い、2022年12月31日に久しぶりに筆を執る。

■経過
・2021年8月。ランニング時、時折右膝(脛骨粗面:オスグット)が痛むことがあった。ただ、痛みは一瞬であったり、数日後には消失していたので大腿四頭筋の張りから来るものだと思い込み、気にはしていなかった。

・2022年1月。走り出しや階段の昇り降りで膝が痛むようになった。ロングランなど長時間同じ動作を行うと終わった直後から痛みが強くなっていった。スプリントで痛みはなし。

・2月半ば。走り出しやロングランの直後に痛みが強かったが、jog中も断続的な痛みが出るようになる。一旦、走トレーニングを中断。医療機関を受診し、検査を受けるも原因は特定できず。衝撃波、ハイドロリリースを試す。一時的に良くなるも一回走ると悪化。マッサージ、鍼治療も継続。

・3月~5月。ほぼ走っていないにも関わらず、痛みが更に強くなり、階段昇降だけでなく、椅子からの立ち上がりや、歩行、自転車を漕ぐ等日常生活に支障が出るほど痛みが強くなった。特に辛かったのはトイレ。便座から立ち上がる時に痛みが強く、毎回憂鬱になった。だいたい15分ほどのjogを2日続け、1日休むの繰り返し。その程度だと痛みが強くなっても1日休むと回復出来ていた。
衝撃波、ハイドロリリース、マッサージ、鍼治療は継続。しかし、痛みは悪化の一途。ただし、ストレングストレーニングを行う中で膝を曲げて、力を入れたまま、前方へ膝をスライドさせると痛みが出ることが判明。
日常生活でもその動作が出ないように体重の掛け方、動き方を追求。

・6月。MRIを再度撮影。脛骨に膝蓋腱が付着する部分の骨が変形し、出っ張り(骨棘)が膝蓋腱に刺さり、炎症が発生していることが明らかに。
原因が特定されたことにより、傷んでいる腱を切除するTENEXという手術(検索してください)、変形した骨を切除する手術、そして対外衝撃波を続けるという選択肢が示された。手術をすると数か月更に走れない上に、年齢的に実業団選手としても競技続行が絶たれる可能性があったため、体外衝撃波での治療および動作の改善を行うことに。

■取り組んだこと
トレーニングとしてはプールでのインターバル、上肢のウェイトトレーニングを中心として強化を図った。
そこに加えてスクワットでの動作改善、具体的には股関節屈曲優位の動作取得及び痛めている膝蓋腱の強化を行った。
膝蓋腱の強化のイメージとしては、傷んでいる腱に対して適切な負荷を与えて、少し傷を入れて回復を図るというものである。
種目としてはスパニッシュスクワットと呼ばれるリハビリトレーニングを実施した(https://www.youtube.com/watch?v=e7oGNVUQi2I)。

このトレーニングを週に2回ほど痛みの様子をみながら行った。実施するとやっている途中や終わった後に痛みが出るが、数日経過すると痛みが以前よりも出なくなっている。それをひたすら繰り返した。
最初は良かれと思って毎日行ったが、やりすぎて逆に痛みが増したので、回数を減らしたら良くなった。何事もやりすぎには注意である。

■その後
衝撃波の治療、マッサージ、鍼、股関節屈曲の取得、スパニッシュスクワットを継続し、更にプールでのインターバル、軽いjog、上半身のトレーニングを中心に5月~7月を過ごした。また、股関節屈曲の動きが出来るようになったこともあり、自転車での痛みが漕ぎ方によっては出なくなってきていたため、自転車トレーニングも再開。ついでにクロスバイクを購入し、ロングライドも実施。6月下旬あたりから50~60分ほど週に2回ほど走れるようになり、7月は最長80分、9月は90分と徐々に通常の走トレーニングに近い内容に戻すことが出来た。10月には5000mのレースに出場も果たした。

■現在
現在は衝撃波治療は終了し、マッサージ、鍼、股関節屈曲のトレーニング、スパニッシュスクワットを継続している。今でも痛みが全くないというわけではないが、ほとんどの走トレーニングに問題がない程度に痛みは減った。ピークの痛みが10であれあば、今は2~1というところだ。

■まとめ
パラパラとまとまりなく、書いたが、大事なことは以下であったと思う。
①まず医療機関を受診、検査し、痛みの原因を特定する
②痛みの原因となっている動作を特定し、改善に努める
③痛みが出ている部分を治すだけでなく、強化する、治癒させるためのリハビリトレーニングを行う。ただし、やりすぎは逆効果
④痛みが減ったからと言ってすぐに治療やリハビリトレーニングをやめない

■今後
2022年は個人として全く結果が出せず、陸上人生で最も苦しんだ一年となった。毎朝起きるのが苦痛で、治っていることを期待して、ベッドから起き出し立ち上がるも、膝の痛みに萎える毎日。もう二度と走れないではないかと絶望した日々。でも諦めなかったのは「走ることが好き」だから。
幸い足の痛みも軽減し、競技を続けるチャンスをもらった。そんな絶望の日々からすれば今の状況なんて大したことない。
2023年は今までの34年の人生で得た知識を総動員し、錆びついた自己記録を更新し、走る喜びをもう一度味わいたい。

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