500日のカウントダウンと未来への投資
時間が過ぎるのはあっという間で、30歳の誕生日まで「500日」を切った。
2年前の誕生日に入れたカレンダーアプリをのぞいてみたら、偶然にも区切りのいい数字が映し出されていた。
周りを見ると、友達の大多数は人生の次なるステージに上がり、新しい家族の誕生を迎える頃。仕事に精力を出すメンバーも、華々しい結果を出している。
それぞれが自分の人生を目一杯に堪能しており、それを見て「さすが、私の好きな友達だ」と誇らしく感じる。
そして、ふと思う。
自分はどんな30歳に、そしてどんな人間になりたいんだろう。
このように小さな心の中に、誰かを棲ませることができるのだろうか。
体力の乏しいこの身体で、仕事も家庭も両立できるのだろうか。
少しの窮屈でふさぎ込んでしまう自分が、誰かの指針となるような後ろ姿を見せられるのだろうか。
そんなちっぽけな現状は置いておき、今から少し背伸びして、まずは成りたい30歳の姿を想像してみる。
こういう時にはいつも大きな白紙と、2~3種類のカラーペンを使ってマインドマップを書き出す。とにかく、手書きが良い。アナログなやり方のほうが、自分が考えていること・感じていることの源泉から、より直接的に言葉を汲みだせる気がしているからだ。
内面、外見、仕事、人間関係、資産(スキルを含む)……
書き出していくうちに、色々な要素が実はつながり合い、そしてまた異なる領域へ伸びていくのを感じた。なんたって人生は総合格闘技だから、一方面だけ特化させるわけにも行かないのだろう。
自分が書き出したマインドマップを眺めると、冒険・学習・成長にあまりにも重きを置いているのを見て、相変わらずだと少し笑ってしまう。どうやら、「動と静のバランス」が大きなテーマになりそうな予感がしている。
さて、この先はどう歩んでいこうか。
万有引力となる次の柱を探す
同じ頃、大方理解できずにも読んでいたヘルマン・ヘッセの『デミアン』という小説の中の二節が心に刺さっていた。
読みながら、自分がこれまで確かにそうだと感じてきたこと、そして今、心が求めている言葉を投げかけてくれた気がしていた。
これまで、自分がシンガポールに来れたことは本当に偶然の掛け合わせだと感じている。ただそれよりもずっと昔から、過去から海外で働いてみたいという願いは言葉に出し続け、そして「そうなる気がする」という感覚を持っていたから、きっとその切実な想いが運を引き寄せたのだろう。
まだ輪郭はぼんやりしているが、この500日間で一つ、自分に宿題を出したい。
「海外で働く」と同じように、心の奥底から確信に達するようなゴールや物事、愛ないしは人間関係を、ヒントとなる単語でも良いから見い出すこと。
その単語を胸に抱えるうちに、どんどん他の要素とも繋がり、様々な方向へと伸び、やがては自分の人生を大きく支える大きな柱へ成ってくれることを期待したい。
そして、30歳からはその柱を頼りに運や良縁を引き寄せ、大きな挑戦へ力いっぱいに出発しよう。
最後に:未来への投資について
ちょうど同じタイミングで読んでいたので、『僕が考える投資について』という本を紹介したい。自分の将来を考えるにあたって非常に勉強になった。
心に刺さったフレーズの中でも特に注意したいのが、「自分の仕事を大きく喧伝(けんでん)しない」という箇所。
自分を消費されないように気をつけなさい。自分を大きく見せてしまうと、そう「あり続け」なければならなくなる。
何を隠そう、自分は承認欲求が強い人間だ(隠れていないかもしれない)。
ついつい他人に褒めてもらいたいあまり、自分が達成したことをアピールしがちだが、時に疲れる時もある。その答えがここで示されたようだった。
コツコツと仕事の上でお役に立ち、その報酬をもって未来の自分へ投資し、自律的に自分で決めたルールを守り(時には柔軟に更新し)、そうやって日々生きていく中で「職業・自分」と語れるような自分の個性や色を伸ばしていきたい。
500日、捉えようによっては長くも、短くもあるこの期間。
目一杯に楽しんでいこうと思う。
また明日から頑張りましょうね。