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労務,求人,キャリアをAIで分析した話
中小企業にテクノロジーを届ける、TECODesignの杉野です。
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TECODesignがもっとも得意なのは、HRテックと言われる人事労務のクラウドサービスの選定や初期設定、運用サポートです。
つまり、お客さまとしていちばん多くの時間を過ごすのは企業の労務担当者の方です。
この労務担当者の現在地を調査しよう!
と思い立ち、「労務 求人」と検索して閲覧することができた求人情報をひとつひとつ目を通して、集計、分析しました(2024/5/3-5/5に確認できたもの)。実際のPDFファイルは本noteの最後でダウンロードできます。
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一応自分でも整理をしたんですが、AIさんたちに聞いてみましょう!
というわけで、ChatGPT(4o)、Claude(3.5)、Perplexity、NotebookLMにそれぞれ簡易分析してもらいました。
ChatGPTの結果
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ふむふむ。まぁなんかでも当たり障りない感じはあります。
全体的に具体性に欠けるけど、ざっくり理解としては良さそうです。
Claudeの結果
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おお、おお!
コンプライアンス・リスク管理の求人も発見して、新しいポジションを見出してますね。さらに「業務改善」「プロセス最適化」の新しいスキル/アプローチに言及してますね!まさに言いたかったことの一つです。
Perplexityの結果
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最後いいですね笑 多分どこにも書いてなかったと思うんですが、テクノロジーと人間性のバランス、を出してきましたね。もしかしたらAIの弱点を認識しているのでは?と思わせる内容です。
NotebookLMの結果
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Notebookには特に指示を出さず、生成されるブリーフィング資料をそのまま記載します。やはり、というか引用とか番号でしっかり書いてくれる誠実さを感じますね。HRにとっては必ず言及してくれる点、事実に基づいてOUTPUTしてくれるのは信頼度高いですね。
と、こんな感じで差があるのですが、適当に「分析して」みたいな指示文だったので、追い質問しました。
「分析中に気が付かなかったであろう有益な分析結果を出してください」
追加プロンプトの結果
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様々ですよね。どれを相棒とするかの参考にもしてみてください!
ちなみに、今回は1個ずつ試しているんですが、天秤.AIなる便利なものもありますので、色々やってみたいよ、って方はこちらもおすすめです。
さて、ここからは、AIに投げる前に僕自身が考えていたまとめです。
経験年数
32%が経験年数3年以上を求めています。一方、未経験でも歓迎、というのは全体の5%でした。つまり、ほぼ全ての企業が「経験者」を必要としていると言えるでしょう。現在のところ未経験から労務への挑戦はかなりハードルが高いと言えますね。
企業は、即戦力を必要としていることが読み取れます。また後述しますが、オペレーションの次のステップにも取り組んでほしいからこそ、オペレーションは基礎力として必要だとも考えられます。
利用するSaaS
なんかもっと書いてあるのかな、というのが正直な印象でした。思ったより少ない数字だったのですが、使っているツール(SaaS)を明記しているあたり、やはり即戦力としての期待が高いことを想像させます。
給与バンド
年収レンジは259万〜1,200万と幅がありました。
「マネジメント職」「スペシャリスト職(※)」になると給与額は高くなり、社会保険手続きや給与計算といったオペレーションを行う担当、もしくは社労士との窓口としてこれらを行うポジションでは給与額が比較すると低くなっています。
※いわゆる労務(事務)のスペシャリストではなく、企画や組織デザインの要素がつよいもの
リモートワーク
企業の風土や思想を大きく反映しているとは思いますが、ほぼ「出社」を必要としています。オフィスを持たない企業のみがフルリモートを想定しているようですね。出社ゼロで労務担当の仕事に就く、というのは現時点では難しそうですね。
これはリモートワークの盛り上がりがひと段落して、出社回帰になりつつあることも背景だとは思いますが、個人的にはやはり労務メンバーには組織風土を醸成すること役割の期待もあるのではないか、と思っています。
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業務プロセスの改善
労務の事務職としてのオペレーション以外に、「業務プロセスの改善」「業務フローの構築」などのプロセスを改善して最適化する業務を期待する求人が30%ほどでした。これまでの、書類を書く、給与計算を実施する、タイムカードを集計する、といった「点」での事務仕事から業務のプロセス全体を設計する「線」での仕事、「線を描く仕事」への期待が高まっている表れではないでしょうか。
あたらしい役割
先進的な企業では、労務オペレーションのその先を見出しはじめていることが読み取れます。
・業務設計、DX
・労務リスクマネジメント →従業員を守る仕事
・いわゆる運用スペシャリスト(組織変更や評価の変更に対応するための規定修正、届出修正)→ルールを変化とともに扱う仕事(多様な従業員の管理業務)
・企業の「らしさ」を踏まえた制度づくり
などのジョブが明文化されています。ジョブ型雇用ではないにしても、最近は求人段階でかなり細かくジョブディスクリプションを記載することが増えています。これはアンマッチの予防というよりは、そもそもの採用段階で選んでいただく施策です。また、タレントマネジメントの有効化の第一歩はジョブディスクリプションと考えているので、当然の流れのように思います。
これらの調査結果は、労務担当者として経験を積んだら、意外とキャリアの選択肢があることを示しています。そして、大きく分けると次の4つの役割になると言えそうです。
①労務のオペレーション特化(労務とその周辺オペレーションまるっと、な業務改善)
②マネジメント
③スペシャリストとしての労務
④デザイナー的労務(らしさの追求)
これらについて少し解説します。
※この続きや日々更新される記事の全文は、個別購入以外にnoteにて月額400円の『2030年のバックオフィス(いのちだいじにプラン)』への加入でも読むことができます。今回は、4パターンのキャリアについて整理したので、ぜひご活用ください。
また、TECODesignでは労務DXスクール「HR Academy by TECODesign」を運営してます。これからの労務担当者に必要な実践的なスキルを学べるカリキュラムになっていますので、ぜひご覧ください。
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