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労務担当者、知識よりも大切なこと

中小企業にテクノロジーと届ける、をミッションに、クラウド勤怠管理システム始めとしたSaaSオンボーディングをやってます、TECO Designの杉野です。

スギノレターからの抜粋

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TECODesign
スギノレター

労務の世界へようこそ

レターの中では、上記の他にも「労務の世界へようこそ」というコーナーを書いたりしてます。

  • 社会保険労務士事務所スタッフとして、企業の仕事をいただく立場

  • 社内のバックオフィスとして業務に従事する立場

  • アウトソーサーを選定し、業務を依頼する立場

のいずれもを経験した中で、やっぱりこういうのが大切だよね、と思ったことをまとめています。

☆労務の世界へようこそ
 企業の労務担当者について、必要な知識やキャリアあれこれの書籍やnoteなどはたくさんあるのですが、
もっとその手前の「労務担当者」として必要なマインドセットがあるんじゃないかなと感じる機会が少なくないので、これから活躍できる労務担当者に必要なものってなんだろう、を考えてみたいと思います。 

「レスポンス力」
 レスバのスピードですね。従業員からの信頼を得ることは労務担当者としてものすごく重要で、レスポンスのスピードは信頼の第一歩だと思います(数日何もないとかだと信頼できないですよね)。
 「従業員が安心して働ける環境を作りたい」と言いながら、知識を詰め込んだり事務作業に入り込みすぎて、レスが遅いことによる信頼失点をすることが少なくないのでは、と。
 また、必ず誰かが起点となった仕事をやっていて、キャッチボールは必要で、自分のところでボール(仕事や情報)を抱えてしまいすぎる人には、信頼獲得は難しい。

スギノレター過去配信より

今回はその中からいくつか抜粋してご紹介したいと思います。


「権力の扱い方」

 これも持論なんですが、就業規則や勤怠締め締切日など、ルールを作り、守らせる側にいるのが労務担当者なんですよね。ある意味、権力側であるという自覚を持った上で、行動・発言ができるかはものすごく重要です。
(僕は基本的に労務担当者はオペレーションが仕事ではなく、従業員を文化に適応させる、カルチャー・アダプションの役割があると考えています)。
 権力を人を捌くために使うのではなく、守るために使えるかなどといった人間力も含めた、権力の取り扱い方も必要なマインドセットだと考えています。

「公平性」

 欠かせない資質の一つですね。労務とは組織にルールを適用させる、のが第一ミッションなので、えこひいきをしてると組織は崩れていきますね。
感情があったとしてもルールベースで判断して動ける、という人は重宝されるでしょう。ある意味では孤独への耐性とも言えるかもしれないので、承認欲求が強い人には向かないと思う。

「コスト意識」

 ここを強く意識できる労務担当者さん(バックオフィスの方)は、大体において非常に仕事のできる方である確率が高い(経験則)。
 限られたリソースの中で、いかに成果を出すゲームであるかを腹落ちできているので、絞り出し方、取捨選択などが上手いのだ。時に経営者以上にシビアな方もいるくらいだ。
 反対に、「とにかくこうするべきである」「これがないからできない」「まぁこれくらいいいか」などをすぐ口にするタイプは、企業を支える労務担当者とは言えないだろう。コストセンターである自覚を持ち、それを受け止め、否定していく気概のあるタイプは、組織内に与える影響力も大きい。

「孤独耐性」

 別に孤独になりましょう、という話ではなく、承認欲求にとらわれないようにしよう、ということだ。どうしても同僚がいなかったり、相談できない情報を抱えることになる。自身の頑張りやプロセスがなかなか認められないことを不満に思うタイプは、この仕事は長く続けられないのではないだろうか。
 スキルや知識は後からついてくるが、メンタリティの獲得はなかなか難しいかもしれない。

「タスクをTodoではなくFollowdoで」

 これは声を大にしてお伝えしたい。
労務の仕事は多岐にわたり、自身の都合よくいかないこともある、つまり、忙しい。そこでTodoリストなどで仕事を管理する人も多いと思うが、ここに落とし穴がある。
 たとえば社内の重要なアナウンス。「労務としては言いました」と、Todoリストのチェックは付くものの、従業員に伝わらず実行されていないこともある。ここで自分の仕事は終わったと思うか、実行され切ったか追いかけてこそタスクが完了とするかは、労務プレイヤーのレベルとして雲泥の差がある。
 Followdoは造語だが、Todoではない仕事に価値があることを忘れずに取り組みたい。

「自問自答力」

 労務に限らずですが、なかなか労務は評価を受けにくいポジションです(ミスはすごい怒られますが)。
 成果物でしか判断されないことも多く、やれる人からすると楽だと思いますが、自信がなかったりキャリアが浅いと「やってる側から不安になる」ことが多いと思います。なので、常に自分はどうなのか、だったり、さっきの書類や入力があっているのかなど、もう1人の自分から問いを投げかける必要がありますね。僕はこれが弱く、できたできたー!って給与計算やってよくチェックで怒られてました。

「文化を作る力」

 って書くと大袈裟なんですが、一番は従業員に積極的に声をかけるってところでしょうか。うちにこもって事務作業だけでは、重要な情報を見落とすかも知れません。従業員からの信頼も得やすいので、日々声をかける(雑談でOK)はとても重要ですね。
 特に入社したてのメンバーや復帰したメンバーへの声かけの効果は絶大です。リモートや他拠点の場合にはチャットのスタンプだけでも。日々のコミュニケーションが文化を作りますよね。

「取りに行く力」

 管理部門あるあるなんですが、意外と放っておいても社内から仕事が降ってくるんですよね。これが長年染み付いてしまうと、自分から仕事を探す、取りに行く癖がなくなってしまうんですよね。
 オーダーを確実に処理する、というのは大切なのですが、そのオーダーは果たして正しいのか、今やるべきなのかであったり、組織の中で「誰も気がついていないけど絶対にやった方がいいこと」を課題として設定できなくなってきます。
 無意識のうちに。気がつかないうちに、自発性を失わないためにも毎日でも毎週でも「自ら考えて課題を見つけ、設定する」ことを意識する、実行すると、重宝されることは間違いないでしょう。

「配慮」

 気配りとか配慮、、というと曖昧さがあるのですが、一つは「自己犠牲心」に近いものかなと思う。経験上、労務担当者はベクトルが「自身の不安」に向く方が多く、主語が【私】であることも少なくない。
 組織のために、共に働くメンバーに活躍してもらえる環境づくりに関わりたい、のであれば、綺麗事ではなく多少の自己犠牲も厭わない(もしくはそれを犠牲と感じない)心が必要だろうと思う。

まとめ

 色々と書きましたが一番お伝えしたかったのは、経験が全てではない、ということです。労務の仕事に就きたくても、未経験がゆえに書類選考も通過しない…というお声も実際にたくさん聞きました。ここまでお読みいただいてわかると思うのですが、労務担当者に必要な知識がいくらあっても、上記を兼ね備えていなければ、事業に貢献できているとは言い難いと思います(スキルだけならアウトソーシングしてしまうとか、今後AIで代替の可能性が高いですし)。現・労務担当者さん、これから労務のお仕事を目指す方にも、普遍のものだと思いますので、何か少しでも参考になったりお読みいただけたらスキ押してくださると元気が出ます!


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杉野 愼(shinson10)
中小企業にクラウドサービスを広めて、IT化を進めることでひとりでも多くの人を、家族を、企業をしあわせにしたいと思っています! サポートいただいた資金は、地域の飲食店にてしっかり使っていきたいと思います!