間違えられてしまった鳥 ~ブッポウソウとコノハズク~
2016/07/20に作成された記事です。
梅雨が明け、ようやく夏らしくなってきました。
自然科学館のツタも…
『繁茂』という言葉をそのまま表したような状態です。
グリーンカーテン!!
これがどの程度関係しているのかは不明ですが、館内はかなり涼しくなっております。
さて、今日は自然科学館の電線に来館者(?)さんがいらっしゃいました。
キジバトです。さすがに館内までは来てくれませんでしたが……
朝に「デーデーッポッポー」と鳴いている鳥で、公園などにいるカワラバトとは別のものです。
一説によるととても美味しいらしいですが、筆者はまだ食べる機会には恵まれておりません。
鳥つながりで、今回は勘違いが名前になった鳥を紹介させていただきます。
こちらはブッポウソウ(仏法僧)という鳥の剥製です。
夜間に「仏・法・僧」と鳴くことから、この名前がつけられました。
…というのは人間の勘違いで、実際はどんなに観察していても「ゲッ ゲッ ゲッ」と濁った声で鳴く姿しか見られません。
「仏・法・僧」と鳴き声が聞こえていた森にこの鳥が住んでおり、姿が美しかったのもあって、実際の鳴き声を確認せずに名前をつけてしまったようです。
それでは、夜間に「仏・法・僧」と鳴いていたのは一体誰だったのでしょうか?
答えはこちら。
コノハズクという、ミミズクの仲間です。
繁殖期になると、夜間に「ブッ ポー ソー」と鳴くようです。
誤解が解けたのは昭和初期だったようですが、それ以前にも気付いていた人はいたようで、一部の文献には、その証拠が記されているそうです。
今回写真で紹介した剥製は、館内の棚からおろしてきたものですが、
ブッポウソウに限っては
館内中央のケースでも見ることができます。
ラベルデータがあるので見てみましょう。
この個体が採取されたのは大正6年であることがわかりました。
まだ、ブッポウソウとコノハズクの誤解が解けていなかった時代です。
鳴き声が勘違いされたまま剥製が作られていたことを思うと、なんだか不思議な気持ちになりますね。
前回に引き続き鳥類の剥製について紹介させていただきましたが、当館は鳥類以外の剥製や骨格も豊富にあります。
生き物が好きな方は足を運ばれてはいかがでしょうか?
お待ちしております。
2016/07/20
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