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【自己紹介】コーディネーター・田村智揮


皆さま、はじめまして。2024年6月より、信州アーツカウンシルでコーディネーターとして働いている、田村智揮と申します。栃木県で生まれ、その後は各地を転々としてきましたが、ご縁があって長野県に流れ着いてきました。ここでは、自己紹介も兼ねて私の好きなものや興味のある事について書いてみたいと思います。

言語

中学、高校の時は英語が得意でしたが、好きという感覚はありませんでした。しかし、大学に入学して第二外国語としてスペイン語を履修すると、自分は英語が得意というより語学そのものが好きだったんだということに気づき、それから色々な言語をかじってきました。特に、今まで馴染みのなかった文字を使う言語を勉強してその文字が読めるようになってくると、それまで記号の羅列にしか見えなかったものが子音と母音からなる音として認識できるようになる感覚になるのが好きです。その延長線上で、大学院では言語学を専攻し(私の通っていた大学と大学院では言語学の専門学科は無かったので、あまり声高には言えませんが…)、スペインとフランスの国境地帯で話されているバスク語という言語を研究していました。
ゼミでの研究発表や学会などでは、自分の専門である海外のことだけでなく、日本語の様々な方言について知ることができ、とても良い刺激になりました。それと同時に、日本語の伝統的な方言話者の減少に危機感を抱きました。が、当時は海外のことにうつつを抜かしていたので、この問題意識は具体的な行動には結び付きませんでした。しかし、伝統的な方言も文化の一部であって、そしてそれは各地の伝統文化と不可分のものです。最近は、伝統文化が継承されていけるような環境を作り出せれば、おのずと方言も継承されていくのではないかと考え始め、そうした環境を醸成していければなと思っています。

何が何だか分かりませんが、このような研究をしていました。

旅行

大学入学まではろくに海外に行ったことがなかったのですが、大学に入学してからは色々な国に行きました。そして、他人と被ることをやたらと嫌がっていた当時の自分(今もその節はあります)がハマった行き先は、中央アジアでした。航空券が安いという理由だけでカザフスタンに行ったのがきっかけで、そこから関心がウズベキスタン、タジキスタンに広がり、それぞれ旅行に行きました。
カザフスタンの首都は世界で二番目に寒い首都と言われており、最初に旅行に行った1月には外は-20℃、建物の中は30℃という過酷な環境が待っていました。あまりに建物の中が暑かったので思わずアイスを買って外で食べていると、ロシアでは真冬にアイスクリームを食べるという話も理解できたような気がしました。
私としては、この3か国の中ではタジキスタンが一番お気に入りで、2回にわたって通算1ヶ月弱滞在しました。観光地らしきところはあまりありませんが、バザール(市場)をそぞろ歩いて人々の生活を垣間見たりしながら、インターネットでは得られないような経験を多くしました。国土のほとんどが山地で、どこからでもきれいな山が見えるというところは長野県に共通しているかもしれません。
これまで海外の滞在期間ランキング1位は留学していたスペイン、2位は前職の仕事で行ったハンガリーですが、第3位はタジキスタンです。コロナ禍以降は国内旅行一辺倒になりました。


タジキスタンのアジナテッパ遺跡。ここから全身約13mの涅槃仏が出土したそうな。。

自然との関わり

最近、自然とともにどう生きるかというのが自分の中でホットな話題です。これまでコンクリートに囲まれた住宅地で生きてきた一方、最近は様々な要因によって野生動物の生活範囲の拡張してきていて、それに伴い人間社会に支障が生じているというような話をよく聞きます。こうした問題に対し、電気柵を巡らせるなどして物理的(そしてある意味暴力的)に解決しようとする例が見られますが、私はそれは本来的ではないように感じています。
近世以降、「自然を支配する人間」という像が作り上げられ、その前提で都市や市街地が形成されてきました。そしてその恩恵により、これらの場所では日常生活で自然の脅威をあまり感じることなく、平穏に生きることが可能になっています。しかし、本来人間も自然の一部であって、であるからには自然となるべく対等な関係性に立ち、うまく共存していく道を模索するべきなのではないでしょうか。自然への畏敬の念に基づいたマタギや古式捕鯨など、各地の伝統的な生活実践や文化には、そうした自然との共存へのヒントがあると思い、興味を持っています。

こんな感じの田舎でゆったり暮らすのが野望です。

以上をまとめると、いずれも文化への関心というところに落ち着くかなと思います。コーディネーターとしてあまり尖った専門分野は無いかもしれませんが、これまで色々な角度から文化に関心を持ち、経験をしてきたからこその視点で、長野県の文化芸術活動の振興に貢献できればと思っています。どうぞよろしくお願いいたします!

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