心書 Vol.1 「軽やかに」
ちょうど4年前の今、私は友人と共にラオスのルアンパバーン(Luang Prabang)という古都を旅していた。トゥクトゥクで有名なクアンシーの滝を観に行った帰りに、途中の村を通過するときに予想もしていない出来事に遭遇した。なんと、私たちが乗っている荷台に村人が小走りで乗り込んできた。まさか、旅行者狙いの強盗か?と緊張が走る。が、その人は若いお兄さんで、下手ながらも英語で「ちょっと隣の村まで乗せてって!」と笑顔。
そして、隣の村に着くと、やはり動いたままのトゥクトゥクから飛び降りて消え去った。あまりの衝撃に、毎年この時期になると思いだす。
今年も思い出して、さらに気づいた。あれ?これくらい軽くフワーッと生きてもいいんじゃない?
よほどの奇跡が起こらない限り、おそらく生涯もう会うことはないおにいさんだけど、とんでもなく忘れられない人となった。
そっか、人にどう思われるとかそんなことより、この人は自分のすべきことが分かってて、丁度良いタイミングで私たちのトゥクトゥクが通り掛かったから乗っただけか。悩む時間が勿体無い、とりあえず動こう。
ちなみにクアンシーの滝は、雨季で泥水の瀑布でした。本来の姿からはほど遠い…。