土佐塾での講演 令和の志士たち

8月27日午前は土佐塾の中高生相手に講演。テーマを決めずに話し始めたのだけれど、どうやら食料安全保障とエネルギーの話が食いつき良さそうなので、そちらを話すことにした。このテーマだったら、プレゼン使って話した方がよかったかな。

まなび創造コースには60名ほどの中高生がいて、全員が参加。講演の間、先生方も一緒に。話す間にもちょこちょこ進んで質問してくれる子が複数いて、話しやすかった。質問してくれるかどうかって、全然違う。質問するということは話を聞いているということだから。

今回の講演で、食料安全保障の話は、中学生や高校生の子らでも十分理解できそうだ、ということが分かった。今度から、子どもたちにも遠慮せずにこの話をしようかな。子どもたちに語った方が、問題解決には早道かもしれない。

帰りの新幹線が止まってしまい、1時間停滞したのはまだご愛敬で済んだ方かも。当初、台風が高知直撃のコースだったりしたから、こりゃもう無理かも、と諦めかけていたのだけれど、行ってよかった。面白い先生方、子どもたちに出会えた。高知がこれからどう化けていくのか、楽しみ。

幕末の頃、志士と呼ばれる人たちが全国から現れ、活躍した。多くの志士たちは、江戸や京都といった政治の中心地で活躍することになった。最近、私は思うのだけれど、令和の志士は中央ではなく地方にいるような気がする。いや何より、志士は地方でこそ活躍すべき時代が来ているような気がする。

もちろん、東京にも面白い人と場所がある。明照幼稚園の園長先生も大変面白い方だった。だから東京にも「志士」がいると言えるかもしれない。ただ、最近は地方にこそ面白い人材が転がっているような気がしてならない。中央にいると、どうも人が似通ってしまうのかもしれない。

高知には志士がいた。今回は教育関係での出会いだったけれど、おそらく他分野でも志士がいる。これから、いろんな地方で志士に出会える気がする。そうした志士は、中央ではなく地方を目指し、地方で根差す。令和の志士はとても面白い。

土佐塾のまなび創造コースの先生である和田さんも、志士の一人のように思う。だいたい、私みたいな教育者でもない人間を講演に呼ぶのも変わっているし、「テーマ決めずに好きにしゃべってください」と完全にゆだねるのも変わっている。何が起きるのか分からない方が面白い、と。

他の先生方も面白い。バッテリー式の電動ドリルと、一輪車用タイヤと鉄パイプなど、ホームセンターと百円ショップで買える資材でバイク作っていた。基本仕様みせて、子どもたちに作らせたらしい。あれ、マニュアル公開しないかな。すごく面白い。

その「バイク」の指導をした人は、もともとエンジニアだったらしいんだけれど、会社辞めてまなび創造コースの指導者になっちゃった。引き抜く和田さんもスゲーけど、「こっちの人生の方が面白そう」と転職しちゃうその人もすごい。面白い人が面白い人を呼ぶ構造。

西粟倉村のエーゼログループでも、環境アセスメントの仕事をしていた人が辞めて就職したり、環境省の役人をしていたのに辞めて転職したり。「こっちの方が面白そう」で、若い人たちがどんどん集まりつつある。そうした「志」に反応して集まる場が、西粟倉村にも高知にもある。志士たち。

今、地方には、志に反応して志士たちが集まる、という場所がだんだんと増えつつある。地方のド田舎なのに若者が集まるという場所がある。東京に若者が集まるのは足り前だが、地方に若者が集まるのは、志士が志士を呼ぶという構造があるからのように思う。

「この人のところにいた方が面白いことができそうだ」で、前の会社を辞めて転職してしまう。待遇が必ずしもよいわけではない。けれど面白そうだから選んでしまう。こうした志士たちが地方で目立つようになってきた。

以前は地方に志士がいても、つながることが難しかった。けれどSNSのおかげで、全国規模で同志を見つけることができる。で、地方であっても志士が集まる。面白い時代になったなあ、と思う。

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