責任感は責任を上司が引き取るから生まれる

正職員と非正規職員の意識を同じにするにはどうしたらよいか?と質問を受けた。
そもそも待遇も給料も責任も違うのに、同じ意識を持たせようとするところに無理がある。非正規職員は不利な立場である以上、責任は軽くなきゃおかしい。待遇が違えば責任は違う。まずそこから始める必要がある。

非正規職員の責任は正職員が背負うことにした上で、非正規職員の方には「自分の仕事は楽しい」と感じてもらえるようにすることだと思う。楽しいから自分の仕事だと考える。自分の力でやり遂げたいと思うようになる。すると、責任は持たなくてよいのに責任感持って取り組んでくれる。

非正規職員は責任を持たなくていい。仕事を楽しめばよい。そこから始めるから責任感を持って仕事をしてもらえる。矛盾してるようだけど。楽しいから自分でやり遂げたい。やり遂げたいからという気持ちが責任感を生む。でも、やっぱり責任とる必要はないんだけどね。

皮肉なことなんだけど、責任感を持って働いてほしいと思ってる人は、責任を取ろうとしてないように思われがち。「責任感持って仕事しろ!」と叱ると、叱られた側は「お前は人の上に立つ責任果たしてるのか?」という反発が湧く。だから余計に責任なんか取ろうと思わない。

しかし上司が「それは私が事前に察していなかったのがいけなかった。私の責任であってあなたには責任はない」と、責任を全部引き取り、あなたはともかく自分の思うように仕事をしていいんだよ、と言うと、かえって迷惑をかけられないと思い、仕事を責任持ってこなそうとする。

人間って、押し付けられると拒否する。しかし奪おうとするとかえって取り返そうとする。責任というのもそういう面があって、上司がすべて自分の責任として引き取ると、部下は自分の責任として処理しようとする。これは私の仕事!として。

特に楽しい仕事は、楽しみを奪われたくないからきちんとやろうとする。きちんとやろうとすることが責任感というなら、そうなのかも。
「失敗したらどうしよう」と考える捉え方を「責任感」と考えてる上司が少なくない気がするけど、たいがい「どうしよう」は、失敗したときの言い訳を考える。逆効果。

むしろ「これ、楽しい!自分でやり遂げたい!」という気持ちのとき、「最後まで私にやらせて下さい!きちんとやりますから!」となる。楽しい時に責任感は生まれるのかもしれない。ならば、正規非正規の別なく、本来仕事はたのしんでやってもらうのが基本かも。そして正規、さらに上司は。

非正規の方、あるいは部下の責任を引き取り、その分楽しんで取り組んでもらえるようにする。そうすることで逆に責任感は生まれるものなのだと思う。上司の側に、責任を引き取る意思がなければ、そして楽しんでもらう工夫がなければ、部下に責任感を感じてもらうことはできないのかもしれない。

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