砂浜がやせるのは緑が多いから?

全国的に砂浜がやせている。砂を定期的に足してやらないと、砂浜がなくなってしまう勢い。波による侵食を防ごうとブロックを放り込んだりしている。かつては砂浜がやせる季節があってもまた回復したのに。
川にダムができて砂が供給されなくなっていることも大きいが、「緑が増えた」ことも大きい。

江戸時代はハゲ山が多かった。燃料に木を切ったからだ。このため土砂が大量に流れた。大阪などは、大阪城のすぐそばまで海だったのに、大量の土砂で平野が広がった。同様なことが全国で起き、平野が広がった。そのくらい、土砂の供給が大量にあった。

これは明治になってもそうだった。しかし第二次大戦後、石油革命が起きて薪がいらなくなったこと、植林を積極的に進めた結果、有史以来の緑の多い国土となった。奈良時代もハゲ山が多かったのに、今の日本はどこも緑豊か。まさに有史以来の緑の多さ。

それだけ森林が増えた結果、雨が直接地面をたたくことがなくなり、土砂が川に流れ込むことがなくなった。全国的に砂浜がやせる原因に、緑が多すぎる、ということがあるらしい。

以上の話は「森林飽和」に出てくる。しかし砂浜がやせる原因は砂防ダムに帰する話が多く、本書のように「緑が多すぎるから」と指摘する論説は少ない。
この点はもう少し知られてよいように思う。
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